2013年11月度外食産業売上プラス1.6%・日取りの良さや客単価底上げで客数減少をカバー

2013/12/26 15:00

日本フードサービス協会は2013年12月25日付で、同協会の会員会社を対象にした外食産業の市場動向調査における、2013年11月度の調査結果を発表した。その内容によれば同月の総合売り上げは前年同月比でプラス1.6%であることが分かった。前年同月と比べて土曜日が1日多かったことが幸いした(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われている。対象数は事業者数が208、店舗数は3万1703店舗。今月は前月と比較すると事業社数は減少、店舗数は増加している。

全業態すべてを合わせた2013年11月度売り上げ状況は、前年同月比で101.6%となり、1.6%の上昇を記録した。今回月は雨天日では東京は少なかったものの大阪では多く、天候による影響はプラスマイナス両方というところ。平均気温は概して高めで、これがややプラスに働いた可能性はある。また土曜日数が昨年同月と比べると1日多く、これが大いに売り上げにおいて貢献している。全体的な客数はマイナス1.2%と不調が続いているが、客単価がプラス2.8%と大きく跳ね、これが売り上げ増に貢献する形となった。

業態別動向を見ると、ファストフードは全体では前月から継続する形で1.1%のマイナスと軟調。洋風での客足の不調さは継続しており、前年同月比マイナス11.0%を記録し、売上も6.3%ものマイナスを示す形となった。客単価はプラス5.3%と増加を示しているものの、それ以上に客足が遠のいている実情がある(もっとも店舗数もマイナス1.2%と減少中で、業界そのものの再編成中であることがうかがえる)。

牛丼チェーン店を含む和風は客単価こそ落ちたが客足は堅調でプラス6.9%、売上もプラス4.3%と順調な流れ。ここ数か月この流れが続いているが、吉野家の牛丼の値下げが効果を見せている。麺類は客単価はほぼ横ばいながらも店舗増加に伴い客数も増加。これがそのまま売上アップにつながっている。

ファミリーレストラン部門は全体の売上が6.4%のプラスと先月から続き良好な流れ。店舗数増加は1.7%プラスに留まっており、店舗の増加だけでなく、個々店舗の客数・客単価が共に上乗せされている。焼肉部門はファミレス部門内では一番の上げ幅となる16.3%の大幅なプラス。客数がプラス14.3%と大きな値を示しており、また客単価も1.8%のプラスであることから、景況感の変化を多分に受けているようだ。

他方、パブ/居酒屋部門では先月同様、居酒屋の客入りの悪さ(前年同月比でマイナス3.0%)とそれに伴う売上の減少が目に留まる。「多人数でのちょっと贅沢な、それなりに歓談しながらの外食」として使われる焼肉と居酒屋で相反する動きが起きていることから、消費者の消費性向そのものに変化が生じている可能性がある。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2013年11月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2013年11月分)

ファストフードの
洋風の不調は相変わらず。
その分、和風と麺類が伸びる。
ファミレスは概して堅調。
特に焼き肉の伸びが著しい。
一方で居酒屋は不調。
今月はここ数か月の各外食業種の情勢・特徴が顕著に現れる形となった。具体的にはファストフードでは洋風の軟調と和風・麺類の堅調、ファミレスでは全般的な堅調、特に焼き肉の好調さ、そしてパブ/居酒屋では居酒屋の不調。

ファストフードの麺類は店舗数の増加、洋風では業界そのものの再編(リストラクチャリング)が行われているのも一因だが、これら一連の動きをすべて「家族を主体とした食事への傾注」と片づけるにはやや強引なところがあるものの、説明が出来なくもない。特にファミリーレストランが全般的に堅調なこと、中でも直上で触れたように、利用の上では類似業種である焼き肉と居酒屋で相反する流れとなっているのが印象的である(居酒屋を「家族で」利用する機会はあまりない)。

先月まで豪風雨のように業界を吹き荒れた「食材偽装」の問題も、洗い出しはほぼ終わっている。状況改善の施策が成され、根底からの信頼回復にはなお時間を必要とするものの、ひとまず収束に向かいつつある。

一方でここ数か月来言及している、「中食」という観点におけるコンビニ・スーパーとの客の奪い合いは、ますます激化している感は否めない。特に直接影響を受けるファストフード、中でも洋食では、今後とも苦しいかじ取りを迫られることになる(だからこそ大回転で再編をしているのだが)。また和食でも先日吉野家が体制の再構築を発表しているが、その中で事業強化をうたっている。来年は外食産業においても、今年以上に大きな動きを見せそうである。


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