東電、9月3日以降の電力需給予想を変更(2011/09/02)…直近週の予想最大需要は4080万kW

2011/09/03 06:45

グラフ[東京電力(9501)]は2011年9月2日、各種状況の動向・変化を踏まえた上で、先に8月27日以降の電力需給予想を変更したと伝えた最大電力需要について、9月3日-9月9日の値を4890万kWから4080万kWへと引き下げた。一方で供給力も5570万kWから5510万kWへと変更される(【発表リリース】)。

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↑ 9月の東京電力管轄における各週の需給見通し(単位は万kW)(9月2日発表分)
↑ 9月の東京電力管轄における各週の需給見通し(単位は万kW)(9月2日発表分)

■前回発表からの変更点
●9月3日-9月9日
・最大電力の想定見直し
・火力発電所の作業による供給力減……-80万kW
・水力発電所(自流式)などの供給力増……+50万kW
・他社からの応援融通受電の見直し……-30万kW

前回発表時に該当週の予想最大需要は4890万kWとしていたが、昨今の気温動向や実績を鑑み、これを4080万kWに修正。また、東北電力管轄に対し、以前は「最大140万kWの電力融通を行いたい」としていたところを、昨今では「東北地方の電力需給バランスの緩和に向け、当社の需給両面の対策を徹底することにより、東北電力株式会社に、最大限の電力融通を行いたい」と表現を改めている。これに伴い、応援融通受電の見直しも行われている。東北電力管轄でも全力で水力発電所などの復旧を進めているが、先日発表された現況報告(【東北電力管轄・水力発電所の現状】)を見る限り、供給力の回復は厳しい状態にある。気候が落ち着いて電力需要が大人しくなってきたのが幸いな限り。

またグラフ注記にもあるが、【東北・東京電力管轄の電力使用制限令、前倒しで終了】ても報じた「電力使用制限令」の解除に伴う影響は考慮されていない。当然電力需要は増加するはずで、どこまで数字が上振れするかが気になるところ。

気象庁の週間天気予報(【東京地方】)によれば、9月9日までの週の予想最高気温は30度。ただし33度までのぶれの可能性はあるとのこと。降水確率は前半期で高めで雲や雨となる場面も多く、気温は前週同様にやや低め。コメントでも「期間の前半は平年より低いですが、後半は平年並か平年より高いでしょう。」と言及されており、前回週と同じく過ごしやすくなる可能性が高いが、週末にかけてはやや留意が必要となる。

実測値グラフを見る限り、「電力使用制限令」の効果は出ている。それと同時に曜日・気温の高低が電力需給を大きく左右する状況に違いは無い。9月9日までの週はすごしやすい天候が予想されるため、前半期においては電力需給もいくぶん余裕がありそうだ。

↑ 東京電力管轄最大電力と東京の最高気温
↑ 東京電力管轄最大電力と東京の最高気温(緑破線は9月3日時点の最大供給力)

気温の高さの観点では、今年の山場は越したようだ。しかし気温動向が(エアコンの利用に伴う)「電力需給関係」はもちろんだが、直接・間接的に「熱中症」とも深い関係があることを考えれば、例えば去年のように9月に入ってから残暑で暑さが盛り返す場合も想定され得るため、少なくとも9月下旬までは、これまで同様に高いレベルでの気温への注力が求められる。

常陸那珂火力発電所(ガスタービン2台,ディーゼルエンジン183台)東京電力管轄において今回発表されたように、電力需給に幾分余力が生じるようになった状況「だけ」を見て、各種制限や方針を揶揄(やゆ)する声が一部に見受けられる。しかし現状は「電力使用制限令」による法的拘束力の伴う、企業に対する節電の強制、その他各企業の世間一般から「見える範囲」だけでなく「見えない部分」における、「非常事態」という認識の下で行われた、多くの人達の努力による節電・供給力の積上げでようやく成し得たものであること(【リアル・ヤシマ作戦、あるいはゴジラ迎撃戦のような...東電の緊急電源配置状況】なども参照のこと)、そしてそれと同時に一時的・緊急事態に伴う臨時対応措置なことを再確認しておかねばならない。

さらに需要面に限定しても、白熱灯や蛍光灯のLEDへの置換など一部対策をのぞけば、継続できる類のものではないこと、そして供給面でも【相次ぐ火力発電所の故障、原発補う連続運転で、か】の指摘にあるように、昨今はイレギュラー的な要素で、常に減退する可能性が例年より高くなっている可能性も合わせて知っておくべきだろう。

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