本数は漸次減退中……今年一年のたばこ販売動向を振り返ってみる(2013年)(最新)

2013/12/17 20:00

12月も後半に入り、今年一年間を締めくくる行事のニュースを見聞きするようになる昨今。当サイトでも定期更新を行っている観測対象のうち、いくつかについて総決算的なまとめを展開している。今回は日本たばこ協会が毎月発表を行っている、日本国内の紙巻きたばこの販売実績動向に関して、まとめを行うことにする。

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販売本数も代金も漸減中


次に示すのは年度では無く年区切りにより、今年1年(とはいうものの12月はまだ進行中なので11月分まで)における、国内販売分の紙巻きたばこの販売実績を本数と代金の2つの視点で、前年同月比についてグラフ化したもの。

↑ 紙巻きたばこ月次販売本数実績(2013年、前年同月比)
↑ 紙巻きたばこ月次販売本数実績(2013年、前年同月比)

↑ 紙巻きたばこ月次販売代金実績(2013年、前年同月比)
↑ 紙巻きたばこ月次販売代金実績(2013年、前年同月比)

4月と7月にイレギュラー的な動きがあるが、概して軟調に推移。概算ではあるが、11月分までの年間累積値を算出して前年の同月までの累積と比較した場合、本数ではマイナス2.2%、代金ではマイナス2.4%で推移している。

この数年においてはたばこの販売動向に大きな影響を与えた事象として、2010年10月のたばこ税引上げに伴う大幅値上げ、2011年3月の東日本大地震・震災による出荷調整があった。その影響を受けて2012年秋口までは販売本数・代金も大きく上下に動いたが、それ以降は今年1年の動向のように、少しずつ、そして確実に減少する流れに移行している。

↑ 紙巻きたばこ月次販売実績推移(販売本数/代金、前年同月比)(2010年8月以降)
↑ 紙巻きたばこ月次販売実績推移(販売本数/代金、前年同月比)(2010年8月以降)

漸減傾向は若年層におけるし好品としてのたばこ離れ、世間一般における健康志向の高まりに伴う喫煙者の減少に起因するものだが、短期的なものではなく中長期的なもの。

↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(-2013年)
↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(-2013年)

↑ たばこ販売実績(億本)
↑ たばこ販売実績(億本)

見方を変えれば、震災による特異現象で一時的な変容はあったものの、2010年10月の値上げを起因とするたばこ禁煙者の増加はほぼ終息したとも考えられる。

来年以降の動向と周辺業界の対応


値上げが影響を与える範囲でのたばこ販売の減少加速化効果が無くなった以上、来年以降は今年同様に、年2-3%の範囲で販売本数・代金共に減少を続けていくものと考えられる。

一方で【値上げによる家計のたばこ支出金額推移への影響を過去二回分と合わせてグラフ化してみる】などでも言及しているが、政策上の観点から考えると、値上げの際に生じるパターン「(1)値上げ分の売上増の影響が大きく、販売本数減の売り上げ面でのマイナス影響を打ち消し、販売本数は減る一方で、総売り上げは増加する(上の長期間グラフにおける、青い矢印で示した期間)」「(2)販売本数の減少幅は拡大し、値上げ分ではカバーしきれず、売上も前年比プラスからマイナスに」の(2)のフェイズに移行しており、再値上げが可能なタイミングに入ったともいえる((1)の時点で値上げをしてしまうと、売上ではまだプラスが出ているので期間的にもったいない)。来年以降再びたばこ税の引き上げが論議される可能性は高い。また来年4月からの消費税引き上げに伴い、これに合わせて引き上げ分を転嫁するための値上げも十分にありえる。

たばこ自動販売機たばこの自動販売機においては、【たばこ販売店と自動販売機の推移をグラフ化してみる(2013年)(最新)】で解説している通り、増加する要因が見つからないのが現状。稼働している自販機も、販売実績の低迷は顕著であることから、来年以降もさらに減少していくことは止められまい。

タスポの登場により、奇しくもたばこの購入ルートとして自販機から主役を奪った形となったコンビニだが、現状では【コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(上)(2013年)(最新)】などで解説の通り、売り上げ全体のかなりの部分を占めている。

↑ 商品群別売上高構成比率推移(連結・チェーン全店、ローソン)(再録)
↑ 商品群別売上高構成比率推移(連結・チェーン全店、ローソン)(再録)

とはいえ、今年の後半期から売上の減退が確認されていることや、今後成長が見込みにくいことを受けて、売上を支える代替品的な商品を続々送り出している(ドリップコーヒーやプリペイドカード、フライヤーなどの惣菜、自社プライベートブランドの食品)ことを合わせて見ると、早ければ来年にも転換期、具体的にはたばこの販売実績が前年比でマイナスとなる年を迎えることになるかもしれない。

マイナスの動きばかりを示すこととなったが、世界的に見ても少なくとも先進諸国においてはたばこの需要は減退の方向にあるため、この流れは致し方ない。今後劇的な変化を与える要素が発生しない限り、この傾向は継続するに違いない。


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