主要国の高齢化予想をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/08/30 09:30

先行記事【国連予想による日本の2100年までの人口推移をグラフ化してみる】などで、国連の事務局経済社会局の人口部局が発表している人口統計学的な推計データを元に、主要国の2100年までにおける人口推移をグラフ化し、状況の精査を行った。この値を元に、今回は高齢化を示す2つの指標「老年人口指数」「従属人口指数」を算出し、各国の高齢化動向を推し量ることにする。

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「老年人口指数」「従属人口指数」言葉の定義


まずは言葉の定義について。厚生労働省の統計結果調査ページ(【厚生統計に用いる主な比率及び用語の解説】)を元に、主要用語に関する定義を箇条書きにしておく。

年少人口…0-14歳
生産年齢人口…15-64歳
老年人口…65歳以上

老年人口指数…(老年人口/生産年齢人口)×100
従属人口指数…((年少人口+老年人口)/生産年齢人口)×100

「老年人口指数」は単純に、生産に従事する人に対する高齢者の比率。この値が高いほど、生産者の高齢者に関する負担が大きくなる。100に達すると生産年齢人口が老年人口と同じになる。

また、生産をする・しないで考えると、高齢者以外に年少人口に該当する人たちも生産は行えない。実質的には生産年齢人口は、年少人口と老年人口の双方を支えることになる。この点に注目した指数が「従属人口指数」。この値が大きいほど、非生産人口を支える、生産年齢人口の総合的な負担が大きくなる。

「老年人口指数」「従属人口指数」主要国の推移を比較する


それでは早速、各国別に算出した各指数を重ね合わせ、国別の高齢化状況を比較するグラフを生成する。まずは「老年人口指数」について。単純な高齢化の進行を推し量るのに適している。

↑ 主要国老年人口指数推移推計
↑ 主要国老年人口指数推移推計

↑ 主要国老年人口指数推移推計(2015年、2100年)
↑ 主要国老年人口指数推移推計(2015年、2100年)

日本の高齢化が他国と比べて飛びぬけて高い水準で進んでいることは、先の記事でも触れているが、それがあらためて認識できる。その日本の高齢化も、大体2050年から2055年頃がピークとなり、以後は漸減。指数は70前後で落ち着くことになる…とはいえ、同年における他国と比べれば、非常に高い値には違いない。

他国の動向としては、中国の急速な高齢化が目に留まる。2015年時点では10強でしかなかった指数は2060年頃まで急速に上昇。60を天井とし、ようやく高齢化に歯止めがかかるように見えるが、2075年頃からもう一段階上昇し、65前後にまで伸びて日本の値に近づく状況となる。人口の多さでは中国と並び注目されるインドやインドネシアは、高齢化の動きも緩やかなもので、一定率でしか上昇しない。また「日本の高齢化とスタイルが似ている」と先の記事で指摘したイギリスだが、「老年人口指数」上では緩やかながらも上昇を続け、2100年には50を超える値を示すようになる。

続いて「従属人口指数」。単に高齢化社会の進行を確認するのではなく、生産年齢人口の負担を考える視点では、こちらの方が理解しやすい。

↑ 主要国従属人口指数推移推計
↑ 主要国従属人口指数推移推計

↑ 主要国従属人口指数推移推計(2015年、2100年)
↑ 主要国従属人口指数推移推計(2015年、2100年)

国別順位や各国ベースでの動向において「老年人口指数」と大きな違いはないように見えるが、「インドネシア」「インド」の2か国では少々違いが見られる。2030年位まではむしろ「従属人口指数」の値が低下している、つまり生産年齢人口の負担が減っている。

これはひとえに両国において、2030年前後までは生産年齢人口が急激に増加し、年少人口や老年人口の上昇率を上回っているからに他ならない。支える側の人数が増えるので、一人あたりの負担が減る次第である。

単純計算ではそれだけ国全体、特に生産年齢の人達に余裕が出来るので、国そのものの成長が期待できる(無論人口比率や人口そのものの大小が、国そのものの伸縮を決定づけるすべての要因ではないが)。



先の記事でも触れているが、今回使用した国連の推定データは、定期的に最新のものに挿し代わり、場合によっては小さからぬ変化が生じることになる。実際、前回(2012年版)との間では、特に中国やイギリスの高齢化で大きな変化が確認できる(中国では高齢化が加速化しており、イギリスでは穏やかなものとなっている)。今後も随時新規データを取り込んでグラフを生成し、各国の動向を世代比率から推し量ることにしよう。


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