アルゼンチンは80%に近づく、ポルトガル上昇の動き…(国債デフォルト確率動向:2013年9月)

2013/09/15 15:00

債券の危険性を示す指針「CDS(Credit default swap)」を基に算出された、国・地域の国公債におけるデフォルト確率を示すのが「CPD」。当サイトでは主要国、中でも財政・債務のリスクが高い国々の動向、経済情勢の目安の一つとして、毎月定期的(月半ば)にこの「CPD」の上位国の動向を確認している。今回は本日、2013年9月15日に取得した値をグラフ化し、現状の精査を行うことにする。

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CDSや、国公債のデフォルト確率を表す言葉CPD(5年以内のデフォルト可能性を示す)の詳しい定義、今件データの取得場所、各種概念の説明は記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で行われている。そちらで確認のこと。

今グラフは日本時間で2013年9月15日、先程取得したばかりの一番新しいデータをもとに作成したもの。前回月も値が取得できた国・地域は前回値を併記している。今回は全国・地域が前月からの継続となったため、前月分が存在しないことを意味する「NO DATA」は無い。


↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2013年9月15日時点)

ここ数年来当事国だけでなく周辺各国、小さなものまで含めればそれこそ全世界に影響を与えている、欧州地域を対象とした債務問題は、この一、二年の間に最大の山場を越え、少なくともこれ以上の状況の悪化は避けられる感が強い。これは該当各国はもちろんだが、それらを包括する欧州委員会、ECB(欧州中央銀行)などの組織が、幾度となく対応せざるを得なかった実務を経て経験を積み重ね、対処法を修得し、その知識を各施策に対応しているからに他ならない。

さらに今年前半あたりから明確化された、IMFなどによる「縮小財政政策一本槍」の方針が転換されたことをトリガーとし、対象国の多くが「緊縮財政のみに固執するより、成長への道筋とリストラクチャリングの同時進行」にかじ取りを変えたことも大きな要因。過激で過度の財政再建は、財務の再建どころか国そのものを縮退させてしまうことに、(複数の経験則を経て)ようやく気が付いたことになる(もっとも債務国自身と、それを援助する国との間の認識の隔たりは大きい)。

数か月前までは最上位国として毎月他国に数十%ポイントもの差をつけていたギリシャだが、今回もポジションは第4位。しかもCPD値は減少傾向にある。これは同国のGDPなどの経済指標の下落傾向が緩やかになり、回復の兆しを見せ始めたのを起因とする。無論失業率は高いままだが、先行きは少なくとも昨年と比べれば明るいように見える、と市場では判断している。



↑ ギリシャ内部では多分に楽観視する向きがあるが、特に支援する側のドイツからの懸念も小さくないことを伝える報道映像。【直接リンクはこちら:Greek bailout debate rolls on - economy】

他方気になる動きとしては、他国がやや減少、あるいは横ばいの動きを示しているのに対し、ポルトガルが大きな上昇を見せているのが挙げられる。また先月突如登場したプエルトリコも、他と比べれば上昇幅は大きい。前者は9月13日にユーロ圏財務相会合が、ポルトガルが提示していた財政赤字削減目標の緩和化を拒否したことなどを受け、同国の国債利回りが上昇したことに連動するものと考えられる。

他方プエルトリコだが、再生可能エネルギーに活路を見出すべく四苦八苦をしているものの、財務的には破たんに近い状況が続いており(2009年3月に一度財政破たん宣言がなされている)、債務危機状態が続いている。同国(地域)はアメリカの自治領であることから、先日破産申請をしたアメリカのデトロイトのようなパターンを歩むのかもしれない。



日本はCPD上位を示す上記グラフにその名前は無いものの、他国同様CPD値は算出されている。これは四半期ペースで公開されるCMD Visionのリスクレポートの最新版(【CMA Release Global Sovereign Credit Risk Reportの一覧ページ】)で確認でき、それによればCPDは6.2%で、順位は低い方から数えて19位。前四半期の2013年第1四半期の6.0%・20位と比較した場合、状況はやや悪化、相対順位はやや改善と解釈できる。詳しくは解説記事の【数か国で順位変動、日本は順位改善・数字はやや悪化(国債デフォルト確率動向:2013年2Q)】参照のこと。

最後に、欧州の財務状況に深い連動性を示すユーロ動向の確認をしておく。この一、二か月は大きな動きも無く(シリア情勢でやや変動したが)、1ユーロ130円台での推移が続いている。


↑ ユーロ変移(対円、終値、2011年1月3日-2013年9月13日)

債券リスクを反映するCPDは、経済情勢を推し量る重要な要素の一つ。不特定多数の専門家の思惑を経て(市場原理も多分に作用するが)決定づけられた値であり、さらにその値を見て各種判断を示す人も少なくない。

今後も引き続き、CPDの動向を通して、欧州方面、さらにはそれと深い関わり合いのある地域の経済的動向を眺め見ることにしよう。

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