過熱感への警戒、調整懸念化…野村證券、2013年12月分の個人投資家動向発表

2013/12/14 15:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門「グローバル・リサーチ本部」は2013年12月12日に、個人投資家の投資動向に係わるアンケート調査結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版を発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に問い合わせた「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じて小幅ながらも下落の動きを示した。また株価の先行きに対しては「小幅な上昇」を見込む意見が大幅に減り、「小幅な下落」「中規模な上昇」を見込む声が増加している。株価動向に関する意見は二極化を示しつつあるようにも見える。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2013年12月2日から12月3日に行われたもので、男女比は81.0対19.0。年齢層は60代以上がもっとも多く30.2%、次いで50代が29.3%、40代が28.3%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く30.6%、500万円-1000万円が18.8%、3000万円-5000万円未満が11.8%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く29.3%を占めている。次いで5-10年未満が28.0%、20年以上が26.6%。

投資に対して重要視する点は、概ね長期投資が最大値で48.6%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.1%と1/4近くとなり、短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求めている投資スタンスが大部分となっている。今件調査は中高年齢層の回答者が多い事もあるが、日本人の安定志向、よりリスクの低い選択肢を選ぶ傾向がにじみ出ている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・投資指数は54.4ポイント。前回からは4.4ポイントの減少。調査時点の日経平均株価は前回調査時のそれと比較して1400円強上回っていた。調査直前までの株価動向を受け、その反動で今後株価は一時的な調整局面を迎えるであろうという懸念が強まり、投資への腰がやや引けたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で77.2%となり、前月からは2.2%ポイントの減少。「1000円以上の上昇」を見込む意見がもっとも多いのには違いないが、前月からは10%ポイントも下落し、項目中最大の下げ幅を示している。また中規模、大規模な値上がりを見込む声は増加しているが、中規模・大規模な値下がりを懸念する声も増えている。相場観は先月よりも二極化への動きを示している。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」がトップについたものの先月から続いて下落。実際に為替変動による相場変動が大きかったことに加え、為替自身も大きく動いていることもあり、「為替変動」の回答者が大きく増加したのが目立つ。

・魅力的な業種は「自動車」「資本財・その他」「医薬品」の順で、順位変動はあるが構成業種は先月と変わらず。DI値がプラスなのはこの3業種に留まり、以下「金融」「通信」「素材」「電気機器・精密機器」「消費」「運輸・公共」はマイナス。特に「消費」のDI値下落は非常に大きい。

・ドル円相場に対する見通しは大きな変動は無し。円安ドル高を見込む声がやや増えた程度。

・通貨への投資魅力は「日本円」がトップでこれは先月から継続。「アメリカドル」は先月から大きくDI値を上げて2位に浮上。「オーストラリアドル」はやや下げて3位に転落。「中国元」はDI値をさらに下げ、相変わらず他の通貨と比べて桁違いにDI値が低い(魅力が無いと判断されている)状況が続いている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から不動。「海外株式」の値が微妙な増加。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、今月も先月から継続してトヨタ自動車(7203)がトップについている。魅力的な業種でも「自動車」が引き続き上位にあり、回答数もケタ違いに多い実態を見ると、同社の神がかり的な人気は相変わらずのようだ。
1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……武田薬品工業(4502)
4位……本田技研工業(7267)
5位……オリエンタルランド(4661)
今記事では5位までを抽出しているが、その限りではトヨタとソフトバンクはほぼ鉄板のランクイン状態が続いている。あくまでも人気投票ではあるが、今調査が投資家を対象にしていること、「保有したい」「注目したい」銘柄を選んでもらった結果であること、そして株式の購入が多分に人気投票的な意味合いも有することを考えると、両社の株価が堅調なのも理解はできる。

また今回月では武田薬品工業、本田技研工業のような、派手さはやや他企業と比べると劣るかもしれないが、質実剛健・安定志向の強い企業が目に留まる。株価下落懸念と合わせ、中長期的に安心して保有できる銘柄に注目が集まっている可能性はある。



国際情勢は昨今では中近東よりはむしろ東南アジア方面で色々とくすぶりを見せており、やきもきさせられる日々が続いている。ただ、短期間で大きく経済を揺り動かすような話があまりないことから、むしろアメリカの金融緩和政策関連、そしてそれに連動する形での為替動向に、市場が一喜一憂させられる状況が続いている。懸念話や噂による相場変動幅が通常よりも大きく、市場が不安定な心理状況の中にあることが分かる。

消費税引き上げに伴い、駆け込み需要的なものが発生しつつある。短期間でその影響が業績に反映されることは無いが、それを見越して先行した形での買いが集まり、それが相場を形成していく可能性はある。また逆に、引上げ後の需要の冷え込みを先行する流れも考えられる。業種、個別銘柄により反応はさまざまだろうが、その動きが投資家心理や人気銘柄にどのような変化をもたらすのか。今後が気になるところだ。


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