高一のネット安全利用知識、スマホのみの利用者は低い傾向

2013/09/09 15:45

総務省は2013年9月3日付で、2013年度版「青少年のインターネット・リテラシー指標など」の発表を行った。その内容によれば高校一年生で構成される調査対象母集団では、インターネットを安全に利用する際には欠かせない知識、セキュリティに関する常識を把握している度合い「ILAS指標」において、概してPC(パソコン)をインターネット接続にもっとも使っている人の割合は高く、携帯電話やスマートフォン、ゲーム機などを最多利用機器としている人の割合は低めであることが分かった。特にスマートフォンのみを使っている人の値は低い結果が出ている(【発表リリース:「平成25年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」の公表】)。

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今調査は2013年6月から7月にかけて全国24の公立・私立の高等学校において、合計3512名の高校一年生を対象に行われた。男女比は2041人対1420人(不明51人)。

今調査では青少年がインターネットを安全・安心して適切に用いるための能力、知識を意味する「インターネット・リテラシー」を会得しているか否かを推し量るため、ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)指標なるものを採用している。これは「違法有害情報」(「違法情報リスク」「有害情報リスク」)「不適正利用」(「不適切接触リスク」「不適切取引リスク」「不適切利用リスク」)「プライバシー・セキュリティ」(「プライバシーリスク」「セキュリティリスク」)の大項目で3区分、小項目で7項目に区分した要件についてテストを行い、その適用度を数字化して、インターネット・リテラシーの取得度合いを確認するというもの。調査対象母集団では49点満点で平均点は33.8点、100点満点換算で約69点との結果が出ている。

このILAS指標について、総合点と大項目の3区分に関し、先の【高一のスマホ保有率は84%、ネット接続への最多利用率も75%】で挙げた、「インターネットに接続する際、もっともよく利用する機器」別に再集計を行った結果が次のグラフ。


↑ インターネットに接続する際、もっともよく利用する機器別ILAS指標

PCをもっともよく使っている人が一番指標が高い、つまりリスクに対する認識や対応能力に長けている。これは多分に保護者をはじめとした周辺の人達から教えを乞いながら利用する機会が多いことから、必然的に知識を身に着けることが出来たのが最大の要因だと考えられる。また、インターネットへのアクセスが気軽に、安価で出来るようになったのはPCが一番早いため、回答時の高校一年生の時点よりかなり前に、PC経由でインターネットを利用し、経験を積んでいることも想定されよう。

一方、一般携帯・PHS、スマートフォン、ゲーム機それぞれを最多ネットアクセス機器としている人は、その順に指標が低くなっていく。「ゲーム機が最多アクセス機器」の人の指標が低めなのは、「ゲーム機を用いたアクセスだから、ウイルスなどの心配は無いだろう」という油断によるところも一因として考えられる。

「ゲーム機のみ」「PCのみ」という他機種単独での回答が無く、単純比較が出来ないのが残念だが、資料では「インターネットへのアクセス機器はスマートフォンしか持っておらず、当然スマホが最多ネットアクセス機器になる」人の指標も書かれており、これが極めて低い値を示している。他の機種を持ち合わせていない・利用していないということは、ほとんどの人がこれまでにPCや一般携帯などでインターネットにアクセスした経験が無く、「はじめてのネット体験は自分のスマホ」であることが考えられる。過去に実体験が無い以上、経験則によるインターネット・リテラシーの修得機会は無く、ILAS指標が低い値を示すのも致し方ない。

問題なのは、スマートフォンはPC並に充実した機能を用いてインターネットにアクセスでき、手軽さの点ではPC以上の面も多く持ち合わせていること。そのような「気軽にサクサク、本格的なインターネット」の環境でアクセスしているにも関わらず、リスク認識や対応能力が低い状態では、当然トラブルに巻き込まれるリスクは高いものとなる。今件資料で「スマートフォンに関するリテラシーの向上が急務」とあるのも納得がいく。

無論これは、今回の調査対象母集団となる高校一年生を代表とする青少年に限った話では無い。スマートフォンを利用する人すべて、特にスマートフォンではじめて本格的かつ個人的なインターネットへの接続環境を有する人に共通する話ではある。

一方、昨今の若年層における「炎上」騒動も、その起因の一つに今件で指摘されているリテラシーの低さがあると考えれば、道理は通るというものだ。

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