北海道のみ6%・他は数字目標無しの節電要請…2013年度冬季の節電要請内容発表

2013/11/05 11:30

国務大臣などで構成される「電力需給に関する検討会合」は2013年11月1日、2013年度冬季における電力需給対策を決定、その内容を発表した。それによると沖縄電力を除いた、電力需給面で懸念のあった9電力管轄すべてにおいて、今冬季でも電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%を確保できる見通しとなった。引き続き予断を許さない状況ではあるものの、今冬では原則「数値目標を設けない節電要請」(高齢者や乳幼児などの弱者に対する配慮を伴う)が成されることとなった。ただし北海道電力管轄では元々厳寒で電力利用量が大きいことに加え、他管轄からの電力融通に制約があり、さらに元々総利用量が小さいことから発電所一基のトラブルが与える影響の大きさを考慮し、2010年度比で6%以上の節電を大口・小口需要家、家庭それぞれに要請することとなる(【電力需給に関する検討会合公式ページ】)。

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2013年冬季における節電要請内容と北海道の特殊性


今回発表された「2013年度冬季の電力需給対策について」の会合決定資料及び合わせて発表された関連資料によれば、2011年度冬季並の(北海道電力管轄では厳寒の2010年度並み)となる気象リスクや直近の経済成長の伸び、企業や家庭における節電の定着などを織り込んだ上で、全電力管内で電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%以上を確保できる見通しとなった。

ただし沖縄電力管轄以外では、大規模な電源脱落などが発生した場合には、電力需給がひっ迫する可能性もある。特に北海道電力管轄では冒頭で説明した通り、他電力からの電力融通に制約があることなどの特殊事情から、特段のリスク対策が求められる。

↑ 2013年度冬季における電力予備率見通し(沖縄除く)
↑ 2013年度冬季における電力予備率見通し(沖縄除く)

↑ 2010年度比の、2013年度冬季定着節電見込み(9電力管轄)
↑ 2010年度比の、2013年度冬季定着節電見込み(9電力管轄)

↑ 北海道電力管轄の電力実績(万kW、冬季)
↑ 北海道電力管轄の電力実績(万kW、冬季)

北海道電力管轄では冬季での電力需要が夏季よりも大きく、しかも昼夜を問わず電力が多分に消費されること、さらに全体電力量が小さく、1発電所あたりのシェアが大きいため、発電所のトラブルが致命的な電力不足を招きやすいことなどの特異性がある。上記グラフはあくまでも「最大時」のものだが、それぞれがすべていちどきに発生(最大電力需要時に、計画外停止による電力供給の最大減退が起きる)しないという保証は無い。そのため、北海道電力管轄では特別に、2010年度比で6%以上の節電を大口・小口需要家、家庭に対して要請することとなった。

節電要請期間・時間帯は次の通り。沖縄電力管轄は対象外。

北海道・九州電力管轄「以外」…2013年12月2日から2014年3月31日の平日(2013年12月30日・31日、2014年1月1日-3日は除く)。時間は9時から21時
北海道・九州電力管轄……2013年12月2日から2014年3月31日の平日(2013年12月30日・31日、2014年1月1日-3日は除く)。時間は8時から21時

積み重なるリスクと費用


今冬季では最低限の予備率は確保しているものの、各電力会社ではその状態維持のため、従来行われるはずのメンテナンスや機器の改編を先延ばし、間引きなどを実施している。また稼働率そのものも通常想定以上に高めており、当然、リスクは平常時と比べれば高い状態にある。実際、震災により電力需給がひっ迫して以降、各発電所における計画外停止件数は増加の一途をたどっている。

↑ 各年度の計画外停止件数推移(夏季と冬季)(2013年度は夏季のみ)
↑ 各年度の計画外停止件数推移(夏季と冬季)(2013年度は夏季のみ)

↑ 各年度の計画外停止件数推移(夏季のみ)
↑ 各年度の計画外停止件数推移(夏季のみ)

また、原発稼働停止に伴う火力発電の焚き増しによる燃料費の増加も顕著なものとなっている。これまでの実績及び今後の試算によると、(各資源価格の上下変動も考慮)もあわせ、2011年度から2013年度の3年間で9.0兆円のロスが生じる計算となる(今後1年間という区切りで試算すれば、3.8兆円の燃料費増加が見込まれる)。

↑ 原発稼働停止に伴う火力発電の焚き増しによる燃料費の増加(兆円/年)(2013年冬時点、2013年度は推計)
↑ 原発稼働停止に伴う火力発電の焚き増しによる燃料費の増加(兆円/年)(2013年冬時点、2013年度は推計)

無論このコストは直接的に電力会社への負担となり、メンテナンスや機器改編・更新のさまたげの一因になる。さらにはその負担をカバーするために行われる電気料金の引き上げは家計や企業への重圧となり、経済動向への足かせとなっている。

同資料では引き続き電力の安定供給のために多様な施策に取り組むのはもちろんだが、コスト増が間接的に国民、企業の負担につながるとし、政府・電力会社に対し燃料コストの抑制に努めるべきであるとし、各種方策(供給源の多角化、燃料買い手側の提携強化による交渉上のパワー引上げ、規制基準に適合していると認められた原子力発電所の再稼働、コスト減のためのエネルギー政策の構築)について十分に留意し、コスト低減の取り組みが必要であると説明している。


■関連記事:
【「数値目標なし」…2013年夏の節電要請内容発表】
【節電方法トップ項目「こまめに消灯」は正しい?】
【各電力会社間の電力の融通具合を図にしてみる(2013年4月作成版)】

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