順位大変動、リクルート攻勢で断トツトップに(民放テレビCM動向:2013年8月分)

2013/09/18 14:45

映像音声検索技術「AV-Maker」などを用いて取得したテレビCMのメタデータを提供するゼータ・ブリッジは2013年9月17日に、2013年8月度分となる関東民放5放送局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のテレビCMオンエアランキングを発表した。それによると同年8月でCMの放送「回数」がもっとも多かった企業・団体はリクルートホールディングスだった。企業別順位、商品別ランキングでは相変わらず携帯電話関連企業が多く、ソフト・ハード合わせて上位10品中過半数を占める状態となっている(【ゼータ・ブリッジ公式サイト】)。

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花王と興和のツートップを打ち崩すリクルート


データの取得場所の解説、各種データの意味、今件記事について関東地域のみを対象としていることに関する解説は、一連の記事まとめページ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行っている。

発表資料には「出演者ランキング」をはじめ、複数項目の切り口から見たデータが掲載されている。そのうち「企業別オンエアランキング(放送回数順位)」の上位10位を抽出したのが次のグラフ。


↑ 企業別放送回数ランキング(2013年8月、上位10位)

ここ数か月の間花王と興和(コーワ)が上位陣を独占する形となっていたが、今月はそれぞれ4位と7位に後退。放送回数を確認すると、先月から両社とも半分程度に留まっており、両社の夏季攻勢は終わりを告げた感はある。

一方で今月はリクルートホールディングスの伸びが目立つ。2位のP&Gと比較しても1000回以上もの差をつけており、グラフの形状も「群を抜く」形に。これは同社が「とらばーゆ」「fromA navi」「ゼクシィ」など同グループの各サービスのCMの大攻勢を行ったのが原因。実際テレビを見ていて「随分とリクルートのCMが増えたな」と感じた人も多いはず。




↑ リクルートの「フロム・エーナビ」CM。商品名をリズミカルに畳み掛けるコピーに、つい聞き耳を立ててしまう。【直接リンクはこちら:アルバイト情報サイト『フロム・エーナビ』有村架純CM】

毎月複数社名がランクインする携帯電話キャリアでは、KDDIが6位、エヌ・ティ・ティ・ドコモが20位、ソフトバンクモバイルが16位となった。先月に続き今月もKDDIが攻勢をかけている。一方で携帯電話向けのエンタメサービスを提供する企業は、10位にガンホー・オンライン・エンタテインメントが確認できる。8月はPSV用ソフト「ラグナロク オデッセイ エース」の出稿も多く、これが順位上昇に貢献することとなった。

これら上位10位の企業のCM出稿量に関して、各放送先のテレビ局ごとに細分化してグラフ化したのが次の図。


↑ 企業別放送回数ランキング(2013年8月、上位10位)(局別)

トップ陣常連の花王による日本テレビとフジテレビ、興和によるテレビ朝日への出稿量突出はいつもの事だが、今回最上位の座についたリクルートも、フジテレビと日本テレビへの出稿量の多さが目に留まる。提供番組のある無しが差異にあらわれているのだろう。番組中のCMそのものはもちろんだが、冒頭や終わりの際にテロップとして流されるスポンサー企業一覧をチェックし、その傾向を推し量るという、テレビ視聴の楽しみ方も一興かもしれない。

携帯大攻勢、気になるサービスも登場した商品別


企業別の区切りとは別に、個別商品別に見たランキングは次の通り。上記でも触れた通り、携帯電話事業会社大手の中では今月も攻勢を続けているKDDIのCHANNEL auが、第2位以降から群を抜く形で最上位についている。


↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年8月)

KDDIの「CHANNEL au」とは架空のTV局を舞台に設定したCM。多種多様な内容のものを展開しており、それらをまとめて「CHANNEL au」でカウントしているのも、上位についている一因。とはいえ同社がこのプロジェクトに相当のリソースをつぎ込んでいるのも事実である。

さらにKDDIはそれとは別に、「au lovers」としてジブリとのタイアップ的なCMも展開している。これはスタジオジブリの最新作『風立ちぬ』を応援しているとのことで、それに絡めた企業イメージ的なCM。知名度の高い、タイムリーなネタとの連動CMとして、多くの人が見入ることとなった。


↑ au loversのCMの一つ(公式映像)。

また今回の商品別ランキングでは、過去のランキングでは見慣れない名前「カーニバル・ジャパン(プリンセス・クルーズ)」が目に留まる。これは客船運航会社の日本法人による、船旅プランの紹介。優雅な船の旅を容易にイメージできるよう、オードリー・ヘプバーンと共に絢爛なビジュアルを次々と紹介している。




↑ プリンセス・クルーズのCMの一つ(公式映像)。【直接リンクはこちら:横浜タイプ プリンセス篇(30秒) 】

中堅層やシニアに向けて、ご褒美的な「優雅なひと時」の提案商品のアピールとしては、魅力的な内容といえる。ターゲット層がよく認知しているオードリー・ヘプバーンを用いたのもポイントが高い。

花王と興和の後退からも分かるように、テレビCM界隈では夏季の攻勢は終わりを告げている。今後は秋・冬に向けた動きが見られることになるが、直上の「プリンセス・クルーズ」のような行楽系のものが増えてくるのだろうか。また、競争激化が容易に予想される携帯電話事業会社の動きにも注目したいところだ。


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