総計39.4万台、中型・大型が2年ぶりにプラスへ(薄型テレビ出荷動向:2013年8月分)

2013/09/26 11:30

2013年9月25日付で電子情報技術産業協会(JEITA)は同協会公式サイトにおいて、【民生用電子機器国内出荷統計】の最新値となる2013年8月分のデータを公開した。その公開値によれば2013年8月の薄型テレビの出荷台数は39.4万台となり、前月比ではプラス5.1%、前年同月比ではマイナス0.8%という結果になった。また30型から36型の中型・37型以上の大型テレビにおいて、2011年8月以降前年同月比マイナスが続いていたが、今回月では久々にプラスに転じることとなった。

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純粋出荷数、前月・前年同月比


データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、「出荷数」の定義に関しては一連の記事の集約ページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】にまとめている。そちらを参考のこと。

最初に算出するのは、純粋な出荷台数。直近2013年8月分の出荷台数、そして過去の公開値を用いて算出した前月比・前年同月比を、それぞれをグラフ化した。テレビは季節による売行きの変化が激しく、単純な前月比よりも前年同月比の方が、全体的な出荷すう勢を推し量りやすい。


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年8月分、JEITA発表)


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年8月分、JEITA発表)

2013年8月における薄型テレビの日本国内出荷台数は39.4万台。台数そのものは年度替わりにおける特需の反動から大きく落ち込んだ4月・5月から大きな変化は無く、30万台を維持している。低迷を続けているように見えるが、季節変動を考慮しなくても済む前年同月比を算出すると、下落ぶりはこの一年でほぼ終息を迎えている感はある。

また、先月7月分では「2年ぶりに29型以下の小型テレビがプラスに転じた」と特記的に言及したが、今回月ではその小型は大きくマイナスに転じてしまった。しかし代わりに30型から36型の中型、そして37型以上の大型テレビが前年同月比でプラスに転じている。これは冒頭でも触れた通り、2011年7月のアナログ波停波に伴う「特需」の反動による下落が始まった2011年8月以降、約2年ぶりのプラスである。特に中型は10%を超えるプラス幅を示しており、注目に値する。

BDレコーダー/プレイヤーも前年同月比でプラス。こちらは記録をたどると「特需」の反動が始まった2011年9月以降では2013年2月のプラス8.7%以来6か月ぶり・2回目の事となる。中型・大型テレビのプラス化との連動性が想像される。

台数そのものと前年同月比の変化


【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2013年分対応版)】でも精査している通り、テレビは8年から10年単位で買い替えが行われている(直近では7.9年)。1年や2年程度で「地デジ特需」の反動が収まるとは考えにくい。極端な話、7年位先の需要を先取りしてしまう事例もあるからだ。

次のグラフは薄型テレビの出荷台数そのもの、そしてその台数の前年同月比を算出したものだが、「停波前特需、なかでも年末・年度末」「停波直前の特需」「停波後の年の年末に購入」の3期間で盛り上がりを見せ、それ以降は転じて軟調な動きで推移している現状が確認できる。なお今回は中型・大型テレビのプラス化を受け、その部分が分かりやすいよう、前年同月比のグラフにおいて2012年1月以降限定のものも併記した。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)(-2013年8月)


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(-2013年8月)


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(2012年1月-2013年8月)

グラフ中にも吹き出しで説明している「アナログ波停止」までは小型(青線)・中型(赤線)の方が良く売れている。特に停波による切り替えまで一年未満となった2010年末から、その傾向が強くなる。アナログ波が終了してデジタル波への移行が果たされた2012年以降は、逆に大型(緑線)が伸びはじめる。前年同月比ではいずれもマイナスだが、線の上下関係には明らかな違いが生じている。

消費者サイドの立ち位置で考えれば、「切り替え前はテレビが視聴できなくなるのが困る世帯が多く、『テレビがまったく視聴できない』状態を避けるため、とりあえず安いものでよいので1台調達」、「切り替え後は末永く使うことも考え、少々高くても大型のものを」という購入パターンが想定される。このパターンならば上記の出荷実績動向も説明が出来る。

またテレビの需要低迷に伴い価格が下がり、大型テレビの購入ハードルが下がったのも一因。「買い替えは滅多にしないしサイズの差による価格はあまりないのなら、少しでも大きいものを買おう」という次第である。

注目すべきは「前年同月比」のグラフの動向。地デジへの切り替えが果たされ、需要が大幅に減った2011年夏以降、急降下の後、マイナスが続いていた。これは直前の特需の反動が主要因。しかしその下落から「1年が経過した」2012年秋以降でも、前年同月比ではマイナスのまま。これは単に特需における計算上の反動に留まらず、中期的な需要そのものの減退が起きているのが原因。「地デジ化特需」が先取りしたテレビの需要は、数年分まで及んでいたことになる。上記にもある通り、テレビの買い替えは毎年行われるわけではなく、10年前後で果たされるからだ。

一方で前年同月比のグラフにもある通り、マイナス幅は少しずつ小さくなっている。先取りした需要の「赤字分」が少しずつ消化され、従来の状況に戻りつつある。今回月では前述の通り、中型と大型テレビが久々にプラスに転じた。小型は再びマイナス圏に戻ってしまったが、いずれも起伏がやや大きい数字の上での話であること、中期的に観れば2012年夏を転機にプラス化に向けた動きは続いており、今後の動きも期待できる。

月ごとの販売動向を経年で


最後に季節変動を考慮せずに販売動向を確認可能な、別の切り口によるグラフを生成する。これは「たばこの販売実績」の月次解説記事でも用いている、個々月の毎月動向を経年で比較したもの。毎年年度末と年末にテレビがセールスを伸ばし、その翌月は反動で販売台数が大きく落ち込み、そして2010年(赤い棒)の年末は「地デジへ切り替えラッシュ」で特需が発生している。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)(-2013年8月)

今年2013年は8月分までグラフの中身が埋まることとなったが、月単位で確認しても2010年(赤)-2011年(緑)をピークに、それ以降は減少が続いている。その一方、2011年から2012年にかけての下げ方と比べれば、2012年から2013年への下げ幅はわずかなもので、下げ止まりの時期に来た感はある(8月分は2013年が前年比プラスに見えるが、これはグラフの記述様式によるもの)。

いつまでも出荷台数が減少を継続するはずもなく、そろそろ地デジ特需の反動という足かせも終えんを迎える雰囲気がある。仮に単月で全サイズのテレビ出荷台数がプラスに転じても、その後反動、失速の可能性もあるため、しばらく様子を見た上で、「反動による低迷の終息宣言」を出すことになる。だがその時はさほど先の話でもなさそうだ。

一方、仮に「反動による低迷」が終わったとして、それ以降において薄型テレビの販売動向が漸増を継続する可能性は未知数。世帯数は増加しているが世帯構成人数は減少し、若年層のテレビ離れは続いている。良くて横ばい、あるいは再びマイナス圏で低迷する、という動きもあるかもしれない。

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