「怒り心頭に達する」では間違いです…慣用句の正しい言い方度チェック

2013/10/07 08:45

文化庁は2013年9月24日に同庁公式サイトにおいて、毎年定期的に発表している「国語に関する世論調査」の最新版となる2012年度版の概要を発表した。その内容によれば、「とっておきの手段」を意味する「伝家の宝刀」を正しく選択できた人は5割強に達していたことが分かった。しかし間違った選択肢「天下の宝刀」を選んだ人も3割強居る。さらに「激しく怒ること」を意味する「怒り心頭に発する」を正しく選択出来た人は1/4足らずでしかなく、間違いの「怒り心頭に達する」を選んだ人は2/3を超えていた(【発表リリース(PDF):平成24年度「国語に関する世論調査」について】)。

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「怒り心頭に」は「発する」か「達する」か


今調査は2013年3月に個別面接調査方式で16歳以上の男女に対して行われたもので、有効回答数は2153人。

比ゆ的、あるいは故事などを基にした慣用句は、普段聞きなれていることもあり、「何となく」のレベルで覚えていることも多々ある。そのためいざ自分が使う立場になると、うろ覚えな部分を思い出せず、つい間違った言い回しをしてしまうことがある。

今回は間違えやすい言い回しの慣用句を5つ例示し、正しいものを選べるか否かを尋ねている項目にチェックを入れる。その結果が次のグラフ。正解の言い回しの項目は赤で着色している。

↑ 慣用句の言い方(正しい言い方と思うもの)
↑ 慣用句の言い方(正しい言い方と思うもの)

正解の言い回しが最多回答項目なのは「取り付く島が無い」「的を射る」「伝家の宝刀」の3つ。「押しも押されもせぬ」「怒り心頭に発する」は間違った言い回しを選んだ人の方が多かった。特に後者は正解が23.6%のみで、間違いは67.1%にも達している。

恐らくは「怒りが心や頭の中に届くほど隅々まで浸透してしまうほどの怒り」と解釈しているのだと思われるが、「心頭」とは「心の中」を意味し、「頭」そのものを表しているわけではない。要は「心の奥底から湧き上がる怒り」という意味である。逆にこの意味を覚えておけば、「達する」を選んでしまうことも無い(今選択肢にはないが「怒り心頭に徹する」と言い間違える場合もあるので注意)。

シニア層が良く知っていると思われるが…


このような慣用句は概して高齢層の方が熟知しているようなイメージがあるが、実態としてはそうとは限らない。

↑ 慣用句の言い方(正解率)(世代別)
↑ 慣用句の言い方(正解率)(世代別)

高齢層が高い正解率を示しているのは「実力があり堂々としている」を意味する「押しも押されぬもせず」のみ。「怒り心頭に発する」も傾向としてはそれに近いが、30代以降の回答率はほぼ横ばいとなっている。それ以外は逆に若年層の方が高い正解率を示していたり、世代の差異がほとんど無いものばかり。上記で触れているが「何となくそれっぽい」「うろ覚え的」に記憶している事例が多いのだろう。

ちなみに最近の検索エンジンはこの点については賢く作られており、うろ覚え的に間違った慣用句を入力すると、正しい答えを例示し「もしかしてこれを考えて入力していませんか?」と教えてくれる。

↑ 「怒り心頭に達する」で検索すると「もしかして:怒り心頭に発する」と正しい言い回しを指摘し、そのワードで検索をしてくれる
↑ 「怒り心頭に達する」で検索すると「もしかして:怒り心頭に発する」と正しい言い回しを指摘し、そのワードで検索をしてくれる

自分の慣用句に関する覚え間違いを正すには、必至に検索を繰り返すのも一つの手立てかもしれない。


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【うろ覚えで正しい熟語が分からない……まず「全部●●●●で検索」しよう】

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