開発途上国への開発協力はなぜ必要? 最多意見は「資源安定供給に貢献」(最新)

2019/12/26 05:20

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2019-1224内閣府は2019年12月20日、外交に関する世論調査を発表した。その内容によると調査時点において、日本国が行っている開発途上国への開発協力について、その実施する理由・意義を聞いたところ、最多同意意見は「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」で、過半数を占めていることが分かった。次いで「災害や感染症など世界的な課題に対して各国が協力して助け合う必要があるから」「開発協力は世界の平和と安定を支える手段だから」などが続いている(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査に関する調査要項などは先行記事【日本のアメリカ合衆国への親近感78.7%、対中親近感はやや回復(最新)】を参照のこと。

日本も含め先進国は開発途上国に対し、資金協力や技術協力などの開発協力を行っている。今件調査ではかつて「ODA」(Official Development Assistance(政府開発援助))との表現を用い、政府あるいは政府の実施機関により、開発途上国や国際機関に供与・貸与される、資金や技術提供による協力行為のことを対象としていたが、【開発協力適正会議】にもある通り、有償資金協力や技術協力も合わせた、より広義な支援を意味する「開発協力」の言い回しが2014年調査分から用いられている。

とはいえ目的はODAと何ら変わるところは無い。外務省の解説(【外交政策:ODAとは】)によると、ODAは国際社会での重要な責務であり、日本の信頼をつちかい、存在感を高めることに資する役割を果たしている。また開発途上国の安定・発展化に寄与することで、国際平和に依拠し、資源・食料を海外に依存する日本にはプラスとなるとも解説している。

この開発協力について、どのような観点から意義がある、実施すべきであると考えているかを聞いたところ、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」とする意見がもっとも多く、49.3%に達していた。なおグラフの空欄はその年では該当の選択肢が無かったことを意味する。

↑ 政府による開発協力を実施すべき観点(複数回答)
↑ 政府による開発協力を実施すべき観点(複数回答)

日本は石油、ガス、石炭などエネルギー資源の大部分を海外に依存しており、諸外国の情勢不安定化はそれらの資源の供給が不安定化することにもつながる(前世紀のオイルショックが好例)。この項目への回答者が多いのも納得できる話ではある。

次いで多いのは「災害や感染症など世界的な課題に対して各国が協力して助け合う必要があるから」で46.3%。今や災害や感染症のような社会に災いをもたらすものは、それが生じた国だけで対応できるものではない規模のものが多く、他国の助けが欠かせない。先の東日本大震災がよい例である。

続いて「開発協力は世界の平和と安定を支える手段だから」が41.3%。戦争や国の情勢不安定化は往々にして経済的な問題を起因としている。よって開発協力により経済が安定すれば、平和と安定に寄与するとの考えによるものである。

さらに「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」が40.7%。信頼が無ければ外交交渉も経済的な協力関係も資源の買い入れもスムーズには進まない。海外とのさまざまな関係の維持強化のための基盤が信頼であり、それを高めるのは有意義であるに違いない。

経年推移で見ると直近年でいくつかの項目が大きく減少している。これは2つの選択肢「災害や感染症など世界的な課題に対して各国が協力して助け合う必要があるから」「開発協力は世界の平和と安定を支える手段だから」が加わり、回答が分散したことによるものと考えられる。

直近年分につき年齢階層別に見ると、複数の選択肢で中年層が高い値を示し、若年層と高齢層は低い傾向が見受けられる。

↑ 政府による開発協力を実施すべき観点(複数回答、年齢階層別)(2018年)
↑ 政府による開発協力を実施すべき観点(複数回答、年齢階層別)(2018年)

興味深い動きが2点。1つは若年層は関心度が低いこともあり、複数の項目で18-29歳の値が他の年齢階層と比べて低め。ただし「中小企業を含む日本企業や地方自治体の海外展開など、日本の経済に役立つから」などでは高い値を示している。対外協力に関して、中年層以降とは異なる価値観、判断基準を持っているとの見方もできる。

他方50代では「開発協力は日本の戦略的な外交政策を進める上での重要な手段だから」「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務又は国際的責任だから」「中国などによる開発途上国への進出が著しく、日本の存在感を確保する必要があるから」において、他の年齢階層よりも高い値を示している。国際社会における日本の立ち位置について、低い評価を受けること、日本企業や自治体の展開の現状に不安を抱いている感はある。この数年、海外における日本企業の入札事案が他国、特に中国に競り負ける報道が相次いでいることから、それを受けての反応だろう。


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