産経以外は前半期比マイナス、日経は2%以上の下げ率…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2013年前半期・半期分版)

2013/09/24 11:30

読売新聞社の広告ガイドページにおいて半年のペースで更新されている、日本ABC協会「新聞発行社レポート 半期」の、最新版に該当する2013年前半期分が、先日2013年9月20日付で掲載されているのが確認された。そこで今回は前回記事を更新する形で、各種データを最新のものとした上で再精査をし、主要新聞社の発行部数動向を推し量ることにする。

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読売1000万部からさらに遠のく、産経はわずかに復調


まずは最新データを元にした、主要全国紙、具体的には読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞(日経新聞)・産経新聞の計5紙の「販売部数」。【読売新聞広告ガイド】からリンクをたどり、【販売部数の公開ページ】に掲載されている、「日本ABC協会「新聞発行社レポート 半期」2013年1月-6月平均」で取得することができる。該当半年間におけるで平均値あることに注意。またこれは朝刊「販売」部数であり、夕刊は含まれない。


↑ 2013年前期における主要全国紙の朝刊販売数(万部)

かつて「販売部数1000万部超」をセールスコピーとして喧伝していた読売新聞だったが、2011年前半期でその大台を割り込み、以後減少が続いている。前半期ではわずかに増加を示し、再び大台に乗せる雰囲気もあったものの、今半期では再び減少。大台回復への道は遠のいてしまう。

読売新聞に続くのは朝日新聞、そこから約半分以下に数を減らして毎日新聞、日経新聞、そして産経新聞が続いている。各新聞社の順位は(少なくとも当サイトが今スタイルで半期ごとの精査を始めてからは)変わりない。毎日新聞と日経新聞が一番、隣接順位の入れ替えがありそうな部数関係にあるが、ここしばらくは日経新聞の下落率が大きく、それも難しい状態。

部数の下落動向はともかく、読売新聞が絶対部数の上で他紙と比べて優位にあるのは、【「東洋経済の2010年 2/20号 特集:再生か破滅か……新聞・テレビ 断末魔」】によると「ホテルなどへの営業が功を奏している」のが要因とのこと。営業方針が(実績を挙げている手法である以上)そう簡単に変わるとは思えず、今も継続しているものと推測される。

産経のみプラス、日経が大きく落ち込み


今回も前回同様、元の値を用いて複数の比較グラフを生成し、状況のより詳しい精査を行うことにする。まずは前半期との差異を比率化したもの。単純計算、半年の間にどれだけ部数が動いたかを知ることができる。


↑ 2013年前期における主要全国紙の朝刊販売数変移(2012年後期との比較)

今半期は前半期と比べると「日経新聞の大きな下げ」「産経新聞の奮闘」という要所は変わらず、読売新聞がプラスからマイナスに転じたことが大きな相違点として目に留まる程度。部数そのものは5紙の中で一番少ない産経新聞だが、少なくともこの1年では健闘している。

他方日経新聞は前半期比でマイナス2.18%と、前半期におけるマイナス1.30%からさらに下げ幅を大きなものとしてしまう。部数換算では約6.4万部/半年の減少となる。日経新聞は5紙の中でも比較的経済系における専門色が強く、手堅い部数維持ができるはずなのだが、昨今ではその「専門色」のオーラも薄れ、その結果が部数減少に現れているのかもしれない。

ちなみに単純に部数だけの減少でみても、やはり日経新聞のマイナス約6.4万部が最大の減少、次いで読売新聞のマイナス6.2万部が続く。紙媒体の新聞離れは日本に限らず先進諸国共通の傾向だが、関係者には頭の痛い話には違いない。

世帯普及率は全紙で低下


最後に世帯普及率の算出。半年前(つまり前回期)も併記し、比較ができるようにする。この「世帯普及率」とは全世帯のうち、どれだけの世帯に各新聞が届いているかを示しているもの。産経新聞なら2.85%なので、100世帯のうち約3世帯が産経新聞を定期購読している計算になる。


↑ 2013年前期における主要全国紙の世帯普及率(2012年後期との比較)

朝刊は世帯単位で定期購読されることが多く、また世帯構成員全体が目を通す可能性が高いため、今件値は単純な部数よりも新聞市場・業界のすう勢を推し量れる。これを見ても読売新聞の絶対的なポジション、そして各主要紙の動向が見て取れる。

今半期では、部数を増やした産経新聞を含め、全紙で前半期より値を落としている。これは一人身世帯の増加などに伴い、世帯数そのものが増えているのが原因。また一人身世帯の増加は、世帯における新聞の必要性を低減させるものであり(読み手が単数なのでコストパフォーマンスが低くなる、世帯収入が低くなるので可処分所得が下がり、新聞購入の余裕が無くなる)、それも新聞部数、しいては世帯普及率の減少を導く一因なのかもしれない。



この数半期の間、日経新聞の下落率が著しいのは、経済系専門雑誌の販売部数の落ち込みが激しいのと同様の理由、つまりスピーディーな情報が求められる経済分野をメインにしていることから、より速報性が高いインターネット媒体へシェアを奪われた結果による動きと考えれば、道理は通る。

一方、直上で「一人身世帯が増えたから新聞購読世帯も減っている」としたが、新聞が購読価値の高い媒体ならば、多少の無理はしててでも、他の出費を抑えてでも購入されるはず。それが成されずに、他の出費対象より低い優先順位に追いやられ、購入されない状態にあるのは、それだけ(相対的、絶対的かはともかく)「価値が低い」と見なされていることになる。これは何も日経新聞に限らず、すべての紙媒体の新聞にいえる。

スマートフォンやタブレット機の猛烈な普及に伴い、人々の情報取得のスタイルも刻々と変化を遂げている。社会の変化に伴い、その波の動きを推し量り、乗るのはもちろん、自らの地位を築き上げてきた品質を維持、さらには向上してこそ、未来は開けてくる。

各新聞社にはその気概はあるだろうか。そして結果を出しているだろうか。答えは部数動向だけが知っている。


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