鉄道内迷惑行為ランキング、最上位は今年も「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」(2016年)(最新)

2016/12/22 11:31

日本民営鉄道協会は2016年12月15日、駅と電車内のマナーに関するアンケートの結果を発表した。それによれば調査対象母集団においては、鉄道利用時にもっとも迷惑と考えられている行為は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」であることが分かった。次いで「歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作」「座席の座り方」が続いている。男女別では男性が第2位に挙げている「歩きながらの携帯電話・スマホの操作」が、女性では第4位と順位を下げており、男女によって迷惑行為のとらえ方が異なるようすがうかがえる(【発表リリース:日本民営鉄道協会ホームページ上でアンケート 平成28(2016)年度駅と電車内の迷惑行為ランキング発表 1位は8年連続「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」 2位は「歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作」】)。

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今調査は2016年10月1日から11月30日にかけて同協会公式サイト上で行われたもので、有効回答数は2899人。男女比、世代構成比は非公開。協会サイトへのアクセス者による結果であり、いくぶんなりとも鉄道に興味関心を持つ人による結果であることに留意が必要となる。

駅や電車は多人数が同時に参加・利用する公共の場でもある。当然道徳、倫理の類を守らないと、多数の人が迷惑をこうむることになる。今件ではそのような「鉄道施設内における迷惑行為」について尋ねている。

列挙されている事例のうち、自分が特に迷惑だと思う内容のものを3つまで挙げてもらい、その回答数を集計した結果が次のグラフ。最上位には「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」がついた。1/3の人が「迷惑だ」と感じている。

↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答)(2016年)
↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答)(2016年)

第2位は「歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作」。今項目は今回調査から加わったものだが、初回登場で第2位にランクインすることとなった。報告書でも「駅ホームなどでの「歩きスマホ」は、かねてより危険行為であることをお伝えしておりましたが、お客様同士においても迷惑行為として認識されている様子がうかがえます」とあり、トラブルなども多分に生じていることが容易に推測できる。

ついで多い回答は「座席の座り方」。要は足を大きく広げたり、姿勢を崩したり、あぐらをかくなどして、座席が想定したよりはるかに大きなスペースをとってしまい、他の人の着席を邪魔するような行為が該当する。さらには子供が靴を履いたまま座席に立つのも含まれる。リリース内で詳細が解説されている「座席の座り方のうち、最も迷惑に感じる行為」では、ほぼ2/3の人が「座席を詰めて座らない、間を広くとる、荷物を置く、足を広げるなど」と回答している。

次に多いのは「乗降時のマナー」。列に並ばずに横から入ったり、乗った後に扉付近に留まり、他の利用客の乗り降りを邪魔してしまう、車両内から出る人を待たずに乗り込んでしまう、さらには駆け込み乗車なども当てはまる。同率で「荷物の持ち方・置き方」も確認できるが、他の利用客への配慮を欠いた行為との観点では「乗降時のマナー」とさほど変わらない。

トップの「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」に加え、「携帯電話・スマートフォンの着信音や通話」「ヘッドホンからの音もれ」など、音に関する迷惑行為が多数上位に食い込んでいるのが目に留まる。駅構内はまだしも電車内は一種の閉鎖空間であり、ただでさえプレッシャーを覚えるところに、自分が意図していない音を聞かされることへの反発が大きい。

また中途半端に耳に入ることで、音楽や会話などではなく、単なる雑音として認識してしまうのも「迷惑」と覚える理由。その上「通話」は、その場にいる人の声のみが聴こえ、相手側の会話は聴こえないことから、やり取りの一部のみが耳に入ることになり、大きな違和感が生じ(半ば独り言のように聴こえてしまう)、それが違和感・不快感につながるものと考えられる。

今回の調査結果に関して、回答者の性別に見ると、いくつかの違いが確認できる。

↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答)(男女別、上位)(2016年)
↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答)(男女別、上位)(2016年)

迷惑行為をしないようにとの啓蒙ステッカー男女ともに上位陣は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」「座席の座り方」「乗降時のマナー」などで変わるところが無い。ところが順位を見ると、男性は「歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作」が第2位についているが女性は第4位に留まっている。他方女性では「荷物の持ち方・置き方」が第3位に入っているものの、男性は第5位。男女における鉄道の利用時間帯の違いや、他人の挙動に関わる許容する・できないの判断基準に、男女の違いがあるものとの見方もできる。

迷惑行為のうち多様なパターンが想定される2つの項目「乗降時のマナー」「荷物の持ち方・置き方」に関して、細分化をした上でもっとも迷惑を覚える行動を示してもらった結果が次のグラフ。

↑ 迷惑に感じる行為ランキング(2016年、それぞれの項目で択一)
↑ 迷惑に感じる行為ランキング(2016年、それぞれの項目で択一)

扉付近に固執する人、降りる人を待たずに乗り込もうとする人や割り込みをしようとする人、周囲に邪魔さを覚えさせる背中や肩のリュックサックやショルダーバッグ。電車を定期的に利用している人なら、いずれも一度や二度ならず、迷惑さを覚えた経験があるはずだ。あるいは自分自身が指摘されている事柄をしている、思い当たる節がある人もいるだろう。

なお一部方面で物議をかもした「混雑した車内へのベビーカーを伴った乗車」に関しては、2009年の調査以降選択肢として加わっていたが、2015年分に続き今回2016年分でも選択肢から一切除外されている。また、過去のデータを紐解くと、2003年までは「携帯電話の(車内)使用」がトップだったが2004年以降は1位から脱落し、携帯電話の利用が一般化するのと共に、利用が音声通話からボタン操作にシフトしたようすをかいま見ることができる。



リリースでも指摘されているが、最上位の「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」は8年連続のトップとなっている。集団で電車を利用していると、ついテンションが高くなり、結果として大きな声を出したり、はしゃいでしまうこともありうる。しかし鉄道施設内は公共の場であり、他の人も利用していることを忘れてはならない。特に電車内は閉じた空間で、自分の声が周囲に届きやすいことを認識した上で、礼儀正しく使いたいものである。


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