幼稚園でも預かり保育が広まるが…10年で広がる幼稚園・保育園間の在園時間

2013/10/25 11:30

NHK放送文化研究所は2013年9月4日付で「2013年幼児生活時間調査」の概要を発表した。その内容によると、幼稚園児は平日午後2時半の時点で半数以上が退園しているが、保育園児は午後5時45分でようやく退園率が半数に及ぶことが分かった。またこの10年の間に、保育園児の退園時間は遅くなる傾向があり、幼稚園児・保育園児間の退園時間=帰宅時間の差が広がる動きが見受けられる(【NHK放送文化研究所:世論調査一覧ページ】)。

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幼稚園児でも1割近くは午後4時過ぎも在園


今調査は2013年3月3日と4日に、首都圏に在住する0歳4か月以上就学(小学校入学)前の幼児を対象として、調査票配布回収法で実施された結果を集計したもの。記入は乳幼児本人ではなく調査対象幼児の保護者が行っている。有効回答数は985人。

次のグラフは幼稚園児・保育園児それぞれにおける、各時間帯での在園率。例えば「1430-1445」で幼稚園児は47%という値が出ているが、これは「午後2時半から45分において、幼稚園児の47%がいまだ幼稚園にいる」、見方を変えれば「53%が退園している」ことを意味する。

↑ 在園時刻別推移(就園別・月曜)(2013年)
↑ 在園時刻別推移(就園別・月曜)(2013年)

幼稚園は原則夕方前までに退園となるのだが、【幼稚園と保育所の推移をグラフ化してみる】でも解説している通り、昨今では保護者の就業事情を鑑み、「預かり保育」を実施し、17時位まで子供を預かる場所も増えている。結果として16時過ぎ以降もそれなりの率で子供は残っている。なお園に居る率が50%未満になる時間帯を「標準退園時刻」とすると、幼稚園児は午後2時半から45分となる。

一方保育園では幼稚園の退園時間を過ぎても多くが園に残っており、午後5時を過ぎてようやく退園率が上昇していく。「標準退園時刻」は午後5時45分から午後6時となり、幼稚園との差は3時間15分との計算になる。

10年で少し伸びる幼稚園の在園時間、大きく伸びる保育園


今調査は同様の条件下で10年前にも実施されており、その結果を園別に併記したのが次のグラフ。

↑ 在園時刻推移(幼稚園・月曜)
↑ 在園時刻推移(幼稚園・月曜)

↑ 在園時刻推移(保育園・月曜)
↑ 在園時刻推移(保育園・月曜)

全体的な特徴としては、両園とも赤線の方が青線よりも上。つまりこの10年の間に在園時間が伸びている計算になる。一方、幼稚園の在園時間の伸び率はわずかなものだが(それでも伸びているのは「預かり保育」によるところが大きい)、保育園では夕方午後4時以降の在園率に大きな差が出ている。これはひとえに保護者側の需要、つまり就労時間が伸びて子供をより長時間保育園に預けてもらう必要が生じたからに他ならない。

幼稚園の在園時間の10年間における伸び率は小さく、保育園は大きい。当然、幼稚園児と保育園児の在園時間の差は大きくなる。それを確認したのが次のグラフ。各時刻における保育園児の在園率から幼稚園児のそれを引き、その推移を2003年と2013年それぞれで記したもの。

↑ 在園時刻別推移(月曜)(保育園−幼稚園)
↑ 在園時刻別推移(月曜)(保育園−幼稚園)

両年間で差が出てくるのは午後4時半以降。保護者の就労状況の変化から子供の預かり時間の長時間化への需要が増加しているものの、現行制度では幼稚園は対応しきれず、保育園での在園時間ばかりが伸び、結果として幼稚園児と保育園児の間の在園時間の差、見方を変えれば在宅時間(さらには親子が共にいる時間)の差が拡大していることが分かる。

親と共にいる時間が長い方がよいのか、それとも幼稚園・保育園のように集団生活下の時間が長い方が良いのかは賛否両論あり、さらに保護者側の就労事情も加味してくることから、この傾向の良し悪しについては判断は難しい。ただし現状としてこのような動きが生じていることは認識しておくべきだろう。


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【幼稚園か保育園か…小学校に上がる前の子供の状況をグラフ化してみる】

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