トラブル経験者ほどネットリスク対応能力に長けている…高一の場合

2013/09/20 07:55

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総務省は2013年9月3日付で2013年度版「青少年のインターネット・リテラシー指標など」を発表したが、それによると高校一年生から成る調査対象母集団では、インターネット上のリスクに関して、実際にネット上のトラブルに遭遇した経験を持つ人の方が、無い人よりも高い対応能力・知識を持つ傾向にあることが分かった。自分の経験則を活かし、今後の利用に役立てているようすがうかがえる(【発表リリース:「平成25年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」の公表】)。


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今調査は2013年6月から7月にかけて全国24の公立・私立の高等学校において、合計3512名の高校一年生を対象に行われた。男女比は2041人対1420人(不明51人)。一方、今調査結果で用いられている「ILAS指標」に関しては先行記事の【高一のネット安全利用知識、スマホのみの利用者は低い傾向】を参考のこと。一言でまとめると、この指標が高い人ほど、インターネット・リテラシー(正しく、安全に使うための能力)に長けていることになる。

パソコン経由にせよスマートフォン経由にせよ、ネット上のトラブルは回避するに越したことはない。ILAS指標が高いほど、そのためのノウハウ・情報を備えており、避けられる可能性も高いことになる。そこで指標全体と主要3項目に関して、インターネット上での具体的なトラブル(自分のパソコンがウイルスに感染した、有害コンテンツにアクセスしてしまった、有料ゲームで自分の想定以上に課金をしてしまった、私生活に乱れが生じる程長時間アクセスしてしまったなど)の経験の有無で区分して、ILAS指標の平均値を算出したのが次のグラフ。


↑ インターネット上のトラブル経験の有無別ILAS指標

項目別で多少の格差はあるものの、押しなべて経験を有する人の方が無い人よりも、高い指標値を示している。つまり経験則がネットトラブルへの予防・対応策を充足させ、インターネットを正しく、安全に使う能力を鍛えさせたことになる。

この結果を受けて報告書では「トラブル経験がリスク対応能力を高めると想定されるので、実際にネットを使いながら学ぶ(、そしてリスクを実体験する)ことが有効」「その際には保護者などの適切な指導や学習機会の提供が重要」とある。実経験が成長の糧(かて)となるのは何もインターネット・リテラシーに限った話では無く、今件の結果も当然至極といえる。

一方で、適切な指導・対応が出来る人をそばに起きながら、リスクの発動を実体験してもらう環境の整備は(特に人員と予算確保の点で)難しい。だからといって、個人個人が責任を追ってもらう形で放任的な環境下で実体験してもらったのでは、そのミスで一生を棒に振るようなトラブルに巻き込まれる可能性もある。初期投資が大きなものになるが、一部の自動車教習所で整備されているような、実際の操作感覚と何ら変わらない状況で疑似体験できるシミュレーターを整備するのも、一つの手ではないだろうか。


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