1.2%ポイント前年同期から改善…大学生の2013年9月末時点での就職内定率は64.3%

2013/11/16 10:00

厚生労働省は2013年11月15日付で、2013年度(2013年4月1日-2014年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を発表した。その内容によれば2013年10月1日(9月末)時点での大学卒業予定者の就職内定率(就職希望者に対する就職内定取得者の割合)は64.3%だった。これは昨年同時期より1.2%ポイントの改善となる(【発表リリース(平成25年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」)】)。また、同日発表された【平成25年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」取りまとめ】によれば、高校新卒者の就職(内定)率は45.6%となり、昨年同期から4.6ポイントの増加(改善)を示している。

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今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別などを考慮し抽出した112校に対して行われている(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)。調査対象人員は6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各学校において、所定の調査対象学生を抽出し、電話や面接などの方法を用い、性別、就職希望の有無、就職(内定)状況などを調査している。一方高校・中学卒業予定者への調査は個別の面接などによるものでは無く、学校や公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

公表された調査結果によると、2013年10月1日時点で大学の就職率は64.3%となり、前年同期の63.1%と比べて1.2ポイントのプラスになった。

↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2013年9月末時点と2012年同時期)
↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2013年9月末時点と2012年同時期)

元々短期大学の就職(内定)率は大学や高専と比較して低めになる。今回調査時点の内定率もそのパターンに従う形で、大きな差が生じている。また前年同期と比べると他の学校と比べて抜きんでて内定率が減少しているのが目に留まる(前年同期比マイナス3.8%ポイントは、各学校区分では最大の値)。昨年の同時期ではむしろ最大の伸び率を示していただけに、その反動と見ることもできるが、やや気になるところだ。今後の追い上げに期待したいところだが。

就職率が最も高いのは高等専門学校で、現時点ですでに9割強が就職を内定している。【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる(2012年版)】などで解説した通り、専門技術に特化している学生が多いことから、求人側の需要にも合致しやすいのが主要因。要は即戦力を期待する企業と、即戦力を持つ学生との相性が良いという次第。この「即戦力優遇主義」的な就職状況が、汎用性の高い一般大学生をして、企業側が避ける事態となり、それが大学離れの遠因となるとの指摘もある。

このうち大学(国公立・私立の合計、個別)に注目し、男女別にその動向を見ると次のようなグラフになる。

↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2013年9月末時点と2012年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2013年9月末時点と2012年同時期)

今領域では前年同期比で低下を示したのは国公立の女子だけ。低下率はマイナス1.6%ポイントとやや大きめなのが目に留まる。またグラフには無いが男子高専、女子短期大学は双方とも前年比でマイナス、特に女子短大は前年同期比でマイナス3.8%ポイントと大幅な下落を示しており、やや女性には難儀な状況となっていることがうかがえる。もっとも国公立大学においては女性の方が内定率が高い状況に変化は無い。

直近10年間における内定率推移をグラフ化すると、次の通りとなる。「昨年・一昨年よりは」改善し、リーマンショック後の就職戦線の厳しさからは徐々に回復していることが分かる。とはいえ、その直前までと比べると、まだ上昇の余地は十分にある。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2013年10月1日)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2013年10月1日)

今件グラフ範囲内だけで確認すると「2011年3月卒の底値から、順次回復傾向にある」状況はほぼ確実。最高値を示している2009年3月卒の69.9%までには5%ポイント以上もの差があるが、金融危機、リーマンショックによる内定率低下前にもう少しで手が届きそうな雰囲気ではある。



冒頭にある通り同日付で高校卒業予定者の内定率も発表されており、その値も大卒予定者同様上昇している。

・求人数は21.1万人。前年同期で16.3%増
・求職者数は17.4万人。前年同期で3.6%減
・就職(内定)者は7.9万人。前年同期で7.1%増

という結果が出ている。求人数が大幅に増加、求職者は減少。結果として(高卒者側から見れば選択肢が増え)就職状況は改善の方向性を示している。。求人倍率は1以上(1.22)と、「求人数>>求職者数」の傾向は続き、前年同期調査結果の1.0.1倍からは大幅な改善といえる。一方、企業側と求職者のマッチング(業種や労働条件など)を考えれば、求職側にとってはまだ安心できる領域には無い。

また【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】【学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる】などで指摘している通り、中高卒者は非正規雇用としての就労率が高い。さらに【「正規の仕事が無いから」非正規の職についた人は約2割(労働力調査・2013年第1四半期速報)】【契約社員5割・パートやアルバイトの3割は「正社員に成れなくて仕方なく」】などのデータで明らかにされている通り、非正規社員の少なからずは「正規社員として働きたいが果たせず、非正規社員として働いている」と回答している。

それも大きな要因なのだろうが、中高卒は大学卒と比べて短期間での離職率が高い。中高生の就職率はそのまま受け止めるのではなく、その後の動向も合わせ、推し量る必要があろう。


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【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる(2012年版)】
【大学卒業後の就職先、「正社員で無くても就職できれば」を肯定する親は1割足らず】

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