日本のアメリカ合衆国への親近感84%、対中親近感は過去最低継続(2016年)(最新)

2016/03/14 12:12

内閣府は2016年3月14日、外交に関する世論調査を発表した。その内容によると調査時点においてアメリカ(合衆国)への親近感を抱いている人は8割を超え、84.4%に達していることが分かった。去年の値82.5%と比べると1.9%ポイント上昇し、震災直後につけた最高値84.5%に次ぐ高い値を示し、諸外国中でも最高値の立ち位置にある。提示された選択肢の中では次いでヨーロッパ諸国が高く、東南アジア諸国、インドが続いている。中国は前回調査から親近感は変わらず、過去最低値を維持。韓国はわずかに増加を示している(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査は2016年1月7日から1月17日にかけて、全国20歳以上の日本国籍を有する人の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は1801人。男女比は849対952、世代構成比は20代128人・30代241人・40代350人・50代294人・60代374人・70代以上414人。

諸外国、あるいは地域毎に親しみを抱いているか否かに関して、「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「分からない」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の5選択肢を提示、その中から自分の心境にもっとも近いもの一つを選んでもらい、その結果を集計したものが次のグラフ。

↑ 諸外国との親近感(2016年)
↑ 諸外国との親近感(2016年)

留意すべきは赤系統色の回答部分。「(どちらかというと)親しみを感じない」は回答者の心境的に「親しみの対象にならない」(無関心的な部分。「分からない」とは異なる)と「憎悪の対象となる」の2通りに解釈できる、可能性として存在すること。赤系統の回答率が多い国・地域が、日本から「憎まれている」との解釈には必ずしもたどり着かない。単に好まれていない、親しみを覚える対象にはならないだけの話。

結果を見るとまず目に留まるのが、アメリカへの親近感の高さ。親しみを覚えない人は1割強でしかなく、今回の提示された国などではもっとも少ない。これは元々同国との間には親密な関係が継続されていたのに加え、【対米89%、好感度もうなぎ昇り…対外国・震災対策評価をグラフ化してみる】など複数の調査結果で明らかにされている通り、2011年3月の東日本大地震・震災における「オペレーション・トモダチ」をはじめとした、同国による大規模な救援活動の実態を見聞き、あるいは実際に支援を受けた結果によるところが大きい。同作戦から5年が経過し、やや印象が薄れてきた感もあるが、高水準を維持していることに違いはない。

次いで親近感の上で高い値を示しているのはヨーロッパ諸国。日本人にとっては多分に印象としてアメリカに近いイメージもあり、憧れの部分もあるからだろうか。また取引の上でも多分に見聞きしている人も多いはず。

東南アジア諸国は距離的に身近なことに加え、ヨーロッパ同様実生活でも接する機会が多い、さらに対中問題などで昨今日本との交友を深めている点などが数字に表れているものと考えられる。その点ではインドも同じ。あるいは「あまり悪いイメージは持たないし、受けた話も聞かない。それなりに良い付き合いをしているのでは」との「何となく、良い隣人」的な印象なのかもしれない。

他方、ロシアや中国など、いわゆる(元)共産圏諸国との親近感は大よそ薄め。そしてここ数年大きな下落傾向にある中国・韓国だが、今年は前回調査年(2014年)と比べると、韓国はやや持ち直しを示し、中国は低いままで低迷。中国は今回例示された主要諸外国の間で、親近感を持たれる率がもっとも低い結果が出ている。

中国では「親しみを感じない」との強い非親近感(上記にある通り「拒絶感」と同意ではない)の項目では他の国を抜きんでて49.5%となり、高率を示しているのも印象的。またロシアと比べて「親しみを感じる」派で大きくリードしている韓国が、なぜかこの項目でもロシアを抜いていることから、韓国に対する親近感は多分に、そして極端に二分されていることがうかがえる。



好意的な選択肢「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」を足した値を「親近感」と設定。そして今回2016年と前回2014年分双方で選択肢として挙げられた国に関して、その変移を算出した結果が次のグラフ。細かい変移を参照できるよう、米中韓に限定してではあるが、詳細区分を再整理したものも併記する。

↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の、2016年におけ前回調査との差異)
↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の、2016年におけ前回調査との差異)

↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)
↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)

振れ幅は3.0%ポイント内でほぼ誤差の範囲。もっとも、元々高い値にあるアメリカ合衆国がさらにプラスを計上し、過去調査経歴中最低値を計上した中国がその値を維持したことは注目に値する。沖縄や尖閣諸島などの問題をはじめとする日中間の直接の対立に加え、南シナ海の人工島造成問題をはじめとした中国による軍事的・領土的侵略行為が、少なくとも中国への親近感を持つことが難しい雰囲気を形成しているものと考えられる。

よほどのことが無い限り、悪い値は時の経過と共に少しずつ改善されていくものだが、中国は今回の調査でも良い方向への兆しは見られなかった。強い「親しみを感じない」は減っているが、同時に「強い親しみを感じる」も減っており、「どちらかというと親しみを感じる」よりも「どちらかというと親しみを感じない」の増加分の方が多い。細かい部分でいえば、対中感情はいくぶん悪化しているとも読み取れる。

詳細は別の機会に解説するが、中国への親近感は過去最低の値を同値で更新している。昨今の動向をかんがみれば、それもある程度納得が出来てしまうものである。


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