2013年10月度外食産業売上マイナス1.6%・天候悪化で客足遠のき客単価上昇も売上プラスにはかなわず

2013/11/26 14:30

日本フードサービス協会は2013年11月25日付で、同協会の会員会社を対象にした外食産業の市場動向調査による、2013年10月度の調査結果を発表した。その内容によれば同月の総合売り上げは前年同月比でマイナス1.6%であることが分かった。台風が相次ぎ接近したことや秋雨前線の影響で降雨量が多く、客足が遠のき、客数が大きく減退したのが売り上げを押し下げる形となった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われている。対象数は事業者数が211、店舗数は3万1703店舗。今月は前月と比較すると事業社数・店舗数共に減少している。

全業態すべてを合わせた2013年10月度売り上げ状況は、前年同月比で98.4%となり、1.6%の下落を記録した。今回月は休日日数・土曜日数は昨年と変わらないものの、相次ぐ台風の接近や上陸、さらには秋雨前線が大きく影響し、雨天の日が多かった。実際前年同月比で東京では2日、大阪では5日もの雨天日数が増えている。これを受けて客足は前年同月比でマイナス3.4%と大きく下回ることになり、客単価の上昇(プラス1.8%)でも補い切ることは出来ず、売り上げは前年同月比でマイナスを示すこととなった。

業態別動向を見ると、ファストフードは全体では前月から転じて3.4%のマイナスと軟調。特に洋風で客足が大いに遠のき、前年同月比マイナス11.6%を記録し、売上も8.2%ものマイナスを示す形となった。牛丼チェーン店を含む和風は客単価こそ落ちたが客足は堅調でプラス6.0%、売上もプラス4.1%と順調な流れ。先月から続き、吉野家の主力商品である牛丼の値下げが効果を見せているようだ。麺類は客単価はほぼ横ばいながらも店舗増加に伴い客数も増加しており、これが売上アップにつながっている。このパターンは相変わらず。

ファミリーレストラン部門は全体の売上が2.2%のプラスと先月から続き良好な流れ。焼肉部門はファミレス部門内では一番の上げ幅となる8.8%の大幅なプラス。客数がプラス6.2%と大きな値を示しており、また客単価も2.4%のプラスであることから、昨年の風評被害の反動だけでなく、同業種そのものの順調な動きによるものと思われる。一方、パブ/居酒屋部門では先月同様、居酒屋の客入りの悪さ(前年同月比でマイナス8.9%)とそれに伴う売上の減少が目に留まる。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2013年10月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2013年10月分)

台風・前線などの
悪天候が続き客足遠のく
客単価は上昇するも
売上底上げまでには至らず。
特に洋食ファストフードの
客足低下が目立つ。
ここ数か月ほどファストフードの洋風(具体的にはハンバーガーチェーン店がメインとなる)の客入りの悪さが目立つものとなっていたが、今回月はそれに(大きく作用する)気候の悪化があり、ダイレクトに影響を受けた形となった。多分に気候によるところとはいえ、前年同月比で11.6%のマイナスという値は、注視せずにはいられない(「昨年と比べて1割以上客が減った」という表現なら容易にその重大性が理解できるはず)。原材料の値上がりや競合他業種の攻勢の中で、客の消費性向が変化を見せたことに伴い、メニューの大幅な改正や客単価の調整を推し進めている最中とはいえ、そのコントロールがあまり上手く行っていないように見えてくる。

無論、為替レートの変動による輸入食材の価格が上昇に伴い、ファストフードの洋風店だけでなく、外食チェーン店全般でコストの上昇による影響は出始めている。さらに昨今では【えび不足であきんどスシローの一部メニュー販売休止】でも伝えている通り、和風食品店には欠かせない素材の「えび」の高騰化・品不足が、同業種の集客に微妙な影響を与えている。

また昨今ではいわゆる「食材偽装」の問題も外食チェーン店絡みでは世間の話題の対象となっている。業界全体の売上に影響を与えた様子は無いものの、一部店舗ではイメージダウン、さらには今後のコスト上昇など、マイナス面での影響が生じる可能性は否定できない。

そしてここ数か月に渡り言及してきた、外食の競合業界と成りうるコンビニにおける「淹れたてコーヒー」や惣菜による攻勢だが、外食業界では逆にその状況、つまり世間一般に「淹れたてのコーヒーを飲用する」というスタイルが浸透しつつあるのを利用し、未導入の外食業種でコーヒーを提供し、集客に結び付けるという動きが出てきた。先日伝えた【回転寿司にコーヒー!?…くら寿司もついにプレミアムコーヒーに参戦、「KULA CAFE」ブランド展開へ】が好例だが、他にも和風ファミリーレストラン系チェーン店で新たにカフェを併設するモデル店舗を展開するという話もある。競合他業種が創生した状況にあえて乗るという試みは、大いに評価したい。

今回月は気候の影響を受けて全体値ではマイナスとなったものの、その多くは内部再構築中のファストフードにおける客足の遠のきが主なもの。この状況はもうしばらく続きそうだが、試みが上手く行けば大いに業界全体を引っ張る形となるに違いない。


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