参加希望は約1/3…北方領土返還運動の実情(最新)

2024/01/27 02:38

このエントリーをはてなブックマークに追加
2024-0116内閣府は2024年1月12日、北方領土問題に関する世論調査の結果を公式サイトで公開した。それによれば北方領土返還運動に参加を希望している人は1/3程度にとどまっていることが分かった。参加したくない人の意見としては、「自分が参加しても返還されるとは思えない」「運動の内容がよく分からない」が上位を占めている(【内閣府 世論調査一覧ページ】)。

スポンサードリンク


今調査の調査要件や北方領土そのものに関しては、先行記事【北方領土問題認知度99.1%、テレビ・ラジオ、新聞が主な情報源(最新)】を参考のこと。

北方領土を巡っては外交交渉の際のバックボーンとなる国民世論を高めるため、返還署名運動や各種公演・イベントが開催されたり、北方領土の日(2月7日)を中心に行事が展開されるなど、さまざまな北方領土返還の要求運動が取り組まれている。このような北方領土の返還に関する運動に、何らかの形で参加したいか否かを尋ねたところ、参加希望者は35.5%にとどまる形となった。積極的な参加希望者は1.5%でしかなく、残りの大半は「機会があれば」「誘いがあれば(考えてもいい)」と消極姿勢にとどまっている。

↑ 北方領土返還運動に参加したいか
↑ 北方領土返還運動に参加したいか

一方、絶対に参加したくない人は4.3%にとどまっているが、それを含めた参加否定派は6割強。参加したくない人が多数派なのが現状ではある。

それではなぜ運動に参加したくないのか。不参加意思を持つ人(「あまり参加する気はない」「絶対に参加したくない」回答者)に複数回答で理由を聞いたところ、最上位についたのは「自分が参加しても返還されるとは思えない」で、45.7%の人が同意を示している。

↑ 北方領土返還運動に参加したくない理由(参加したくない人限定、複数回答)(2023年)
↑ 北方領土返還運動に参加したくない理由(参加したくない人限定、複数回答)(2023年)

個人ベースでの参加で何か物事が動くのか、現状ですでに行われているであろう活動を見ても、目だった反応や社会の変化は見られない以上、参加しても返還されるような劇的な変化は無いのではと感じるのも仕方がない。「参加する意義を感じない」「自分が参加しなくても他の誰かがやってくれる」も同様の意見として考えられる。

「運動の内容がよく分からない」だが、参加の意思に関する設問は「あなたは、北方領土の返還を求める運動である北方領土返還運動に参加することについてどのように思いますか」のみ。具体的に何をするかは説明になく、また実際に一般の人の活動状況もあまり認識されていないことから、何をするのか分からないのに参加する気持ちにはなれないと考えるのは道理ではある。「北方領土問題の内容がよく分からない」も類似の理由といえよう。

「北方領土の問題に関心が無い」のは仕方がないが、「政治的運動参加について周囲の目が気になる」との回答が15.0%出ているのは、担当部局において頭の痛い話に違いない。

上位項目のいくつかは、運動そのものの不足が多分に影響していると考えられる。参加を促すためには、まずその運動自身の実情を積極的に、多方面に向けて、分かりやすく正しい内容をアピールすべきだろう。


■関連記事:
【2月7日は「北方領土の日」】
【日本のアメリカ合衆国への親近感87.2%、対中親近感はやや悪化(最新)】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS