北方領土問題認知度98%、テレビやラジオ、新聞が主な情報源

2013/11/08 15:30

北方領土内閣府は2013年11月7日、北方領土問題に関する特別世論調査の結果(速報)を発表した。それによると「北方領土問題」そのものを知っていた人は97.6%に達していることが分かった。ただしある程度以上の内容まで知っている人は8割程度に留まっている。また今問題を何で知ったかの問いには9割の人が「テレビ・ラジオ」、7割が「新聞」と答えており、主要従来4メディアによる認知が圧倒的であることをうかがわせる結果が出ている(【内閣府:平成25年度特別世論調査一覧ページ】)。

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今調査は2013年9月26日から10月6日にかけて全国の20歳以上の日本国籍を有する3000人に対し、調査員による個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は1848人。男女比・世代構成比は現時点では未公開。

「北方領土問題」とは北海道本島の東側に位置する、日本固有の領土である北方四島(歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島、国後(くなしり)島、択捉(えとろふ)島)が、ソ連/ロシアによる法的根拠を有さない状態での占拠が続いている状況に対し、日本への返還を求めている問題。「法的根拠」無くとは第二次世界大戦の末期1945年に、当時のソ連がその時点で有効であった日ソ中立条約を無視して対日参戦し、北方四島を占領、ソ連がロシアになった現時点でも占拠し続けていることを指す。またこの問題が存在するため、日ロ間では現在もなお平和条約は締結されていない。

↑ 北方領土とその周辺の地図
↑ 北方領土とその周辺の地図(【外務省:北方領土問題ページから】)

今回発表された速報内容によれば、「北方領土問題」そのものの認知度は極めて高く、調査対象母集団全体の97.6%が知っていると答えた。知らなかった人は「分からない」も含め2.4%に留まっている。

↑ 北方領土問題を知っているか
↑ 北方領土問題を知っているか

5年前と比べると誤差の範囲とも受け止められるが、認知度はさらに上昇。そして内容まで知っている人も増えており、今件問題に関しては好ましい状況となっている。

それでは「聞いたことが無い」「分からない」以外の人、つまり「北方領土問題」を何らかの形で見聞きした人は、どのようなルートで知ったのか。それを複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。これは見方を変えると、どのルートでの広報活動が「現時点では」有効なのか、積極的になされているのかを知ることができる。

↑ 北方領土問題を何で知ったか(聞いたことがある人限定、複数回答)(空白は未調査項目)
↑ 北方領土問題を何で知ったか(聞いたことがある人限定、複数回答)(空白は未調査項目)

従来型メディアのうち「テレビ・ラジオ」が91.3%、「新聞」が70.7%と他のルートから群を抜いて高い値を示しており、「北方領土問題」は主にこの2経由で認知されていることが分かる。現時点では世代構成別の回答率は公開されていないが、これらメディアの特性と合わせて推測すると、多分に中堅層以降の認知者に、この2メディアの回答率が高いことが容易に想像できる。

また、類似問題の尖閣諸島(【尖閣諸島を知った経由「テレビ・ラジオ」が97%、求める取り組みも「テレビ」が最多回答】)や竹島(【竹島を知った経由「テレビ・ラジオ」が96%、求める取り組みも「テレビ」が最多回答】)の調査結果と比べると、「学校の授業」により知った人の割合が高い。北方領土は古くから問題視されており、歴史や地理などでも折に触れて語られてきた結果といえよう。

一方、主要従来型4メディアのうち「本や雑誌などの印刷物」は回答率が低め。これも尖閣諸島や竹島の問題同様、普段閲覧されている紙媒体では取り上げられる場面がほとんどないのが主要因。「テレビ・ラジオ」や「新聞」のように、他の普段から呈される情報に織り交ぜて情報を提供するのが難しいため、このような結果が出ている。

インターネット関連の情報は9.5%、官公庁主導による啓発物の利用やイベントは1割足らず。現時点では行政サイドからのアプローチは、認知度を高める手法としては成功とはとても言えない結果となっている。

しかしながら詳しくは機会を改めて解説するが、若年層に向けた北方領土の返還要求運動への参加促進においては、4割以上の人が「インターネットを用いた広報・啓発の充実」、3割以上の人が「ソーシャルメディアを用いた広報・啓発の充実」を求めており、官公庁においては従来型のイベントや啓発物もさることながら、インターネット関連の促進需要が高いことが分かる。運動を主導するサイドとしても、時代の流れに合った対応が求められよう。


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