「声を聴くのが一番」別居の親の安否確認、新サービスはセンサー系・通信は通話機能が人気
2013/11/16 14:00


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センサー3割、食事宅配1/4、「無し」は1/3な新サービス
今調査は2013年10月18日から22日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。対象は親・配偶者・子供いずれもを有する40-59歳の男女。男女比は均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
今調査対象母集団、つまり自分あるいは配偶者の親が存命の人で、いずれの親とも同居していない人は78.9%。その人たちに離れて暮らす親の安否、状況を確認するために、次々に展開される新しいサービスや商品のうち、どのようなものを使いたいか聞いた結果が次のグラフ(通信機能に特化した、既存サービスを除く)。最上位についたのは、親の様子をセンサーによって確認できる見守り・安否確認サービスで、30.4%の値を示している。

↑ 離れて暮らす親の状況を確認するために、使いたいと思う新しいサービスや商品(自分・配偶者の親どちらとも同居していない人対象、複数回答)
親の挙動が異様なまでに長時間止まっていれば、何らかのトラブルが生じている可能性が高い。センサーによる状況確認は、動いているか否かを確認するのには機械的だがもっともダイレクトで容易な方法ではある。似たような手法として利用状況を伝えてくれる通信サービスを備えた家電も、利用を望む声は大きい。センサーと比べれば大げさではないのも好まれているのだろう。同様のスタイルとしては「ガスや水道、電気などインフラ系の利用状況を教えてくれるサービス」なども高回答率を示している。
次いで多いのは見守りサービスも行ってくれる食事宅配サービス。昨今では専門業者だけでなくコンビニをはじめとした小売業界も参入の動きを示しているが、食材の調達や調理にも難儀する高齢者への食事サービスと、安否確認をも兼ねたサービスが多数から望まれている。食の充足もできるのがポイント。
一方で「当てはまるもの無し」との回答も1/3強と高め。後述する電話やネット機能で十分とし、新たな安全確認、見方を変えると監視システム的なものは不必要との意見は、決して少なくない。
メールやチャットよりも直接声を聴きたい
それでは別居している親の状況確認のため、使いたい通信・ネット関連サービスとして、どのようなものが人気を集めているだろうか。これらはいずれもすでに普及しているサービスであり、信頼度も高く、コストも容易に想像できるのがポイント。上記の通信系以外の新サービスはまだ実証実験段階のものも少なくないが、今件は必要ならばすぐに使え費用もすぐに算出できるため、実意見に近い結果が出ている。

↑ 離れて暮らす親の状況を確認するために、使いたいと思う通信・インターネット関連サービス(自分・配偶者の親どちらとも同居していない人対象、複数回答)
もっとも多いのは「一般携帯電話・スマートフォンによる通話機能」で6割強。次いで「固定電話の通話機能」の5割強が続く。固定電話よりも携帯電話の方が高い値を示しているのは、相手がどこに居てもすぐに捕まえられること、そして回答者側が固定電話を有していない可能性もあることなどが理由として挙げられる。「電話による親子の会話」という状況は、すでに固定電話以上に携帯電話がメジャーとなりつつある。ともあれ、通信での安否確認には、メールよりも通話で直接声を聴く方が望まれている。
興味深いのはテレビ電話や各種チャットサービスよりも、「写メールによる機能」の利用希望者が多いこと。声や文字列だけでは判断しにくい状況を推し量れることが好まれているようだ。また安否云々でなくとも、現在の様子を知りたい時にも、写真があればより一層詳しく、そして楽しいコミュニケーションが期待できる。「テレビ電話機能」もそれに近い。
チャット系サービス・機能では「Skype」がもっとも値は高いものの、それでも1割でしかない。次いで「LINE」「Facebook」「ツイッター」が続く。いずれも自分だけでなく相手も利用していることが前提となるので、これらのサービスを別居の親も利用していることになるが、その点で「Facebook」や「ツイッター」以上に「LINE」が選択肢に挙げられているのは、少々驚き。子供世代に普及した「LINE」がその親にも浸透し、さらにその親が別居中の祖父母にも浸透、三世代に渡り意志疎通ツールとして使われつつあるということか。
今件調査は携帯電話経由であるため、いくぶん携帯電話周りの項目が有利になる可能性がある。それを差し引いても、「新サービスはセンサー系で挙動を確認するものや、食事宅配も兼ねた実チェック型の需要が高い」「通信系は通話機能が圧倒的で、画像・映像を使えるものが続く」などの需要順位がうかがい知れる。
通信系は親側が使いこなせるか否かの問題のためか、概して通話機能の需要が高い。また、実際に声を聴くことによる安心感もプラス要因にあるのだろう。
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