テレビからビデオやゲームに…乳幼児の映像メディアとの関わり合い

2013/10/28 07:55

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NHK放送文化研究所は2013年9月4日、「2013年幼児生活時間調査」の概要を発表したが、それによれば乳幼児のうちゼロ歳児は日曜で76分、テレビやビデオなどの映像メディアを観ていることが分かった。歳を重ねるに連れて時間は増加し、6歳では3時間強もの時間を映像メディアに費やしている。具体的なメディア区分としては幼い頃はテレビが圧倒的に多いが、次第に録画番組やビデオ、そして据置型・携帯型のゲーム機の割合が増えていく(【NHK放送文化研究所:世論調査一覧ページ】)。


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ゼロ歳児でも76分、6歳児では3時間強


今調査は2013年3月3日から4日にかけて、首都圏に居住する0歳4か月以上就学(小学校入学)前の幼児を対象としたもの。調査票配布回収法で実施された結果を集計し、その概要が公開されている。記入は乳幼児本人では無く、その保護者が行っている。有効回答数は985人。

今項目では「テレビ」「録画番組・ビデオ」「(据置型)テレビ・携帯(型)のゲーム」「(機器を問わずの)インターネット」を合わせて映像メディアと定義し、その接触=利用時間について尋ねている。その映像メディア全体の接触時間を年齢別に見たのが次のグラフ。

↑ 映像メディアの接触時間(日曜)(分)
↑ 映像メディアの接触時間(日曜)(分)

5歳でやや減少傾向を示すものの、ほぼ一様に歳と共に映像メディアとの接触時間は増えていく。これは成長に連れて保護者がメディアへの接触を許すようになることに加え、子供側でも好奇心や知的探究心が興りメディアからの学習を積極的に行うようになること、さらには娯楽を求める自意識が高まるのも理由に挙げられよう。

今調査の限りでは平均で6歳児では日曜で204分、つまり3時間強ほど映像メディアと接触している計算になる。テレビ漬けの子供を持つ保護者からは「少ない」との意見が寄せられるだろうし、逆に教育方針の上で「多い」と認識する環境を子供に与えている保護者も居るに違いない。

テレビからビデオ、そしてゲームへ


映像メディアの接触時間について、具体的に4区分それぞれの時間と構成比率を示したのが次のグラフ。時間の積み上げグラフは公開値を基に当方で概算したもので、合計値の誤差が数分の単位で生じていることをお断りしておく。

↑ 映像メディアの接触時間におけるメディア別構成比(日曜)
↑ 映像メディアの接触時間におけるメディア別構成比(日曜)

↑ 映像メディアの接触時間におけるメディア別構成(分)(日曜)
↑ 映像メディアの接触時間におけるメディア別構成(分)(日曜)

ゼロ歳児では圧倒的にテレビの利用率が高い。パソコンやゲーム機を使わせるのには無理があるから、当然の話。1歳児以降になるとテレビの視聴時間は漸次増加していくが、それ以上にビデオの時間が増えていく。ところがビデオの視聴時間は3歳以降は横ばい、漸減し、ゲーム機が代わりに増えていく。

これについて子供の成長過程と合わせて考えると「ゼロ歳児は内容も良くわからない部分が多いので、とにかく環境映像的にテレビを観させている」「1歳児以降になるとある程度内容を把握してリアクションも示すようになるので、子供向けアニメをはじめとしたビデオや録画番組を見せるようになる」「4歳以降では自らの手で反応が楽しめる、知的好奇心を刺激するゲーム機の割合が漸増していく。子供向けのビデオなどはあまり見たがらなくなる」と考えれば、大体道理は通る。同じ映像メディアでも内容や子供との接触スタイルはそれぞれ異なり、子供の成長に連れて需要、そして提供側の保護者の考え方も変化し、それが各メディアの接触時間・比率に反映されていくことになる。

無論これはあくまでも今調査対象母集団の平均値としての話。上記で記した通りテレビ放送をこの何倍も見せている世帯もあれば、生放送の類を一切禁じてビデオのみを乳幼児に視聴させている世帯もあることだろう。

なお「テレビ」についてだが、2歳児以降は映像メディア全体に占める比率はほぼ横ばいになるものの、接触時間は漸増を続けている。先行記事では、この10年間で乳幼児のテレビ離れが進んでいる状況について触れたが、それでもまだテレビは子供達にとっても主要な映像メディアには違いないようだ。


■関連記事:
【子供の「テレビ漬け」を避けるための保護者向けヒント】
【子供の「テレビ観過ぎ」が引き起こしかねない問題とは】


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