花王が断トツ、コーワも躍進、KDDIも大前進(民放テレビCM動向:2013年10月分)

2013/11/19 11:40

映像音声検索技術「AV-Maker」など自社独自技術を利用して取得したテレビCMのメタデータを提供するゼータ・ブリッジは2013年11月19日、2013年10月度分における関東民放5放送局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のテレビCMオンエアランキングを公開した。それによると同年10月でCMの放送「回数」がもっとも多かった企業・団体は、前月から続く形で花王となった。企業別順位、商品別ランキングでは携帯電話関連企業が多数見受けられるのはお馴染みの話だが、それ以外には冬を間近に控えて冬季関連商品へのアピールを行うCMの多さが目に留まる(【ゼータ・ブリッジ公式サイト】)。

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花王がトップ継続、興和が続く


データの取得場所の解説、各種データの意味、今件記事が関東地域のみを対象としていることに関する解説など、記事まとめページ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行っている。必要な場合はそちらで確認のこと。

発表資料には「出演者ランキング」をはじめ、複数項目の切り口から見たランキングが掲載されている。そのうち「企業別オンエアランキング(放送回数順位)」の上位10位を抽出し、データを再構築して生成したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年10月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年10月、上位10位)

前回トップに躍進した花王は、今回もそのポジションを維持。しかも第2位に対し大きく差を開いた状態となっている。また興和も先月からさらに回数を上乗せし、順位を第2位にまで上げている。いずれも冬用の自社商品の知名度アップ(特にトイレタリー商品)に注力を割いているのが分かる。

特に花王は多種多様な商品のCMを多数投入している。トイレタリー以外でもヘルシア緑茶、ヘルシアコーヒーのCMを見かけた人は少なくあるまい。

また、企業別ランキングでは普段あまり顔を見せない企業として「アメリカンファミリー生命保険」(アフラック)の名前が目に留まる。同社では現在【ブラックスワンのささやき】というシリーズCMを展開。多種多様な切り口から、保険の大切さを逆の視点で訴えかける、興味深い内容となっている。


↑ アフラックのCM「ブラックスワン」の声優を担当する有吉氏に関するレポート映像(公式)。【直接リンクはこちら:有吉弘行、アフラック新CMで本田翼につきまとうブラックスワンに! 】

有吉弘行氏の演技が非常にマッチングしており、観るものの関心を引き寄せ、内容について考えさせる機会を与えるCMとして仕上がっており、注目に値する。

携帯電話関連会社では、KDDIが大いにCMを投入し、第3位のポジション入り。NTTドコモは第14位、ソフトバンクモバイルは第15位にあり、相変わらずKDDIの力の入れようがうかがい知れる数字が出ている。

一方、携帯電話向けのエンタメサービスを提供する企業は、第11位にガンホー・オンライン・エンターテイメントの姿が確認できる。今回月ではグリーやディー・エヌ・エーの姿は上位20位以内には無い。

これら上位10位の企業のCM出稿量を、各放送先のテレビ局ごとに細分化した上で再構築したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年10月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年10月、上位10位)(局別)

トップの花王が日本テレビ・フジテレビへ、興和がテレビ朝日へ出稿量を他局と比べて大きめにしているのはいつものこと。特に興和は先月同様にテレビ朝日にずば抜けた量を投入しており、他局への出稿量が誤差範囲にしか見えない。似たように特定局への注力傾向が強い企業としては、今回上位入りした企業ではアメリカンファミリー生命保険、プロクターア・アンド・ギャンブル・ジャパン、ハウス食品などが挙げられる。特定テレビ局を嫌っているわけでは無く、提供番組のあるなしなどが要因なのだろう。

10位以内の企業に限って放送回数を累算すると、テレビ朝日がトップ、次いで日本テレビ、フジテレビの順となる。視聴率の動向とも浅からぬ連動性があり、興味深い序列といえる。

商品別は携帯関連ばかりなり


企業別の区切りとは別の視点、個別商品のCM別に算出したランキングは次の通り。企業単位では今月はさほど大きな躍進の無かった携帯電話関連企業だが、商品別では上位に山ほど顔を出している。

↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年10月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年10月)

また企業別上位入りした花王と興和だが、興和は3商品も上位入りしているのに対し、花王はその姿が(20位まで掘り下げても)確認できない。これは上記にある通り、きわめて多数の商品のCMを一斉に展開しているからに他ならない。

商品別ランキングでは少々見慣れない「ソネット(NURO)」が目に留まる。これはソネットが展開する光ファイバー回線「NURO光」をアピールするCMで、ピエール瀧氏・門脇麦氏がデビルマンに扮して登場するというもの。


↑ NUROのテレビCM。モノクロの画面にデビルマンの主題歌が流れるという、印象的な映像が視聴者の目を引き付ける。【直接リンクはこちら:NURO TVCM [NURO DEVILMAN その女の場合]門脇麦 篇】

いわゆるイメージCM的なものだが、印象深さはピカイチなものの、具体的な商品内容とは結び付きにくい。「まずはサービスの知名度を」との想いがうかがい知れる。

商品別ランキングではしばらく大人しかったモバゲーだが、今回は第3位入り。新ゲームの展開が相次ぎ、そのアピールのために大量投入をしたようだ。


↑ 先日サービスを開始したモバゲーの「マジック&カノン」における、サービス開始直前に流れたCM。【直接リンクはこちら:【事前登録受付中】王道RPG「マジック&カノン」 by Mobage】

テレビ視聴者のメインとなる年齢層は学生を中心としたごく若い世代と高齢層。そのうち前者をメインターゲットと想定しているモバゲーにおいては、テレビCMの展開は効果的なのだろう。競合のガンホーによる「パズル&ドラゴンズ」が定期的に一定量のCMを投入しているのも、同じ理由によるもの、つまり「日常生活内にごく普通に存在している」という場を形作っていると考えれば道理は通る。

花王や興和の躍進を見るに、テレビCMではすでに冬季商戦真っ盛りな状態。来月はさらにそれに拍車がかかり、また年末年始を題材にしたCMが多数投入されることだろう。


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【新聞やテレビなどへの業種別広告費推移をグラフ化してみる(2012年版・電通資料ベース)】

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