総計37.5万台、小型は2年ぶりにプラスへ(薄型テレビ出荷動向:2013年7月分)

2013/09/02 08:45

2013年8月27日、電子情報技術産業協会(JEITA)は同協会公式サイトで【民生用電子機器国内出荷統計】の最新値となる2013年7月分のデータを発表した。その公開値によれば2013年7月の薄型テレビの出荷台数は37.5万台となり、前月比ではマイナス12.4%、前年同月比ではマイナス9.4%という結果になった。また29型の小型テレビに限れば、2011年8月以降前年同月比マイナスが続いていたが、今回月では久々にプラスに転じることとなった。

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純粋出荷数、前月・前年同月比


データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意や、「出荷数」の定義については一連の記事の集約ページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】にまとめている。そちらを参考にしてほしい。

最初に算出するのは、純粋な出荷台数。直近2013年7月分の出荷台数、そして過去の公開値を基に前月比・前年同月比を当方で算出し、それぞれをグラフ化したもの。テレビは季節による売行きの差が激しく、単純な前月比よりも前年同月比の方が、全体的な出荷すう勢を推し量りやすい。


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年7月分、JEITA発表)


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年7月分、JEITA発表)

2013年7月における薄型テレビの日本国内出荷台数は37.5万台。台数そのものは年度替わりにおける特需の反動から大きく落ち込んだ4月・5月とさほど変わりはない。大きな低迷のようだが、季節変動を考慮しなくても済む前年同月比を算出すると、落ち込み具合はやや大人しいように見える。

また、先月6月では「購入性向が大型化したため、敬遠されつつある小型の29型以下における下落が著しい」と言及した小型テレビが、久々にプラスの領域に。冒頭でも触れた、2011年7月のアナログ波停波に伴う「特需」の反動が始まった2011年8月以降、約2年ぶりにプラスを示すこととなった。わずか3.4%ポイントと誤差の範囲とも受け止められるが、プラスを示したことには違いない。

なおそれ以上の大型機種区分でも2011年8月以降はすべて前年同月比でマイナスを継続しており、今回の「小型のプラス化」は、小型区分だけでなく、薄型テレビの全区分において、地デジ特需終了後初めての出来事となる。

台数そのものと前年同月比の変化


【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2013年分対応版)】でも解説しているが、テレビは8~10年単位で買い替えが行われている(直近では7.9年)。1年や2年では「地デジ特需」の反動が収まるとは考えにくい。

次のグラフは薄型テレビの出荷台数そのもの、そしてその台数の前年同月比を算出したものだが、「停波前特需、特に年末・年度末」「停波直前の特需」「停波後の年の年末に購入」の3期間で盛り上がりを見せ、それ以降は軟調な動きで推移している現状が確認できる。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)(~2013年7月)


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(~2013年7月)

グラフ中にも吹き出しで記した「アナログ波停止」までは小型(青線)~中型(赤線)の方が良く売れている。特に停波による切り替えまで一年を切った2010年末から、その傾向が強くなる。アナログ波が停波となり、デジタル波への切り替えが済んだ2012年以降は、逆に大型(緑線)が伸びを見せはじめる。前年同月比ではいずれもマイナスには違いないものの、線の上下関係に明らかな違いが生じている。

この動きを説明するコメントは資料には無いが、消費者サイドの立ち位置で想像してみると、「切り替え前は『テレビがまったく視聴できない』状態を避けるため、とにかく1台調達。安い物でも観れれば良い」、「切り替え後は末永く使うことを考え、少々高くても大型のものを」と考えれば、納得は行く。さらにテレビの需要低迷に伴い価格が値を下げ、大型テレビの購入ハードルが下がったのも一因だろう。「買い替えは滅多にしないことでもあるし、どの道買うのなら、少しでも大きいものを」という次第である。

注目すべきは「前年同月比」のグラフの動向。地デジへの切り替えが果たされ、需要が大幅に減った2011年夏以降、マイナスが続いている。これは直前の特需の反動が主要因。しかし「1年が経過した」2012年秋以降でも、前年同月比ではプラスに転じていない。これは単に2011年までの特需の、計算上の反動に留まらず、中期的な需要そのものの減退が起きている状況を反映している。つまり「地デジ化特需」が先取りしたテレビ需要は、1年分では無く数年分まで及んでいたことになる。

一方で前年同月比のグラフにもある通り、マイナス幅は少しずつ小さくなっているのも事実。先取りした需要の「赤字分」が少しずつ吐き出され、従来の状況に戻りつつある。今回月では前述の通り、ややイレギュラーな動きをしているが、29型以下のテレビが前年同月比でプラスを示すことになった。来月以降も同じ動きを見せるようであれば、以前推測した「早ければ夏以降に出荷台数は前年同月比でプラスマイナスゼロ領域にまで回復するかもしれない」状況に移行することになる。

月ごとの販売動向を経年で


最後に季節変動を考慮せずに販売動向を確認できる、別の切り口によるグラフを生成する。これは「たばこの販売実績」記事でも用いている、個々月の毎月動向を経年で比較したものである。毎年年度末と年末にテレビが売れ、その翌月は反動で販売台数が大きく落ち込む流れ、そして2010年(赤い棒)の年末は「地デジへ切り替えラッシュ」で、非常に大きな特需が発生している。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)(-2013年7月)

今年2013年は7月分までグラフの中身が埋まることとなったが、月単位で確認しても2010年(赤)-2011年(緑)をピークに減少が続いている。その一方、2011年から2012年にかけての下げ方と比べれば、2012年から2013年への下げ幅は小さく、そろそろ下げ止まりの時期に来たのでは、という雰囲気は感じられる。

いつまでも出荷台数が減少を継続するはずは無い。前年同月比のグラフからも分かる通り、そろそろ地デジ特需の反動という足かせも終えんを迎えそうだ。「「地デジ特需」が何年分まで需要を先取りしたのか」についての結論も出せそう。

ただしその後、薄型テレビの販売動向が伸びを見せるか否かについては、正直不透明。世帯数そのものは増加しているが、若年層のテレビ離れは続き、また世帯人口数の減少に伴い世帯当たりのテレビ台数も減少の一途にある。良くて横ばい、下手をすると再びマイナス圏で低迷する、という動きも無いとは言い切れないのが現状である。

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