日本のアメリカ合衆国への親近感78.5%、対中親近感はやや回復(最新)

2017/12/28 05:08

2017-1227内閣府は2017年12月25日、外交に関する世論調査を発表した。その内容によると調査時点においてアメリカ合衆国への親近感を抱いている人は78.5%に達していることが分かった。去年の値84.1%と比べると5.6%ポイント下落したが、諸外国中では最高値の立ち位置にある。提示された選択肢の中では次いでヨーロッパ諸国が高く、東南アジア諸国、インドが続いている。中国は前回調査から親近感はわずかに回復したが、選択肢の中では最低値のロシアとほぼ同率にとどまっている(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査は2017年10月26日から11月5日にかけて、全国18歳以上の日本国籍を有する人の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は1803人。男女比は839対964、年齢階層別構成比は10代39人・20代129人・30代200人・40代308人・50代249人・60代402人・70代以上476人。

調査対象母集団に対し諸外国、あるいは地域毎に親しみを抱いているか否かに関して、「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「分からない」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の5選択肢を提示、その中から自分の心境にもっとも近いもの一つを選んでもらい、その結果を集計したものが次のグラフ。

↑ 諸外国との親近感(2017年)
↑ 諸外国との親近感(2017年)

留意すべきは赤系統色の回答部分。「(どちらかというと)親しみを感じない」は回答者の心境的に「親しみの対象にならない」(無関心的な部分。「分からない」とは異なる)と「憎悪の対象となる」の2通りに解釈できる、可能性として存在すること。赤系統の回答率が多い国・地域が、日本から「憎まれている」との解釈には必ずしもたどり着かない。単に好まれていない、親しみを覚える対象にはならないだけの話。

結果を見るとまず目に留まるのが、アメリカ合衆国への親近感の高さ。親しみを覚えない人は2割足らずで、今回の提示された国などではもっとも少ない。これは元々同国との間には親密な関係が継続されていたのに加え、【対米89%、好感度もうなぎ昇り…対外国・震災対策評価をグラフ化してみる】など複数の調査結果で明らかにされている通り、2011年3月の東日本大地震・震災における「オペレーション・トモダチ」をはじめとした、同国による大規模な救援活動の実態を見聞き、あるいは実際に支援を受けた結果によるところが大きい。同作戦から7年が経過し、印象が薄れてきた感もあるが、高水準を維持していることに違いは無い。他方、詳しくは後述するが前年と比べて親近感が減少しているのは、現大統領の選挙前後の言及やその報道姿勢が少なからぬ影響を示しているものと考えられる。

ついでヨーロッパ諸国、東南アジア諸国が続く。強い親しみを感じる意見はアメリカ合衆国と比べて半数以下だが、親しみを感じる派が多いことに違いは無い。伝えられる機会の多さとともに、マイナスイメージでの情報伝聞が少ないのが要因か。

次いで親近感の上で高い値を示しているのはインド。距離的に身近なことに加え、実生活でも接する機会が多い、さらに対中問題などで昨今日本との交友を深めている点などが数字に表れているものと考えられる。あるいは「あまり悪いイメージは持たないし、何か悪影響を受けた話も聞かない。それなりによい付き合いをしているのでは」との「何となく、よい隣人」的な印象なのかもしれない。

他方、ロシアや中国など、いわゆる(元)共産圏諸国との親近感は大よそ薄め。ここ数年大きな下落傾向にある中国と韓国だが、今年は前回調査年(2016年実施)と比べると、中国はいくぶん親近感を持ち直し、一方で韓国はさらに低下している。中国との関係の実情はこの1年で大きく改善されたようには思えないのだが、報じられ方の違いが結果として現れたのだろうか。ただし中国では「親しみを感じない」との強い非親近感(上記にある通り「拒絶感」と同意ではない)の項目では他の国を抜きんでて42.0%となり、高い値を示しているのも印象的ではある。



好意的な選択肢「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」を足した値を「親近感」と設定。そして今回の2017年分と前回2016年調査分双方で選択肢として挙げられた国に関して、その変移を算出した結果が次のグラフ。細かい変移を参照できるよう、米中韓に限定してではあるが、詳細区分を再整理したものも併記する。

↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の、2017年における前回調査との差異)
↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の、2017年における前回調査との差異)

↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)
↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)

インドと中国が大きめの増加、アメリカ合衆国が大きな減少、韓国とロシアが小幅な減少。韓国の減少は誤差の範囲ではあるが、アメリカ合衆国の下げ方が気になるところ。これは現大統領のトランプ氏のさまざまな言動や政治的行動の実態に加え、その伝えられ方が小さからぬ影響を示しているものと考えられる。実態問題として、アメリカ合衆国における日本への姿勢に大きな変化は生じていないのだが。

2014年調査時に中韓への親近感が大きく下がった要因となった沖縄や尖閣諸島、東シナ海、竹島問題などのさまざまな対立は、実態が改善したわけでは無い、それどころか悪化しているのが現実。しかし親近感の値は少しずつ持ち直しつつある。一般報道における伝えられ方の変化(ニュースソースとしての新鮮味の観点から優先順位が下がった)が、親近感にも影響を与えた可能性は否定できない。

詳細は別の機会に解説するが、中韓、特に中国への親近感は今回調査でやや回復したものの、低い値を続けていることに変わりは無い。昨今の動向をかんがみれば、それもある程度納得ができてしまうものである。


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