カレーは和食か否か、焼きそば、ラーメン、ナポリタンは?…「和食」判定を下した人はどれぐらい?

2013/12/13 15:30

このエントリーをはてなブックマークに追加
食のプロを養成するスクールを運営する教育機関、辻調グループは2013年12月4日付で、和食に関するアンケート調査の結果を発表した。その内容によれば調査対象母集団では、「焼きそば」を和食だと思う人は45%に達していることが分かった。つまり55%は「焼きそばは和食では無い」と認識していることになる。「ラーメン」「海老フライ」「たらこスパゲティ」は28%、「カレーライス」は23%の人のみが和食だとの判断を下している(【発表リリース:「和食」に関するアンケート調査結果を発表】)。


スポンサードリンク


「カレーは和食」は22.7%


今調査は2013年10月9日から11日にかけて20代から60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は572人。男女比・世代構成比などは非公開。

「和食」という言葉の定義は案外あいまい。一応、日本で馴染み深い食材を使い、日本の風土や歴史の中で創られた料理「日本料理」自身、あるいはその料理による食事を「和食」と呼んでいるが、明確な線引きは無い。例えば明治維新以降に海外の料理をベースに日本人の嗜好に合わせる形で開発、登場したすき焼き(牛鍋としての)やカレーライス、トンカツ、オムライスなどは「和食」と呼ぶべきか否か、判断に迷うところがある。

それでは普段食べ慣れている料理の数々は、「和食」と呼ぶべきなのだろうか。単に「和食」という言葉を呈し、リストアップした各料理をその「和食」として呼んで良いのか否かを聞いた結果が次のグラフ。最上位の「焼きそば」ですら、「和食と呼んで良い」という人は44.6%に留まっている。

↑ 以下のメニューは「和食」だと思うか(「思う」人の回答率)
↑ 以下のメニューは「和食」だと思うか(「思う」人の回答率)

「ラーメン」以下は肯定率が大幅に下がり、「海老フライ」「たらこスパゲティ」まで合わせ28%前後。日常生活の中でもっとも食卓に登るとされている「カレーライス」ですら、「和食」とする意見は22.7%でしかない。

「ナポリタン」は18.2%。意外に思う人もいるだろうが、【日本一のナポリタン、カゴメナポリタンスタジアムで決定】で触れている通り「ナポリタン」はイタリアのナポリ発祥ではなく、日本発祥の料理である(もっとも諸説があるため、どの店・場所が発祥なのかは確定されていない)。

「カリフォルニアロール」については12.2%のみが同意を示している。寿司には違いないが、成り立ちや素材、現在主に浸透している場所を考えると、「和食」と見なすのにはやや抵抗感が強いのかもしれない。

海外の人におすすめしたい「和食」は?


それでは海外の人に「これは和食ですよ」とお勧めしたい、ご馳走したい「和食」のメニューとしては、何が挙げられるだろうか。最上位についたのは「寿司」だった。3つ回答形式ではあるが、6割以上の人が推挙している。

↑ 回答者自身が外国の人におすすめしたい・ご馳走したい「和食」のメニュー(3つ回答)(上位陣)
↑ 回答者自身が外国の人におすすめしたい・ご馳走したい「和食」のメニュー(3つ回答)(上位陣)

次いで「天ぷら」「刺身」と続くが、いずれも「和食」として良く例示されるメニューばかりである。「すき焼き」もそれに続くが、和食としての定番には違いないものの、牛肉を使ったメニューとして現在知られている「すき焼き」は明治維新の時期に「牛鍋」として生まれたもので、内容上の歴史においては上記のトンカツやオムライスに近い。

以下「そば」「味噌汁・お吸い物」「煮物」などが続くが、いずれも「和食」の中でも比較的歴史が長そうに見える、昔から(特に明治維新前から)存在していたようなメニューが並んでいる。海外の人にもすぐに納得してもらえる「和食」としては、歴史を感じる、昔ながらの料理の方が良いとの判断だろうか。あるいはこれらの料理こそが、世間一般にイメージされている「和食」なのかもしれない。

ちなみにトップを独走する「寿司」は、今調査の別項目「『和食』と聞いてイメージするメニュー」でも最上位についている。

↑ 「和食」と聞いてイメージするメニュー(自由回答、上位陣のみ)(再録)
↑ 「和食」と聞いてイメージするメニュー(自由回答、上位陣のみ)(再録)

「和食」感が強く、おもてなしするのに適度な高級感もあり、見た目や構成、食べ方など複数の点におけるサプライズ感も有している。「寿司」が選ばれるのも納得がいくというものだ。



本文で触れているが、「和食だと思うか」のリストで挙げられたメニューは、海外から持ち込まれたものを日本風・日本人の嗜好に合わせる形でアレンジされたものが多い。発祥が明治維新以降となる事例が多々あるものの、「広義の意味での和食」を考えるのなら、和食扱いしても良いのではないだろうか。

あるいはあと半世紀も経てば、カレーライスやラーメンも、立派な和食として世間一般に広く認知されているかもしれない。


■関連記事:
【おらが村の料理を国のお墨付きで世界に発信・農水省が「郷土料理100選」選定へ】
【am/pmで和食の色とりどりな「五色食材de きちんと」を発売】
【食品の値上げが食卓の●●化を促進する!?】
【めでたい赤富士をお節に・紀文食品から切り出しかまぼこ「赤富士」発売】
【シニアが「最後の晩さん」に望むものは?】


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS