尖閣諸島問題に関心が無い人は1/4、理由は「生活に影響無し」「知る・考える機会が無かった」(2014年)(最新)

2014/12/28 12:16

内閣府は2014年12月25日付で、尖閣諸島に関する世論調査の結果(概要)を発表した。その内容によれば「尖閣諸島」について関心がある人は7割を超えていることが分かった。具体的関心内容としては「我が国の尖閣諸島に対する領有権の根拠」や「歴史的経緯」が上位を占めている。一方、関心が無い人ではその理由として「自分の生活にあまり影響が無い」「知る機会や考える機会が無かった」とする意見が多数を占めていた(【内閣府:世論調査(附帯調査)(全調査)一覧ページ】)。

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尖閣諸島問題に関心がある人は7割超


今調査は2014年11月13日から23日にかけて、全国20歳以上の日本国籍を有する人3000人に対し、調査員による個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は1826人。

先の【尖閣諸島そのものの認知度92%、「日本が有効支配・領有権問題存在せず」は48%】にもある通り、尖閣諸島は行政的には沖縄県に属しており、国際法上も歴史的にも日本国有の領土。だが東シナ海で石油埋蔵の可能性があることが指摘されてから、中国や台湾が領有権を主張し始め、外圧や実力行使を繰り返す事態が続いている。

その尖閣諸島について関心があるか否かを聞いたところ、強い関心を持つ人は38.0%、どちらかといえば関心がある人は36.5%となり、合わせて74.5%が「関心派」という結果が出た。

↑ 「尖閣諸島」について関心があるか
↑ 「尖閣諸島」について関心があるか

逆にどちらかといえば関心が無い人は15.6%、強く関心が無い人は8.3%となり、合わせて23.9%が「無関心派」に属する形となった。先の記事「尖閣諸島そのものの認知度92%…」にもある通り、今調査対象母集団における尖閣諸島そのものの認知度は92.3%なので、「尖閣諸島を知っているが、興味関心は無い」人が約2割は居る計算になる。

前年度の調査結果と比較すると、関心派の増加、非関心派の減少が確認できる。もっとも関心・非関心双方とも強い意志を持つ人の割合が増えており、関心派が増加する中でそれぞれの意志の強まりが起きている感はある。

関心内容は「領有権根拠」「歴史的経緯」、では無関心理由は?


「関心派」「無関心派」それぞれにつき、その内容・理由を尋ねた結果が次以降のグラフ。まずは「関心派」の関心内容だが、「我が国の尖閣諸島に対する領有権の根拠」を挙げる人がもっとも多く、60.3%という結果となった。

↑ 「尖閣諸島」への関心内容(複数回答、関心がある派限定)
↑ 「尖閣諸島」への関心内容(複数回答、関心がある派限定)

次いで「歴史的経緯」や「日中関係に与える影響」「日本及び中国・台湾以外の各国・地域の態度」が続く。見方を変えれば今件問題に関して広報・啓蒙・公知を行う場合、これらの要件に重点を置いて情報を配信すれば、多くの「知りたい」「確認したい」との需要に応えることができることになる。

また「他の人の意見や考え」「研究成果・論文」への回答値が低いのにも注目したい。ここからは他の個人やグループなどの主張や意見に興味は無く、関連問題における事実、実情を知りたい、興味があるという、関心派の認識が透けて見える。

昨年からの変化を見ると、「これまでの報道内容」「位置や形状、自然環境」などで大きな増加が確認できる。調査時期がくだんの中国漁船によるサンゴの盗取問題が大きな社会問題化していた頃でもあり、連想する形で想起が成されたものの、「これまでどれだけ報じられてきたのか」との疑問が生じた面もあったのだろう。

一方、「無関心派」が関心を示さない理由として挙げたのは「自分の生活にあまり影響が無い」で、55.2%。次いで「尖閣諸島に関して知る機会や考える機会が無かった」が35.9%と続いている。

↑ 「尖閣諸島」に関心が無い理由(複数回答、関心が無い派限定)
↑ 「尖閣諸島」に関心が無い理由(複数回答、関心が無い派限定)

国レベルでの事象である尖閣諸島に関する事案だが(日本国としては「尖閣諸島に関する領有権の問題」そのものがそもそも論として存在しないという見解であることに注意)、一人一人の立ち位置から見れば、直接生活には関係の無い範ちゅうの話と受け止められるのも無理は無い。

ただしこれは周辺海域の施政権にも関わる問題となり、対応次第では同諸島以外の問題にも連鎖反応が生じるリスクも大いにある(東シナ海ガス田問題が好例)。要は「尖閣諸島だけの問題で、自分の日常生活には影響が無い」と回答者が考えているに過ぎない、見方を変えれば回答者の認識・情報が不足していることになる。この点では第2位の回答「尖閣諸島に関して知る機会や考える機会が無かった」も近しいものとなる。

第3位以降の「内容が難しい」「紛争や武力衝突など負のイメージを連想する」は、個々の心境・性質によるところもあり、仕方のないものとの判断もできる。しかし第1位・第2位の理由は、多分に啓蒙・情報公知不足によるところが大きい。

具体的要目で回答率が減り、「内容が難しい」の項目が増えていることから、情報収集をしたものの、その内容に難儀して関心を失った事例が増加している可能性がある。これらの動きもあわせ、今調査の調査要目にある「(調査目的として)尖閣諸島に関する国民の意識を調査し、今後の施策の参考とする」を誠実に、そして確実に実行することを期待したい。


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