「毎日必ず夕食を家族で」は36%、出来ない理由は「夫の仕事」

2013/11/24 15:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
パルシステム生活協同組合連合会は2013年11月20日、家族の食卓に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、毎日必ず朝食を家族で過ごす人は約1/4、夕食は1/3強に登っていることが分かった。一方、週一回も朝食を家族で共に過ごせない人は3割強、夕食でも7%強居る。夕食における「家族団らんの食事」が出来ない理由としては夫の仕事の都合がもっとも多く、8割強を示している。また妻が就業時間の長い職に就いている場合ほど、妻の仕事の都合を理由に挙げる割合が多くなっている(【発表リリース:「家族の食卓に関する調査2013」を集計しました】)。


スポンサードリンク


「家族そろって食卓を囲む」毎日は朝食25%、夕食36%


今調査は2013年11月1日から5日にかけて携帯電話を用いたインターネット経由で、20代から50代の既婚女性に対して行われたもので、有効回答数は1000件。世代構成比は10歳区切りで均等割り当て。調査機関はネットエイジア。

核家族化、少子化や兼業主婦の増加に伴い、特に子供が一人で食事をする「孤食」という状況にスポットライトがあてられている。今調査ではその「孤食」も含め、家族と食卓の実態について多方面から現状の把握が試みられている。

次に示すグラフは朝食と夕食における、家族全員で食卓を囲む回数。後述の回答にもある通り、例えば母子のみで父親が食卓に居ない場合、そしてリビングで母親が調理などをしていて子供のみが食卓で食事をする場合(同一空間に居るが、食事を共にしているわけでは無い)も、今件の「家族で食卓を囲む」には該当しない。なお今調査対象母集団では子供の有無は問われていないため(子供を有する世帯は82.3%)、夫婦のみで「家族で食卓を囲む」に該当する事例もある。

↑ 家族で食卓を囲む回数
↑ 家族で食卓を囲む回数

これも後述するように、母親の就業スタイルによって大きな差が生じるのだが、今調査対象母集団では朝食は24.9%、夕食は36.2%の世帯のみが「毎日食卓を家族全員で囲む」と回答した。朝食は家族構成員それぞれの登校・通勤時間に差異が生じる場合が多く、同席しての食事が難しいようで、学校や会社が休みとなる土日のみの同席、つまり「週1-2日」や「それ以下」の回答率が高いのが特徴。

一方夕食ではこだわりを持つ世帯が多いらしく、「毎日必ず」との回答率が最多で36.2%。他方、朝食同様に平日は家族で時間を合わせるのが難しく、土日のみが該当すると考えられる「週1-2日」の回答率も高めの21.4%となっている。

「土日のみの家族団らんでの食卓」となる理由は、やはり夫の仕事の都合によるところが大きい。夕食を例に挙げると、家族で食卓を囲めない最大の理由は「夫の仕事の都合」で、80.4%に達している。

↑ 夕食を家族で食卓を囲めない理由(複数回答、囲めない日がある人限定)
↑ 夕食を家族で食卓を囲めない理由(複数回答、囲めない日がある人限定)

男性の就業スタイルとしては平日・朝から夕方までが拘束時間となるため、自宅に戻る時間は夕方以降となる。子供達に夫の帰宅まで夕食を待たせる世帯もあるだろうが、帰宅が遅い仕事の場合、子供の就寝時間と合わせて考えると、それも難しい。

それ以外の理由は各世帯ごとのケースバイケース的なもの。自分、つまり妻の仕事の都合や夫の夜の付き合い、子供の習い事など多種多様に及ぶ。中には「子供のアルバイト」「子供の学校の部活動」などを理由に挙げる人もいる。

妻の就業状態で変化する「家族の食卓」が出来ない理由


「家族そろって食卓を囲む」が出来ない理由は、妻の就労状態によっても変わってくる。「フルタイム勤務」「パート・アルバイト勤務」「専業主婦」の3就労状態に区分した上で、それぞれの属性中「家族そろって食卓を囲む」ことが出来ない日がある人に、その理由を尋ねて集計したのが次のグラフ。

↑ 夕食を家族で食卓を囲めない理由(複数回答、囲めない日がある人限定)(妻の職業別)
↑ 夕食を家族で食卓を囲めない理由(複数回答、囲めない日がある人限定)(妻の職業別)

妻の就業時間が長いスタイルほど、「自分の仕事の都合」による回答が多い。これは当然といえば当然の話。フルタイム勤務の妻の場合、半数近くが「自分の仕事の都合で、家族全員での夕食がとれない日がある」としている。また、フルタイムの場合は職場での付き合いも深くなるため、「自分の夜の付き合い」による事例も増えてくる。

興味深いのは、専業主婦の世帯の方が、「夫の仕事の都合」によるところ、要は夫の帰宅時間が遅い事例が多いこと。これはあくまでも相関関係でしかなく、因果関係を証明する値は無いものの、「夫の稼ぎが多い」=「夫の就業時間が長い」「夫の稼ぎで世帯がまかなえる為、妻が働くなくても済む」という状況であるためだと考えられる。



家族共に食事が出来るか否かは、家族の共有時間とも関わりのある問題で、子供の幼稚園や保育園への就園、主婦の兼業主婦化などと合わせ、家族そのものの構成や実情を示す一つの指針となりうる。過去のデータが無いので経年変化が確認できないのは残念だが、少なくとも現状では「家族で囲む食卓」は、夫と妻の就業スタイルで大きく左右されていると見て良いだろう。

「それ以下」という回答もそれなりにあるが、せめて子供の学校も父親の会社も休みである場合が多い土日位は、食卓を家族皆で取り囲んで歓談しながら、食事を楽しんでほしいものである。


■関連記事:
【9.7%は平日一人で朝食を食べている…小中学生の食事やテレビ時における家族との触れ合い状況(2011年社会生活基本調査)】
【朝食孤食 若年社会人は過半数】
【朝食17%・夕食3%が頻繁に「子供だけで食事」】
【子供の朝食・夕食、誰と一緒に食べている?】
【夕食を毎日家族そろって食べる世帯は26.2%、では「ほとんど無し」は?】


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS