教育、テレビ、そしてウェブ展開…若者向けの北方領土返還要求運動で参加促進として望まれるもの

2013/11/10 10:00

内閣府では2013年11月7日に北方領土問題に関する特別世論調査結果(速報)を公開したが、その内容によれば北方領土の返還を求める運動(北方領土返還要求運動)において、若年層の参加促進手法としてもっとも多くの人が重要視しているのは「学校教育の充実」だった。6割近くの人が望んでいる。次いで「テレビや新聞などの充実」「ウェブやネットなどの広報・啓蒙の充実」が続いている。5年前の同様調査と比べると、実働イベントの類において、重要との認識が低下する動きがある(【内閣府:平成25年度特別世論調査一覧ページ】)。

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今調査の調査要件や北方領土そのものについては、先行記事【北方領土問題認知度98%、テレビやラジオ、新聞が主な情報源】を参考のこと。

先の記事にあるように、北方領土の返還を要求する運動が多種多様な手法で行われており、認知度は9割以上と高めだが、参加意思を持つ人は4割に届いていない。

↑ 北方領土返還要求運動を知っているか(再録)
↑ 北方領土返還要求運動を知っているか(再録)

↑ 北方領土返還要求運動に参加したいか(再録)
↑ 北方領土返還要求運動に参加したいか(再録)

またこの運動では、その中心となってきた元島民をはじめとした関係者が高齢化しており、若年層の参加と運動の継続・意欲の高まりが強く求められている。そこでどのようにすれば若年層を運動に取り組むことができるのか、複数回答で聞いた結果が次のグラフ。最上位には「正しい理解と認識を持たせるための学校教育の充実」が57.8%でついている。

↑ 若い世代の返還要求運動への参加促進でどのような取り組みが重要か(複数回答)(空白は未調査項目)
↑ 若い世代の返還要求運動への参加促進でどのような取り組みが重要か(複数回答)(空白は未調査項目)

先行記事「北方領土問題認知度98%、テレビやラジオ、新聞が主な情報源」にもある通り、北方領土問題の認知ルートとしてはテレビ・ラジオや新聞が有効性が高く、学校の授業で知った人は26.8%に留まっている。その上で学校教育の充実を求める声が大きいということは、「子供のうちから」という想いだけでなく、「現状では十分な質・量に達していない」との認識が強いものと考えられる。一方、「テレビや新聞の充実」を求める声が大きいのは、現状の効用を十分に知った上で、さらなる展開を求めているのだろう。

また「現状では全然足りない」という点では「ウェブやネットを用いた広報・啓発の充実」「ソーシャルネットワークを用いた広報・啓発の充実」も「学校教育」と同じ。特にソーシャルメディアは認知ルートとしては1.2%でしかないのにも関わらず32.0%の人が重要と考えており、若年層に向けたソーシャルメディアにかける期待が大きいことを表している。

他方、「若い世代向けの広報・啓発イベントの開催」「元島民の話を聞く会の開催」のような、実際に足を運ぶ、日常生活の時間を新たに割くような行動は低めで、しかも経年変化でも減少を示している。先の「認知度9割、参加希望は3割止まり…北方領土返還要求運動の現状」で解説しているが、運動に参加したくない人の不参加理由の最上位にも「時間や労力の負担が大きい」がついていることを合わせて考えると、「受け手にとって新たな負担となるようなものは避け、日常生活に溶け込むような負担の無い、軽い切り口で若者にアピールすべき」との総意が透けて見えてくる。

特にネット周りの展開は重要と思われるが、同時に行政によるネット関連の「仕掛け」は概してピント外れ、旧態依然の手法をそのまま取り組んで大いに空振りする傾向が強い。海外の事例も参考にした上で、若年層に鼻で笑われないような手立てを講じてほしいものだ。


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