花王・コーワのツートップ続く、KDDIが奮戦(民放テレビCM動向:2013年7月分)

2013/08/29 08:45

映像音声検索技術「AV-Maker」などで取得したテレビCMのメタデータを提供するゼータ・ブリッジは2013年8月27日付で、2013年7月度分の関東民放5放送局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のテレビCMオンエアランキングを発表した。その公開値によれば、7月でCMの放送「回数」がもっとも多かった企業・団体は花王だった。企業別順位、商品別ランキングでは携帯電話関連企業、そしてトイレタリーや飲料など夏向け商品を展開する企業が大きな比率を占めている(【ゼータ・ブリッジ公式サイト】)。

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花王と興和のツートップ継続、KDDIがそれに続く


データの取得場所の解説、各種データの意味、今件記事が関東地域のみを対象としていることに関する説明は、一連の記事まとめ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行っている。そちらで確認してほしい。

発表資料には「出演者ランキング」など複数項目の切り口から見たデータが掲載されている。そのうち「企業別オンエアランキング(放送回数順位)」の上位10位を抽出したのが次のグラフ。


↑ 企業別放送回数ランキング(2013年7月、上位10位)

花王は元々テレビCMの出稿量が多い企業として知られている。数年前までは季節に合わせてその出稿量を調整していたが、この数年では季節の差異無く大量の出稿量が確認されている。広報宣伝活動における経営戦略に変化が生じたのかもしれない。今回は回数こそ先月分から減ったものの、他企業を超える量には違いなく、再びトップの座についた。一方興和(コーワ)は先月とほぼ変わらずの値で、順位も第2位で変化なし。ただし花王との差は大いに縮まっている。

今や上位陣常連となり、業界の勢いをそのまま表している感のある携帯電話向けサービス事業会社では、KDDIが3位、エヌ・ティ・ティ・ドコモが圏外(21位以下)、ソフトバンクモバイルが15位となった。他の2社が落ち着いた動きを示す中、KDDIが猛烈な攻勢をかけているのが分かる。

携帯電話向けのエンタメサービスを提供する企業としては、13位にディー・エヌ・エーが確認できる。7月はやや落ち着いた出稿量のようだ(ただし商品単品ベースで算出すると上位に顔を見せていることから、リソースの集中を図っているのかもしれない)。

今回月は夏真っただ中ということもあり、携帯系以外では夏期用商品を展開する企業の顔触れで上位が占められている。花王や興和、P&G(プロクター&ギャンブルジャパン)のようなトイレタリー商品を発売する企業、また日本コカ・コーラやサントリー酒類のような飲料系企業が名前を連ねている。

さらにこのランキングでは珍しく、日本マクドナルドが10位に入っているが、これは【通常の2.5倍のビーフパティ「クォーターパウンダー」から「BLT」「ハバネロトマト」が登場】などでも紹介している、 本田圭佑氏が出演する「クォーターパウンダー」シリーズの新メニューなどへの攻勢によるもの。


↑ クォーターパウンダー「BITE!篇」(公式映像)。

これら上位10位の企業のCM出稿量に関して、各放送先のテレビ局ごとに細分化してグラフ化したのが次の図。


↑ 企業別放送回数ランキング(2013年7月、上位10位)(局別)

トップの花王は日本テレビとフジテレビ、第二位の興和はテレビ朝日への出稿量が突出している。先月言及した、興和のテレビ朝日への一「局」集中化は変わるところが無く、トップの花王における出稿量がやや抑え気味になったことから、さらに目立つ形となった。

他方、KDDIや日本コカ・コーラのように、偏在することなく全5局にそれなりの量を出稿する企業も少なくない。専属的な提供番組のある無し、公知商品とテレビ局や番組との相性の問題もあるのだが、個々の企業の特性が見えるようで興味深い。また、興和やKDDI、ハウス食品のような上位企業でテレビ朝日の出稿量が多い状況と、先日記事にした【主要テレビ局の複数年に渡る視聴率推移をグラフ化してみる(2013年)(最新)】でテレビ朝日が視聴率の上で復調を見せている状況の関連性を推し量るのも面白そうだ。

商品別ではKDDIが大攻勢


企業別の区切りでは無く、個別商品別に見たランキングは次の通りとなる。上記でも触れたが、携帯電話事業会社大手3社のうち、今回月では唯一大きく飛躍しているKDDIが、第2位以降から群を抜く形で最上位についている。


↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年7月)

KDDIの「CHANNEL au」とは以前紹介したように、架空のTV局を舞台に設定したCM。該当月では同社は通信障害などのトラブルが相次いでいたが、同時に料金割引のキャンペーンをはじめとした各種施策の展開も合わせ、iPhoneの積極的なセールスを続けており、携帯電話契約者数増加でトップを行くソフトバンクモバイルと激しいデッドヒートを繰り広げている。


↑ CHANNEL auのCMの一つ(公式映像)。

携帯電話関連会社としては、他にディー・エヌ・エー、ソフトバンクモバイル、サイバーエージェント、ガンホーなどが見受けられ、テレビCM市場でも携帯電話の話題で持ちきりな雰囲気が強い。

また新作映画のたびにCMを大量投入し上位陣に顔を見せるウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンだが、今回は「ローン・レンジャー」の上映告知CMが第8位に収まっている。



↑ 『ローン・レンジャー』の告知CM(公式)。【直接リンクはこちら:映画『ローン・レンジャー』予告編】

ストーリーそのものは昔から知られたもので、過去にも何度か映画化されているが、今回はディズニーによる映画化ということもあり、また監督が映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのゴア・ヴァービンスキー氏なのも注目されている。日本での公開は8月2日からなので、すでに劇場で堪能した人も多いだろう。

来月発表の8月分は、夏季攻勢のさなかにあることから、基本的には今回の7月分と大きな変わりはないはず。ただし秋に向けての新商品アピールも増えてくることから、季節の変わり目を感じさせる商品も上位に上がってくるに違いない。


■関連記事:
【新聞やテレビなどへの業種別広告費推移をグラフ化してみる(2012年版・電通資料ベース)】

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