伸びるのは「食指」か「触手」か…言い間違いされる言葉トップ10

2013/10/21 14:45

小学館は2013年10月15日付で、同社発行の国語辞典「大辞泉」編集部調査の結果「間違った意味で使われる言葉ランキング」「言い間違いされる言葉ランキング」を公開した。その内容によれば、「普段良く使われる言葉、言い回し」が「本来の言葉」とは異なる(つまり誤用されている)言い方の最上位についたのは「間が持てない」だった。本来の言い方「間が持てない」を使っていた人は約15%だったのに対し、「間が持たない」の利用者は約68%にも達していた(【発表リリース:間違った意味で使われる言葉ランキング 第1位は「ハッカー」と判明】)。

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今調査は2013年9月20日から23日にかけて15歳以上の男女に対してインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1200件。男女比、世代構成比(15-19歳、20代、30代、40代、50代、60歳以上)は均等割り当て。

人間の記憶は曖昧なもので、得てして似たような、そして実は異なる言い回しで覚え、利用している場合が多い。使っている本人はそれを正しいと断じているが、いざそれが間違いだと分かった時、思いっきり顔を赤らめ、恥をかいたと自認してしまう経験は誰にでも一度や二度はあるはずだ。

今件では50の言葉の意味を例示し、それぞれに「本来の言葉、言い方」と「本来とは異なるが良く使われている言葉、言い方」の2事例を提示して、「回答者が良く使う言い方」を答えてもらっている。そして後者、「本来とは異なるが良く使われている言い回し」の回答率が高い言葉上位10個を、その回答率と共にグラフ化したのが次の図。



↑ 次の意味を表す言葉として普段どの言葉を使っているか(本来の言い回しは問わず)(良く見かける、本来と異なる言い方の回答率が高い事例・上位1-5位と6-10位)(赤着色棒が本来の言い回し)
↑ 次の意味を表す言葉として普段どの言葉を使っているか(本来の言い回しは問わず)(良く見かける、本来と異なる言い方の回答率が高い事例・上位1-5位と6-10位)(赤着色棒が本来の言い回し)

もっとも誤用されている言い方は「間が持てない」。途切れがちの会話などをうまくつなぐことが出来ない状況を指すものだが、これを「間が持たない」と表現している人が7割近くもいる。

思い返してみれば、確かに「間が持てない」よりは「間が持たない」の方が見聞きする事例が多いような気がする。ちなみに検索すると「間が持てない」は約130万件、「間が持たない」は約265万件が該当する。類似検索事例もあるものの、概して「間が持たない」の方が良く使われている可能性が高いことを示す一つの指標と言える。

リリース内でも指摘されているが、第2位の「声をあららげる」は「荒らげる」であり、「声をあらげる」とする表現は誤りではある。しかし利用者が増えている現状に伴い、主要メディアでも「あらげる」を使うことを許す事例が増えているとのこと。

誤用されている事例が多い上位陣だけに、内容を確認して「え、この言い方って間違いなの?」と驚かされる言葉が多い。例えば「触手を伸ばす」だが、「食指を伸ばす」という誤用回答は4割で、正解の2倍近くもいる。しかしよく考えればすぐに分かるのだが、「食指」は「動く」ものであり、「伸びる」ものではない。似たような意味を持つ「食指が動く」と「触手が伸びる」が頭の中で混ざり合い、一つになって「食指が伸びる」となってしまったのだろう。また、人間の身体器官には指はあっても触手は無いのも一因だと考えられる。



先の【「ハッカー」の本当の意味知ってる? 本来と異なる意味で多用される言葉トップ10】でも触れているが、リリースでは「言葉は時代と共にさまざまな状況変化を受けて、言い回しも意味も変化していくものであり、今回挙げた『異なる言い方』が必ずしも間違いとは言い切れない『場合もある』」と説明している。「相手に意味が伝われば、言葉としては責務を果たしたことになるのだから、間違った言い回しでも良いではないか」と主張する人もいる。

それも一理はあるのだが、相手が本来の、正しい言い回しを知っていた場合、誤用は「別の意味に解釈されてしまうリスク」を背負うことになる。また冒頭で触れたように、恥ずかしい想いをしてしまうかもしれない。出来れば正しい言い回しで、言葉を使いこなしていきたいものだ。


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