直近四半期売上12億98万4000ドル、累積赤字6億1686万ドル、日本市場は全体の15%…ツイッターの売上推移など(最新)

2022/05/13 09:02

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2022-05132013年にアメリカ市場で上場を果たし、日本でも多くの人がインフラ的に活用している、チャット的なミニブログことツイッター(Twitter)。今回はそのツイッターを運営するツイッター社の売上推移などについて、【アマゾンドットコムの売上推移など(最新)】にて用いた取得方法を流用し、ツイッター社の上場時の登録届出書「S-1」や上場後の決算書類(年次報告書)「10-K」など各種財務関連の報告書を取得し、そのデータを基に売上などの財務動向をグラフ化し、状況の確認をしていくことにする。

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赤字は続くが規模はゆっくりと拡大の方向に、そして


データの取得方法は先の記事【ツイッターのアクセス動向】で言及した通り。ツイッターのサービス自身は2006年7月から開始されているが、「S-1」「10-K」「10-Q」で取得できるのは2010年以降のみ。もう少し過去にさかのぼったデータも欲しいところだが、現時点ではこれが限界である。なお日本の企業と比較する場合は、それぞれの年の為替レートを考慮した方がよい場合もあるが、今回はツイッター社自身の動きを確認するので、その作業は不要。

なお今回は先行記事のアクセス動向同様、SECに公開される報告書を待たず、ツイッター社の公式ページで公開された各種決算資料(直近分は2022年4月28日発表、2022年第1四半期(Q1、1月から3月)分)を基に、必要な最新の値を抽出、あるいは算出して精査を行う。

↑ ツイッター社の売上と営業利益率
↑ ツイッター社の売上と営業利益率

営業利益率」とは「売上高営業利益率」のこと。売上と営業利益の関係を示しており、「総売上で営業損益を割る」ことで算出される。この値は「本業の稼ぎにおける効率のよさ・悪さ」を示しており、高いほど本業が効率よく稼げていることを意味する。もちろんマイナスならば本業は赤字。

グラフの動向からも分かるように、売上高は増加する一方、営業利益率はマイナス圏を推移、つまりツイッター社は本業の上では赤字を示し続けているままだった。しかし2018年では総売上と営業利益率ともにプラスとなり、初めて通期での最終利益を出すこととなった(営業利益率のプラス転換は前年の2017年が初めて)。しかし直近の2021年では営業利益率はマイナス、そして最終利益もマイナスを示す形となった。

累積赤字(Accumulated deficit)は2019年12月末時点では無くなり、諸表の表記も内部留保(Retained earnings)に差し替わっていたが、今四半期では前四半期から続く形で累積赤字となり、その額面は6億1686万ドル(約793億円、1ドル128.53円で換算)となっている。無論グラフの動きを見れば分かる通り、売上は上昇し続けている。上場で得た資金を用いて各種投資をした上で、さらなる規模の拡大と収益改善を図る目論見のようだ。

各種営業指標をグラフ化


続いてアマゾンの事例同様に、「総売上」「売上原価」「営業費用」「営業損益」「純損益」の推移もグラフ化する。

↑ ツイッター社の財務状況(単位・億ドル)
↑ ツイッター社の財務状況(単位・億ドル)

↑ ツイッター社の財務状況(純損益と累積赤字・内部留保、億ドル)
↑ ツイッター社の財務状況(純損益と累積赤字・内部留保、億ドル)

「総売上」と「売上原価」の差、つまり「粗利」はそれなりに大きなものになりつつあるが、「営業費用」がかさんでいることもあり、「営業損益」、そして「純損益」がマイナスに落ち込んでしまっていたのが分かる(「営業損益」「純損益」にはあまり差異が無いため、一部グラフ上で被ってしまっている)。

直近の2021年では「総売上」は大きく伸びたが、「営業費用」(「売上原価」に各種販管費を足したもの)の増加も大きく、収益構造は悪化し「営業損益」は減少、「純損益」はいくぶん持ち直したものの、前年に続きマイナスとなった。

ちなみにツイッター社では現時点で売上を「広告費」と「データライセンス代(など)」の2つで上げている。「ツイッターのアクセス動向」でも触れている通り、利用者の増加、中でもモバイル経由の利用者の急増に伴い広告売上も増加し、2021年時点では総売上の9割近くが広告費で占められている。なお直近四半期から報告書上では「データライセンス代(など)」の項目は「サブスクリプションおよびその他の収入」に名前が改められている。これはMoPubの売却やツイッターブルーサービスが開始されたことによるもの。

↑ ツイッター社の売上詳細(万ドル、年単位)
↑ ツイッター社の売上詳細(万ドル、年単位)

↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率、年単位)
↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率、年単位)

今後はスマートフォンやタブレット型端末などのモバイル系を中心に、ツイッターのデータをマーケティングなどに活用する企業などが増えてくることから、データライセンス代の売上は堅調な伸びを示していくと考えられる。そしてそれ以上に利用者、特にモバイル経由の利用者が増加し、既存利用者の利用密度が高まることから、広告売上も増していくのは間違いない。

ツイッターが広告依存型のビジネスモデルで成り立っていること、売上が上昇の一途をたどっていることに違いはなく、成長が続いているのが分かる。ただし広告ビジネスは既存のサービスでもその多くで頭打ち、行き詰まりを見せていることもあり、それ一本に限らない収益構造を構築する必要があることは言うまでもない。データライセンスがその一つだが、それだけで無く、インフラ的な立場にあるツイッターだからこそできる付加価値、機能の添付の模索も求められよう。

報告書(Twitter Announces First Quarter 2022 Results)の中でツイッター社のCEO(最高経営責任者)のParag Agrawal氏、そしてCFO(最高財務責任者)のNed Segal氏は何のコメントもしていない。これはすでに報じられている通り、ツイッター社がイーロン・マスク氏による買収に合意しているためと思われる。なおツイッターの日本における直近四半期の売上は1億7959万3000ドルで、前年同期比では6%の増加。全体の15%を占めている。

↑ ツイッター社の売上詳細(四半期単位、万ドル)(直近3年間)
↑ ツイッター社の売上詳細(四半期単位、万ドル)(直近3年間)

↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率、四半期単位)(直近3年間)
↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率、四半期単位)(直近3年間)

上場を果たしたものの、利益を得られる構造の構築に難儀し、続々登場する新規競合サービスとの争いの中で苦戦を強いられていることは否めないツイッター社。イーロン・マスク氏による買収で非上場化すれば、その活動スタイルも大きな変化が生じるものと思われる。実際、一部報道によると(【Twitter to Freeze Hiring, Rescind Offers Ahead of Musk Deal】)、新規雇用の凍結や出張・コンサル・マーケティングなどのコスト削減、上級幹部(消費者向け製品の責任者Kayvon Beykpour氏と収益製品担当Bruce Falck氏)の退職が報じられている。

利用者の注力を維持しつつ、自社サービスの特性を活かして安定した収益モデルを確保し、どのような姿に変貌していくのか、あるいはスタイルを維持し進化していくか、そしてインフラとしての信頼性を維持するのか。その動向を見守りたい。


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