シニアのソーシャルメディア利用、一番人気はFacebook
2013/09/30 11:30


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今調査は2013年9月4日から8日に渡って携帯電話(一般携帯電話・スマートフォン双方)を用いたインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000人。構成比は男女比が1対1、世代構成比が50代・60-70代それぞれで1対1。調査協力はネットエイジア。
今や猫も杓子もソーシャルメディアな時代だが、今調査の調査対象母集団となるシニアの利用状況はどのような具合だろうか。利用しているか否かを聞いた結果が次のグラフ。なお今件は「インターネット経由」のため、シニア層全体の利用実態とはややずれが生じていることに留意してほしい。

↑ 現在ソーシャルメディアなどを利用しているか
全体では38.4%。50代はやや多めで41.8%となっているが、誤差の範囲と見て良い。4割足らず、1/3強と見て良いだろう。元々インターネットへアクセスできる環境・気概がある人を対象としていることもあるが、70代でもほぼ同等の比率でソーシャルメディアを利用しているのには、やや驚かされる。
それでは具体的に、どのような種類のソーシャルメディア(の類)を使っているのか。複数回答で聞いた結果が次のグラフ。調査対象母集団全体を対象としたものであることに注意してほしい。例えばFacebookは26.0%なので、調査対象母集団1000人のうち260人が利用している計算になる。「インターネットを使うシニア層における、各ソーシャルメディアの利用性向」と見れば良い。

↑ 現在利用しているソーシャルメディア(調査対象母集団全体比)(複数回答)
最多回答項目はFacebook。操作系はツイッターやLINEと比べるとやや複雑なものの、マルチメディア性に優れていること、そして何よりも実名登録主義のため、自分の身近な知り合いや昔の友達などを探しやすく、リアルな世界における交友関係と絡ませやすいのが、Facebookが好かれる原因と考えられる。名前を検索してプロフィール写真で確認し、十年来連絡が取れなかった旧友と再会するきっかけを得る……という話もありえなくもない。似たような機能を持ち、機会を期待できるmixiは8.0%のみで第四位に留まっている。実名主義のある無しが大きな要因だろうか。
第二位はツイッター。回答率は半分程度の14.2%。Facebookと比べればハードルは低く、お気軽度は高い。逆に「何をすれば良いのか分からない」との意見もあるだろうが、単純に次々と流れるツイート(書込み)群を見ているだけでも喧噪さを味わえて楽しいのかもしれない。
次いで多いのはLINE。厳密にはソーシャルメディアとは言い難く、半閉鎖的なチャットシステムだが、意外に利用率は高い。これは回答者個人が自律的に使い始めるというよりは、配偶者や子供、孫が利用しているのを受けて、気軽に連絡を取り合うためのツールとして利用し始めたものと考えれば道理は通る。対面する、電話、さらには手紙でも気恥ずかしい、面倒、腰が引けるなどで連絡を取りにくくても、LINEならば同じ目線で意思疎通ができる……というパターンで利用している人も多いに違いない(実際「面白会話」的なやり取りがインターネット上の画像投稿サイトの写真で良く見かけられる)。
なお、これらの値を「調査対象母集団全体」ではなく、「ソーシャルメディア利用者限定」で算出したのが次のグラフ。相対的な順位・割合に変化はないが、各メディアの回答率が「ソーシャルメディアを利用するシニア層における、ソーシャルメディアの勢力図」的なものを表していることになり、興味深い。例えばFacebookは67.7%なので「ソーシャルメディア利用のシニアは2/3以上がFacebookを用いている」ことになる。

↑ 現在利用しているソーシャルメディア(ソーシャルメディア利用者限定)(複数回答)
世間一般のソーシャルメディア利用性向と比べると、やはりFacebookの高さが目に留まる。また、LINEの3割近くとの値も、主な利用者が若年層であることを考えれば、注目に値するものといえる。
ちなみにシニア層のインターネット利用率は多様な調査結果が出ているが、例えば【シニア層がグイグイ伸びる…年齢階層別インターネット利用率(2012年分反映版)】では50代で85.4%、60代で70%前後、70代で50%近くという結果を確認できる。この値を基に、概算で今調査対象母集団と同じ世代のインターネット利用率が6割だとすれば、この世代の7人に1人がFacebook、11人に1人がツイッターをしていることになる(インターネットを利用しない人は、当然ソーシャルメディアも使わない)。
若年層と比べればまだまだの値だが、今後さらに各種端末が普及し、普段から日常的にソーシャルメディアを利用してる世代が歳を経るに連れて、シニア・ソーシャルメディア使いの比率も漸次増加していくことだろう。
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