総計37.9万台、大型テレビとBDが継続上昇(薄型テレビ出荷動向:2013年10月分)

2013/11/23 14:00

2013年11月21日付で電子情報技術産業協会(JEITA)は同協会公式サイトにおいて、【民生用電子機器国内出荷統計】の最新値、2013年10月分のデータを公開した。その公開値によれば2013年10月の薄型テレビの出荷台数は37.9万台となり、前年同月比ではマイナス3%という結果となった。前月動向と比べて小型・中型テレビは再びマイナス化したが、大型テレビはプラス化を継続している。

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純粋出荷数、前月・前年同月比の確認


データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、「出荷数」の定義は一連の記事の集約ページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】にある。必要な場合はそちらを参照のこと。

最初にグラフ化・精査するのは純粋な出荷台数。直近2013年10月分の出荷台数、そして過去の公開値を基に当方で算出した前月比・前年同月比によるもの。テレビは季節による売行きの変化が大きく、単純な前月比よりも前年同月比の方が、全体的な出荷すう勢を推し量りやすい。

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年10月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年10月分、JEITA発表)

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年10月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年10月分、JEITA発表)

2013年10月における薄型テレビの日本国内出荷台数は37.9万台。ここ数か月は漸増の動きを示していたが、今回月では一歩後退した感はある。同月のスーパーやデパートの販売動向を記した記事【食品相場高で堅調さ続く…2013年10月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス0.5%】でもテレビ関連の販売動向について「住関品では先月「好調」の言及を受けた液晶テレビやブルーレイレコーダーは再び「不調」表現がなされており、一時的な足踏み状態にある」という結果が出ており、それが裏付けられた形となった。

一方、サイズ別に見ると、小さいサイズほど不調、大きくなるほど堅調という、明らかに「大きいことは良いことだ」的な動きを示している。詳しくは次の項目で解説するが、テレビ需要の大型化の表れといえる。

台数そのものと前年同月比の変化


【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2013年分対応版)】で全般的な傾向値が出ている通り、テレビの買い替え間隔は概して8年から10年(直近では7.9年)。1年や2年のような短期間で「地デジ特需」の反動が収まるとは考えにくい。極端な話、7年から9年先の需要を先取りしてしまう事例もありえるからだ。

次のグラフは薄型テレビの出荷台数そのもの、そしてその台数の前年同月比を算出したもの。「停波前特需、特に年末・年度末」「停波直前の駆け込み型特需」「停波後の年の年末に慌てて購入」の3期間でセールスは活性化し、それ以降は軟調な動きで推移している現状が把握できる。今回も前回に続き、昨今のトレンド転換が確認しやすいよう、一部で対象期間を変えたグラフを併記しておく。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)(-2013年10月)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)(-2013年10月)

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(-2013年10月)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(-2013年10月)

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(2012年1月-2013年10月)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(2012年1月-2013年10月)

グラフ中に吹き出しを用いている「アナログ波停止」(2011年7月)までは小型(青線)・中型(赤線)の方が値は高く、良く売れている。特に停波による切り替えまで一年未満となった2010年末から、その傾向が強くなる。そしてアナログ波が終了、デジタル波への移行が完全実行された2012年以降になると、逆に大型(緑線)が伸びはじめる。前年同月比ではいずれもマイナスだが、線の上下関係には明らかな違いが生じている。停波によりトレンドの転換が起きた形だ。

この動きは「切り替え前…テレビが視聴できなくなるのが困る。『テレビ視聴環境が無くなる』のを避けるため、まずは1台調達」、「切り替え後…末永く使うのを前提に、少々高くても大型のものを調達」という消費者側の心理が反映された結果といえる。

同時に地デジ導入後に顕著化した薄型テレビの需要低迷に伴い、販売価格が大幅に下落。その結果、大型テレビの購入ハードルが下がったのも、大型テレビの実績堅調化の一因。買替年数は8年から10年であり、サイズによる価格差もさほどないとあれば、大きなサイズで良好な環境を長期にわたり楽しもうと考えるのは道理である。

注目すべきは「前年同月比」のグラフの動向。地デジ切り替え後に需要が大幅に減った2011年夏以降、急降下の後、各項目ともマイナスが続いていた。これは直前の特需の反動が主要因。しかしその下落から1年経過した2012年秋を過ぎても、状況は回復していない。つまり単なる計算上の反動だけでなく、1年を超える期間における需要減退が起きている。「地デジ化特需」が先取りしたテレビの需要は、数年分まで及んでいる次第だ。

一方で前年同月比のグラフにもある通り、2012年夏以降、マイナス幅は少しずつ小さくなっている。先取りした需要の先取り分が漸次消化され、従来の状況への回復過程にあるといえる。全サイズでプラス化を果たした前月から、今月は大型以外がマイナス化してしまったが、回復基調そのものが揺らぐほどのものではない。

月ごとの販売動向を経年で


最後に季節変動を考慮せず、特に月次の販売動向の確認ができる、別の切り口によるグラフを生成、精査を行う。このスタイルは「たばこの販売実績」の月次解説記事でも用いているもので、個々月の動向を経年で比較している。このように月単位の動きを重ねると、毎年年度末と年末が季節上の特需時期となること、その翌月は反動で販売台数が大きく落ち込むことのように、テレビ販売のパターンが読める。同時に、2010年(赤い棒)の年末は「地デジへ切り替えラッシュ」で特需が発生しているのが分かる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)(-2013年10月)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)(-2013年10月)

月単位で確認しても地デジ化直前の2010年(赤)-2011年(緑)をピークに、それ以降は減少が続いているのが一目瞭然。その一方、2011年から2012年にかけての下げ方と比べれば、2012年から2013年への下げ幅はわずかなもので、下げ止まりの時期に突入しているのが分かる。特に2013年7月以降は、前年同月と比べてほとんど変わりない様子が見て取れる。

先月の全サイズプラス化から今月は大型のみのプラスとなったが、停波以降需要が縮小傾向にある小型はともかく、中型の下げ幅は許容範囲内のものであり、全体としての下げ幅も限定的。中期的な流れを示すグラフの動向からも、出荷実績が回復期に突入したように見える。年末商戦の動き次第では、今年度中にも「地デジ特需反動による低迷の終息宣言」が出来るかもしれない。

もちろん「反動による低迷」が終わっても、その後薄型テレビの販売動向が右肩上がりを示す保証はない。モバイル端末の普及による機動性の高い映像端末の需要拡大、若年層のテレビ離れなど、懸念材料は少なくない。テレビメディアを俯瞰する観点からも、今後もテレビの出荷実績を追いかけていきたいところだ。


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