天井感と建設業への期待と…野村證券、2013年10月分の個人投資家動向発表

2013/10/15 06:55

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2013年10月10日に、個人投資家の投資動向に係わるアンケート調査内容とその結果報告書となる「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版を発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。それによると今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた「ノムラ個人市場観指数」は先月に続き小幅ながらも上昇が見られた。また株価の先行きに対しては「大幅な上昇」を見込む意見が減り、「小幅な上昇」の意見が増えている。株価の上昇に対する期待は弱まったようだ。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2013年10月1日から10月2日に行われたもので、男女比は79.1対20.1。年齢層は50代がもっとも多く32.0%、次いで60歳以上が29.7%、40代が25.6%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く29.5%、500万円-1000万円が18.2%、300万円-500万円未満が12.0%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く31.1%を占めている。次いで5年から10年未満が29.0%、20年以上が24.0%。

投資に対して重要視する点は、概ね長期投資が最大値で49.2%と半数近くに達しておりもっとも多い。ついで配当や株主優待が19.2%と2割近くを占めており、売買による売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求めている投資スタンスが大部分となっている。ただし今回は「短期の値上がりを重視」が15.2%・「特に決めていない」が16.3%と、以前よりやや高めの値を示しており、投資傾向が従来のそれと多少ながらも意を異にしているようすがうかがえる。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通りとなる。

・投資指数は53.0ポイント。前回からは0.6ポイントの上昇。調査時点の日経平均株価は前回調査時のそれと比較して900円強上がっていた。比較的大きな上げ幅で、上昇余地が比較的少ないという判断が、指数上昇の幅を縮小させたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で76.5%となり、前月からは0.3%ポイントの増加。「1000円以上の上昇」を見込む意見がもっとも多く、前月からは上昇。上昇幅では「2000円以上の上昇」「2000円程度の上昇」が前回比でマイナス2.4%ポイント・マイナス2.2%ポイントとなり、天井感を覚えた投資家が多いことが分かる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」がトップについたものの下落。シリア情勢は依然として問題されているものの、緊張感が緩和したのが下落原因と思われる。他方、順位としては第四位だが「国内企業業績」は前月比でプラス4.9%ポイントと各項目中最大の上げ幅を示しており、国内企業の好業績への期待が見え隠れしている。

・魅力的な業種は「資本財・その他」「自動車」「医薬品」の順。「素材」「金融」「通信」「電気機器・精密機器」「運輸・公共」「消費」はマイナス。先月と順位の上で大きな違いは無いものの、「消費」のDI値が大きく後退しているのが気になる。消費の冷え込みを予想してのものだろうか。

・ドル円相場に対する見通しは小幅な円高ドル安を予想する声が大幅に増え、円安ドル高の意見が減少。全体的には円高基調の予想が大勢を占めている。

・通貨への投資魅力は「日本円」がトップに。「アメリカドル」は大きくDI値を下げて第三位に後退し、入れ替わりで「オーストラリアドル」が第二位に浮上。「中国元」は下落に歯止めがかからず、DI値はさらに減少しマイナス53.9に(魅力的との回答比率は2.0%に過ぎない)。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。「預貯金」のDI値下落幅は最大となった。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」においては、今月も相変わらずトヨタ自動車(7203)がトップについている。魅力的な業種でも「自動車」が上位にあることから、当然の成り行きといえよう。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……新日鐵住金(5401)
4位……大成建設(1801)
5位……鹿島(1812)
今記事では5位までを抽出しているが、その限りではトヨタとソフトバンクは鉄板に近いものの、今回は第三位以降に建設・建築周りの企業が相次いだのが目に留まる。オリンピック需要を見越して、さらには消費税引き上げ前の駆け込み需要に期待して、これらの業界に注目が集まった結果かもしれない。



今回調査期間においてはシリア情勢はやや沈静化しつつある(というよりは状況が悪化しないものの進展もせず、話題として薄れつつある)一方、日本国内では消費税引き上げ決定、国際面ではアメリカの予算や債務上限問題がクローズアップされており、これらが多分に投資家心理にも影響を与えている。特に「保有・注目希望銘柄」にその影響が表れている。

次回計測分、つまり現在進行中の期間では、現在もなお事態打開の糸口すら見えないアメリカの問題が一番のネックとなっている。これが相場の不安定感と下落の起因であるだけに、次の調査の時点で問題が解決されていれば、投資家心理も改善され、良い値が出ることだろう。


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【定期更新記事:ノムラ個人投資家サーベイ(野村證券投資調査部発表)】(過去記事一覧まとめ)

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