日本の高齢出産状況をグラフ化してみる:戦前分補完版(2013年)

2013/09/24 07:55

先程【日本の高齢出産状況をグラフ化してみる(2013年)(最新)】で「母の年齢別に見た出生数」「母の年齢別に見た合計特殊出生率」の2指標を用い、戦後日本における高齢出産化の状況について精査を行った。その記事の執筆直後、さらに別ルートでデータを探したところ、前者のみで5年間隔ではあるものの、戦前1925年以降の値を見つけることができた。そこで今回は「日本の高齢出産状況を-」の補完記事として、戦前分を追加した版のグラフを生成し、状況の確認を行うことにする。

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先の記事にある通り、厚生労働省公式サイト内にある人口動態調査の結果から取得した、合計特殊出生率(一人の女性が一生のうちに出産する子供の平均数)を見る限り、「20代による出産減少」「30代以上による出産増加」の現象、そして2006年以降においては高齢出産化現象が起きて、それにより合計特殊出生率が増加しているのが分かる。


↑ 母の年齢別に見た合計特殊出生率(内訳)(-2012年)(再録)

今回出生数の戦前データを取得したのは、【国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集】。ここの「IV.出生・家族計画」「表4-7」に該当する値が掲載されている。もっとも古いものは1925年で、それ以降は5年おき。ただし1945年は戦後の混乱期もあり、1947年に繰り延べ。以降1950年、1955年と通常パターンに戻っている。

これらの値を反映させた上で、先の2グラフを再構築したのが次の図。

↑ 母の年齢別に見た出生数(-2012年)(戦前込み版)


↑ 母の年齢別に見た出生数(各年全体比)(-2012年)(戦前込み版)

実は戦前においても、現在ほどではないものの高齢出産はごく当たり前の話で、しかも出生数そのものが多いことから、高齢出産による出生数は現在をはるかに上回る数となっている。例えば1925年においては一般定義に基づいた高齢出産(35歳以上の女性による出産)数は42万8299人。2012年データの26万8471人の約1.6倍にあたる。

これは【日本の平均寿命の推移をグラフ化してみる】などで解説している通り、戦前・戦中までの日本においては(他国同様)衛生面や社会インフラ、医療技術の点などで現在と比べてはるかに死亡リスクが高く、その結果平均寿命が短いがため、出産が国策的に奨励されていたことが要因(「産めよ増やせよ」「富国強兵」あたりのキャッチコピーを知っている人も多いはずだ)。また生物学的・本能の面でも、人口の維持増大のためには健康である限り高齢でも出産をするという社会的性質も後押ししていた。いわば「多産多死」の状態だったわけである。

戦後に入ってからの解説は先の記事通りで、昨今の高齢出産化は晩婚化や医療技術の進歩、社会観の変化などが要因となっている。



来年(2014年)更新分からは、先の記事と今記事を包括して1つにまとめる予定だが、今回はデータ発見のタイミング上、2つに分割しての掲載となった。人口動態絡みは戦前のデータをなかなか取得しにくく、難儀する場合が多い。今回、一部ではあるが発見できたのは僥倖といえよう。

なお「人口統計資料集」には他にも興味深いデータがいくつか確認できる。これらについても検証の機会があれば、チェックを入れていきたいところだ。

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