きんきん、さくさく、ざっくり、ほっこり…聞いたこと・使ったことはある?

2013/10/01 09:45

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文化庁は2013年9月24日に、同庁が毎年発表している「国語に関する世論調査」の最新版に当たる2012年度版の概要を発表した。その内容によれば擬音語・擬声語・擬態語で良く冷えた状況を表す「きんきん」を聞いたことがある人は3/4を超えていることが分かった。「ざっくり」「ほっこり」「うるうる」なども7割を超えている。一方「きんきん」という言い回しを用いたことがある人は1/3程度に留まっていた。使用する割合は若年層に多い傾向が見受けられ、30代では6割以上の使用が確認されている(【発表リリース(PDF):平成24年度「国語に関する世論調査」について】)。


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聞いた経験「さくさく」のみが3割強、「うるうる」などは7割超え


今調査は2013年3月に個別面接調査方式で16歳以上の男女に対して行われたもので、有効回答数は2153人。

情景や環境を音や声のような言い回しで表す言葉「擬音語・擬声語・擬態語」。漫画的表現でもあり、子供が多用する言い回しとして敬遠する人も多いが、雰囲気を表すのには適している場合も少なくない。今件では5つの事例「きんきん」「さくさく」「ざっくり」「ほっこり」「うるうる」を例示し、聞いたことがあるか・使ったことがあるかを尋ねている。

まずは「聞いたことがあるか」だが、5つの中では「うるうる」が一番多く85.1%、次いで「きんきん」の76.0%が続く。

↑ 次の言い回しを聞いたことがあるか
↑ 次の言い回しを聞いたことがあるか

「ざっくり」「ほっこり」も7割程度と高い値を示しているが、唯一「さくさく」が4割足らずに留まっている。事例では「パソコンがさくさく動く」とあるが、使う場面そのものが他のと比べて限定されているのが一因かもしれない。ちなみに「さくさく」とは素早く行動する、快適に動く様子を示したもの。言葉そのものは江戸時代から使われていたそうな。

聞いたことはあっても使ったことは…


それではこれらの擬音語・擬声語を「自分が」使ったことがある人は、どれぐらいいるだろうか。

↑ 次の言い回しを使ったことがあるか
↑ 次の言い回しを使ったことがあるか

どの言い回しも「聞いたことがある」率の半分程度しか使われていない。上で「子供が多用する」としているが、幼稚っぽさを覚える人も少なくないため、聞くことはあっても自ら使うのには抵抗感を覚える人も多いのだろう。また「ほっこり」は他と比べるとやや利用率が低めに見える。

これを世代別に見ると、概して若年層が多用し、高齢層はあまり使っていないことが分かる。

↑ 次の言い回しを使ったことがあるか(世代別)
↑ 次の言い回しを使ったことがあるか(世代別)か

厳密には20代から30代で良く使われ、40代以降は急激に利用率が落ちる傾向がある。また16-19歳は意外に利用率が低い。ただし「うるうる」に限れば16-19歳からすでに過半数が用いており、60歳以上でも1/3を超える人が使用している。

擬音語・擬声語・擬態語(フランス語を日本語読みした「オノマトペ」と表現することもある)はインパクトが強くストレートに状況を表せるため、「漫画的表現」と記したように、漫画や、短時間で強烈な印象を与えることが求められるテレビ・ラジオCM、広告などのキャッチコピーでも良く使われる。一方これらの言い回しを学校教育の上で修得させる場はほとんどない。

理由は上にある通り、幼稚的なものととらえられているから。それに加えて流行り廃りが激しいのも一因だろう。


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