幼児を持つ母親の兼業率4割、10年で保育園預かり率は増加へ

2013/10/23 20:30

NHK放送文化研究所は2013年9月4日、「2013年幼児生活時間調査」の概要を公表した。その内容によれば就学前の幼児を子供に持つ保護者から成る調査対象母集団においては、子供の母親が専業主婦の人は55%であることが分かった。19パーセントはパートやアルバイトに従事し、フルタイムでの就労をしている人も20%いる。また子供が歳上になるほど幼稚園に通う事例が増え、3歳児時点では幼稚園は1割強、保育園は3割強なのに対し、6歳児では2/3が幼稚園に、1/3が保育園に通っている(【NHK放送文化研究所:世論調査一覧ページ】)。

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この10年で幼児持ち母の兼業化は進行


今調査は2013年3月3日と4日に、首都圏に住む0歳4か月以上就学(小学校入学)前の幼児を対象に調査票配布回収法にて行われたもので、記入は調査対象幼児の保護者が行っている。有効回答数は985人。

まずは回答当事者の保護者のうち母親の就労状況。10年前の同様調査との比較の形でグラフ化したが、専業主婦が減り、パート・アルバイト勤務とフルタイム勤務が増加している。特に後者の増加が著しい。

↑ 母親の就労状況
↑ 母親の就労状況

これは厚生労働省の調査による「国民生活基礎調査」の結果(【共働き世帯の増え方をグラフ化してみる】)、具体的には共働き世帯の増加・専業主婦の減少とも一致しており、納得のいく結果ではある。他方パート・アルバイト勤務よりもフルタイム勤務者の方が増加率が大きいのは、女性における就労への価値観の変化、家計を支える上での必要金額が増えたことなどが原因だろうか。

子供の成長と共に保育園から幼稚園へ。しかし10年の変化で…


兼業主婦が増えると必要不可欠となるのは子供の預け場所。祖父母が同居している家ならともかく、多くの世帯は核家族化しており、日中は子供だけとなってしまいかねない。そこで保護者が就労中の時間帯は幼稚園や保育園などの施設に預け入れることになる。

次のグラフは年齢別の子供の預け入れ状況。ゼロ歳児はさすがにほとんどの場合で保護者自らが育てているが、1歳になると早くも保育園に預ける事例が2割に達し、2歳になると3割を超える。

↑ 幼稚園児・保育園児・未就園児の構成(年齢別)(2013年)
↑ 幼稚園児・保育園児・未就園児の構成(年齢別)(2013年)

子供が3歳になると幼稚園入学の資格が得られるため、幼稚園児の回答者が登場。4歳になると5割を超え、5歳・6歳では約2/3に達する。一方保育園児の比率は1/3でほぼ変わらず、数字の上では未就園児がそのまま3歳から4歳に成長する過程で、幼稚園に通う形となっている。

ほぼ同じ条件で10年前に尋ねた結果が次のグラフだが、基本的な構造は変わりがないものの、10年の間に起きた変化を知ることができる。

↑ 幼稚園児・保育園児・未就園児の構成(年齢別)(2003年)
↑ 幼稚園児・保育園児・未就園児の構成(年齢別)(2003年)

具体的には幼稚園に通う、あるいは未就園児が減り、保育園児が増えている(ただし4歳児に限れば幼稚園児も増えて、就園年齢が早まっている)。保育園児の比率増加は【幼稚園と保育所の推移をグラフ化してみる】でも解説した通り、ひとえに母親の兼業主婦化、しかも就業時間の長期化に伴い、幼稚園では子供の世話をカバーしきれなくなった点にある。もっとも最近では一部の幼稚園でも「預かり保育」を実施し、17時位まで子供を預かる場所も増えているが、それでも保育園と比べれば時間上の制約は大きい。

先の「共働き世帯の増え方をグラフ化してみる」によれば、兼業主婦世帯は今後もさらに増加する傾向を示している。幼児を持つ世帯における保育園の利用率は、それと共に漸次増加していくことだろう。


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