「日本は安保理の常任理事国入りすべき」米有識者では2/3が賛同意見(2014年)(最新)

2014/11/13 08:24

外務省は2014年11月7日に同省公式サイト内において、アメリカ合衆国における対日世論調査の結果を発表した。その内容によれば調査対象母集団のうち有識者において、日本が国連安保理の常任理事国となるべきだと思う人は66%に達したことが分かった。その理由として賛成派の中でもっとも多くの人が挙げた理由は「常任理事国入りした日本が国際平和と安全に果たす今後の役割に期待するから」とするものだった。一方反対派の最大理由は「そもそも安保理の常任理事国を増加すべきではないと考えているから」だった(【発表リリース:米国における対日世論調査(結果概要)(2014年)】)。

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「日本の常任理事国入り」賛成の有識者は66%


調査概要に関しては今調査に係わる先行記事【アメリカの日本への一般人信頼度73%・有識者は90%に(2014年)(最新)】を参考のこと。

国際連合の主要機関の一つ、安全保障理事会(安保理)は、第二次世界大戦における戦勝大国のアメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国で構成される常任理事国と、非常任の理事国10か国(2年毎に改選)で構成されている。ここ一、二年は動きが静かではあるが、今世紀に入ってから世界情勢の変化に伴い、前者の常任理事国について、数か国を追加すべきではとの議論が持ち上がっている。

これに絡み、日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか否かについて、今調査対象母集団の有識者に聞いた結果が次のグラフ。2007年から問い合わせの対象としているので、グラフも2007年以降のみとなっている。

↑ 日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか(有識者)
↑ 日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか(有識者)

直近2014年においては66%が同意を示し、反対意見は20%に留まっている。2013年以降は調査機関の変更と共に内部的な調査仕様の変更が考えられるため、一概に連続した結果として比較するのはいくぶんリスクが高くなるが、2013年以降は大幅に反対意見が減少し、その分賛成意見と回答留保派が増えている。

直近の2014年では賛成派が10%ポイントも減った一方で反対派の増加は4%ポイントに留まり、回答留保派が大幅に増えているのが特徴的。現状では賛否を決めかねるとの思惑を持つ有識者が増えたということだろう。いずれにせよ、賛成派が2/3で過半数に達し、反対派の3倍以上もの値を占めていることに違いは無い。

賛成派・反対派、それぞれの理由


それでは日本の常任理事国入りを肯定している人、否定している人たちは、どのような理由でそのジャッジを示したのか。それぞれの派の人限定で、選択肢の中から当てはまる理由を複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ 日本の国連安保理の常任理事国入りに賛成・反対する理由(それぞれの回答者限定)
↑ 日本の国連安保理の常任理事国入りに賛成・反対する理由(それぞれの回答者限定)

まず第一印象としては、肯定派の方が理由が多数に及ぶこと。回答率がいずれも高い結果となっている。また、肯定派では明確な「日本だからこそ」との理由が上位を占めているものの、否定派では「日本云々では無く、常任理事国を増やしてしまうこと自体に問題がある」という前提レベルでの話が最上位になっている。否定派の第二位も(具体的国名は掲げられていないが)「日本にOKを出すと、同時に『この国はマズイだろ』的な国も安保理入りを求めてくる、せざるを得なくなる可能性が生じてしまう」という危惧が挙げられており、日本そのものの問題ではないことが分かる。

否定派もその理由の多くは、日本の資質そのものに問題があるのではなく、環境上から否定している場合が多い。今件調査に限れば、そのような解釈をして問題はないだろう。

もっとも今件はアメリカの有識者に限った意見の集約によるもの。アメリカ全体としてはどのような意見となるのかまでは分からず、さらに当然、他国の動向も大きく影響する。日本国内でも賛成派が多数に及んでいるものの、プラスとマイナスを合わせ考えると判断は微妙なものとなる。

各国のパワーバランスをはじめとした国際情勢の大きな変容が無い限り、今後も日本をはじめとした複数国が国連安保理の常任理事国入りを求め、それに関する論議が繰り広げられるという状況が継続するのみで、情勢そのものに大きな前進も後退も無いのが、もっともありそうなパターンではある。


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