花王の独走続き、KDDIが追いかける(民放テレビCM動向:2013年11月分)

2013/12/10 11:30

映像音声検索技術「AV-Maker」など自社技術を活用して取得したテレビCMのメタデータを提供するゼータ・ブリッジは2013年12月9日付で、2013年11月度分となる関東民放5放送局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のテレビCMオンエアランキングを公開した。その内容によれば同年11月でCMの放送「回数」がもっとも多かった企業・団体は、花王となった。先月から継続する形でのトップとなる。企業別順位、商品別ランキングでは相変わらず携帯電話関連企業が多数見受けられるが、それと共に目新しい商品やサービスの展開も目に留まる(【ゼータ・ブリッジ公式サイト】)。

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花王がトップ継続、興和が続く


データの取得場所、各種データの意味、今件記事が関東地域のみを対象としていることに関する解説については、記事集約ページ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行っている。必要な場合はそちらで確認のこと。

発表資料では「出演者ランキング」をはじめ、複数項目の切り口によるランキングが掲載されている。その中で「企業別オンエアランキング(放送回数順位)」の上位10位を抽出し、再構築したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年11月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年11月、上位10位)

先月同様今月も、花王が第2位以降に大きく差をつけた形でトップを突っ走っている。CMの展開スタイルや商品傾向の類似から花王と並び評されることの多い興和は第4位にまで後退したが、上位陣にあることには違いない。冬「に向けて」の自社商品(とりわけトイレタリー関連)への周知攻勢は、花王はともかく興和はひと段落ついたようだ。

また、企業別ランキングでは普段あまり顔を見せない企業として先月紹介した「アメリカンファミリー生命保険」(アフラック)や「味の素」の名前が目に留まる。前者は【ブラックスワンのささやき】というシリーズCMが引き続き展開中で、広報リソースも相当注いでいるようだ。後者は寒さが厳しくなる真冬に備えて温かみを覚える自社商品や、健康志向色の強い「おめざ倶楽部」のアピールを積極的に行っている。


↑ 味の素のクノール スープDELIのCM。【直接リンクはこちら:「クノールスープDELI」ランチマジック篇】


↑ 味の素の「おめざ倶楽部」のCM。【直接リンクはこちら:「パルスイート」「おめざ倶楽部 りんご」篇】

特に「スープDELI」では向井理氏が軽快な口調で商品の食し仕方をプロモーションするスタイルが受けているようだ。

携帯電話関連会社では、こちらも先月から続きKDDIの攻勢が目立ち、順位を一つかさ上げする形となっている。携帯大手3社ではソフトバンクモバイルが第16位、NTTドコモは圏外(21位以下)となっており、iPhoneプレミアが存在しなくなり群雄割拠化した業界において、テレビCMではKDDIが一番力を入れているようすがうかがえる。

一方、携帯電話そのものではなく、携帯電話向けのサービスを提供する企業は、第20位にガンホー・オンライン・エンターテイメントの姿を確認できる。今回月は先月同様、常連組ともいえるグリーやディー・エヌ・エーの姿は見当たらない。

これら上位10位の企業のCM出稿量を、各放送先のテレビ局ごとに細分化した上で再構築したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年11月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年11月、上位10位)(局別)

トップの花王が日本テレビ・フジテレビへ、興和がテレビ朝日へ出稿量を他局と比べて大きめにしているのはいつもの通り。今月の上位陣ではトヨタ自動車や味の素、ダイハツ工業の各局への公平な展開ぶりや、アメリカンファミリー生命保険のテレビ東京への出稿の少なさが目立つ(わずか10回)。

10位以内の企業に限って放送回数を累算すると、日本テレビが群を抜いてトップ、テレビ朝日とフジテレビがほぼ横並び、TBSテレビがそれに続き、やや大きくテレビ東京が引き離される形となっている。提供番組の事情もあるが、視聴率のすう勢とも浅からぬ連動性があり、興味深い。

あの電子書籍リーダーのCMも上位入り


企業別の区切りではなく、個別商品のCM別に算出したランキングは次の通りとなる。相変わらず携帯電話の運営元、関連企業の商品・サービスが上位に多数名前を連ねているが、今回月ではそれ以外のもので目新しい商品などもいくつか確認できる。

↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年11月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年11月)

企業別上位入りした企業ではKDDIと興和、トヨタ自動車の個別CMがランクイン。KDDIの「CHANNEL au」はシリーズもの、ソフトバンクモバイルの「企業CM」はCI的なところがあるので別格にすると、各社上位陣が横並び的な展開となっているのが分かる。

過去に見聞きがない名前としては、まずアマゾンジャパンの「Kindle Paperwhite」。昨年末にようやく日本向けの展開を開始した、電子書籍リーダーの本命的立ち位置の商品だが、今年の年末はテレビCMを大量導入し、さらに勢いに弾みを付けるようだ。


↑ Kindle PaperwhiteのCM。【直接リンクはこちら:The all-new Kindle Paperwhite (Japan TV Commercial). You've got to read it to believe it.】

大量のCM投入をしたおかけで認知度は高まったものの、CMの演出の切り口が海外的な色合いが強いせいか、印象は賛否両論。やや残念な雰囲気は否めない。

「ジーユー(\4990アウター)」とは、衣料品ブランドでファーストリテイリングの完全子会社であるGUが展開している、冬向けのコートやダウンジャケットの紹介CM。アレサ・フランクリンの曲「シンク」が流れる中、モデルの大屋夏南嬢がさっそうと現れ次々に商品を脱ぎ捨て見せていく情景は、うっとりとすらさせられる。


↑ アウターのCM。【直接リンクはこちら:GU 「アウター Wear Freedom.」編 大屋夏南】

携帯系ゲームでは、Cygamesの「三国志パズル大戦」が目新しい。

いわゆるパズルものとロールプレイング、戦略ものとを融合させた、今流行の「戦略パズルゲーム」的な作品。日常生活の中でのプレイスタイルを描くことで、すき間時間にも気軽に遊べる、多くの人が生活の中に組み込んでいる程に熱中している情景を描き、流行る雰囲気、「周囲に取り残されないようにしないと」的な印象付けをしている。

携帯系のCM展開攻勢は相変わらずだが、12月以降は年度末、そして年度切り替えに向けた「新生活への提案」的な商品、サービスの認知度アップのためのものが増えることになる。12月はその先駆け、そして年末商戦のラストスパート的な公知のCMと合わせ、大いににぎわいを見せるものとなることだろう。


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