2013年9月度外食産業売上プラスマイナスゼロ%・月前半は悪天候だが後半は天候に恵まれ盛り返す

2013/10/26 10:00

日本フードサービス協会は2013年10月25日、同協会の会員会社を対象にした外食産業の市場動向調査による、2013年9月度の調査結果を発表した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でプラスマイナスゼロ%であることが分かった。先月まで続いていた、前年同月比でのプラス(4か月連続)はストップした。月半ばまでは台風などが猛威を振るったが月後半以降は好天の日が続き、客足も回復して月前半の分を取り戻す形となった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われている。対象数は事業者数が214、店舗数は3万1900店舗。今月は前月と比較して事業社数・店舗数共に減少している。

全業態すべてを合わせた2013年9月度売り上げ状況は、前年同月比で100.0%となり、前年同月と同じ水準となった。今回月は休日日数・土曜日数は昨年と変わらないものの、月前半は秋雨前線の停滞や台風17号・18号の上陸などで大雨や突風、竜巻まで発生し、波乱に満ちた秋の到来を覚えさせた。そのため客足も低迷したが、後半になると北日本を除けば天候は回復し、客足の月ベースでの減退は最小限に留まることとなった。また客単価はわずかだが前年と比べれば堅調に推移し、これが売上をプラスマイナスゼロにまで押し上げた。なお雨天日は東京・大阪共に少なかったものの、平均気温は両地域共に前年と比べて1度ほど低めとなっている。

業態別ではファストフードは先月に続く形でやや好調。洋風では先月同様に客単価が大幅に伸びたものの、客数がマイナス4.5%とダウン傾向は続いており、これが足を引っ張り売上もマイナスに。牛丼チェーン店を含む和風は客単価がマイナス2.8%と下げたが、客数は堅調でプラス3.4%となり、売上は0.6%とギリギリながらもプラスを維持。吉野家による主力商品の値下げの影響が、いまだに数字として表れているようだ。麺類は客数がプラス4.5%と堅調なため、客単価の下落(マイナス0.3%)も吸収し、売り上げをプラス4.2%と大きく伸ばしている。ただし先月同様に店舗数の増加(プラス9.1%)が客数増加に多分に寄与しており、個別店舗ベースでは軟調な可能性がある。

ファミリーレストラン部門は全体の売上が1.3%のプラス。焼肉部門はファミレス部門内では一番の上げ幅となる9.2%の大幅なプラス。客数がプラス7.4%と大きな値を示しており、風評被害の反動をバネに、客足の継続増加の兆しが見えている。またパブ/居酒屋部門では居酒屋の客入りの悪さ(前年同月比でマイナス7.1%)が目に留まる。


↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2013年9月分)

月前期は荒天
月後期は好天
同じ読みで正反対の
天候の変化で
売上はトントン。
洋風ファストフードの
客入り低迷継続が気になる。
ファストフードの洋風(具体的にはハンバーガーチェーン店がメインとなる)の客入りの悪さだが、今月は先月(マイナス6.8%)よりはやや大人しくなった(マイナス4.5%)ものの、今年の5月以降継続していることに違いはない。客単価がプラスなのを合わせ見ると、「高価格の新メニューの導入で客単価は上がったが、その分客入りが悪くなり、売り上げは落ちる」という、あまり好ましくない状況にあることが分かる。客単価と客入りの関係調整は他の外食チェーン店でも四苦八苦しているポイントの一つだが、洋風ファストフード部門ではとりわけその調整に難儀しているようだ。

為替レートの変動で輸入食材の価格が上昇し、一般販売の食品だけでなく外食チェーン店でも、値上げの動きがあちこちで見受けられる。【吉野家、業績予想下方修正】で伝えている通り、主力商品の値下げなどで売上は結構堅調だが、コストが上昇して結局利益は減ってしまった吉野家の事例に代表されるように、利益が圧迫される事例を良く見かけるようになった。また【えび不足であきんどスシローの一部メニュー販売休止】でも伝えているが、和風食品店には欠かせない素材の「えび」の高騰化・品不足により、メニュー構成に影響が及び始めている。

さらに中食スタイルの進行やコンビニの惣菜をはじめとしたカウンターフーズの充実で、外食利用者の足が分散化しつつあるという指摘もある(【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる】でも解説しているが、日配食品は概して堅調に推移している)。

一方、外食産業側も黙って状況に甘んじているわけでは無く、朝食メニューの充実をはじめ、新商品の相次ぐ開発に加え、定番商品の改善によるリニューアルで目新しさを演出するなど、多様な切り口でさらなる集客と利益構造の改善を模索している。

外食産業の動向はその内部での構造変化だけでなく、周辺業界とのお客の奪い合いも合わせ、複数の産業と連動、あるいは競合の立場から、色々な動きを示している。他業種との関連性も考察しつつ、人々の食生活の一端を担う外食産業の動向を見つめ続けていきたい。


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