推計約70万人、理由は職場になじめない・病気・就活失敗…ひきこもりの現状をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/06/16 05:00

内閣府では2016年5月31日付で、「子供・若者白書(旧青少年白書)」の最新版となる2016年版を、専用サイト上にて公表した。その白書においては、若年層を中心に各種公的調査の結果を取りまとめ、多方面から若年層の現状を分析・報告し、行政の各種施策なども紹介している。今回はその中から、いわゆる「ひきこもり」について、その実態の確認をしていくことにする(【発表リリース:子供・若者白書(旧青少年白書)について】)。

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次のグラフは内閣府が2010年に実施した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」を一次データとするもの。同調査はそれ以降現時点に至るまで同様のものは行われておらず、これが最新のものとなる。それによれば15歳から39歳を対象とした調査対象母集団において、狭義での引きこもり認定者率は0.61%、広義では1.79%という結果となった。

↑ ひきこもり該当定義内容と該当世代全体比(15-39歳対象、該当状況において半年以上継続している人のみカウント)
↑ ひきこもり該当定義内容と該当世代全体比(15-39歳対象、該当状況において半年以上継続している人のみカウント)

↑ ひきこもり該当定義内容と推計人数(万人)(15-39歳対象、該当状況において半年以上継続している人のみカウント)
↑ ひきこもり該当定義内容と推計人数(万人)(15-39歳対象、該当状況において半年以上継続している人のみカウント)

単純に人口推計と合わせて換算すると、狭義ひきこもり数は23.6万人・広義は69.6万人となる。ただし「ひきこもり」の定義にはグラフにある通り「普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からもほとんど出ない」「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する(広義ひきこもり対象者)」などいくつかの段階区分があり、注意が必要となる。

さらに調査における非回答者(調査は調査員による訪問留置・訪問回収。5000人中有効回収数は3287人)には多分に該当者が居るものと思われるため、実態としてはもう少し上回ると考えた方が良い。

一方、グラフ中の注意書きにもあるが、心身的な病気によるもの、自宅就労者、家事手伝いなどをしている者は今回の「ひきこもり」には該当しない。例えば花嫁修業中の人、SOHOスタイルで働いている人は対象外となるので注意が必要。

ひきこもり状態に陥るのには何らかの原因があるはずだが、それを尋ねた結果が次のグラフ。3大理由は「職場になじめない」「病気」「就活失敗」である。

↑ 現在の状況(ひきこもり)になったきっかけ(複数回答)
↑ 現在の状況(ひきこもり)になったきっかけ(複数回答)

学校関連でのつまづきは(相対的ではあるが)少なめで、むしろ就業における問題や病気によるところが多い。また「その他」の事例が1/4を占めていることから、「ひきこもり」化するトリガーが一様では無く、人により多種多様なものであることがうかがえる。あるいは匿名による調査であっても他人には語ることが難しい理由や、具体的な言語化には難儀する「もやもやとした心境」によるものもあるのだろう。

今調査の詳細は【若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)】にあるが、それを確認する限り、個々の人物的な資質の積み重ねと、何らかの大きなきっかけが相互作用した結果、ひきこもり化したパターンが多いように見受けられる(例えば「ひきこもり」対象者はそれ以外の人と比べ、自分の感情を表に出すのが苦手な人が圧倒的に多い)。見方を変えれば、たとえ資質があったとしても、きっかけを乗り越えることができれば、ひきこもり化は避けられる可能性が多分にある。

無論それには個々の対象者自身だけでなく、保護者をはじめとした周囲のサポートが必要なのは言うまでもない。


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