幼稚園向けも含め厳しい状態は続く…「小学1年生」-「小学6年生」などの部数動向(2013年4-6月分)

2013/08/30 08:45

社団法人日本雑誌協会は2013年8月23日、四半期毎に公開している「印刷証明付き部数」について、最新分となる2013年4月から6月分の掲載を行った。今回はこの値を元に、小学生向け・幼稚園児向け雑誌について状況の把握・精査を行うことにする。

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「小学●年生」で残っているのは2誌のみ


データの取得場所の解説や「印刷証明付部数」など用語の説明、諸般注意事項は一連の記事まとめページ【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】上で説明済み。そちらで確認のこと。

公式サイト上でデータが取得できる2008年4月から6月分以降、四半期単位で「小学一年生」から「小学六年生」までの「印刷証明付き部数」の推移を示したのが次のグラフ。「GAKUMANPLUS」は「小学五年生」「小学六年生」の統合・刷新版として登場した雑誌なので、あえてこのグラフに反映させている。


↑ 小学一年生から六年生の印刷証明付き部数推移(2013年4-6月期まで対応)

対象学年が上がるに連れて、子供の好奇心も幅広いものとなるため、定番の「小学●年生」以外の雑誌にも目がいくこともあり、上級生向け誌の方が販売数が少なくなる。元々「小学三年生」より上の雑誌は、部数的に危険な領域にあったが、まず「小学五年生」「小学六年生」が、そしてそれに続く形で「小学三年生」「小学四年生」も休刊してしまう。

残る「小学一年生」「小学二年生」は元々部数も大きく、さらに季節変動による上下のぶれも激しい。そのような中で、2010年以降は全体的に頭を押さえつけられる形で部数を下げている。もっとも今四半期に限れば、前年同期比で「小学一年生」はプラス2.0%、「小学二年生」はマイナス4.4%という値を計上。後者はともかく前者は薄日が差してきた感はある。

幼稚園関連誌をいくつか追加


次に示すのは幼稚園関連の3誌「入学準備学習幼稚園」「幼稚園」「たのしい幼稚園」を加えたグラフ。小学生向け雑誌が次々と休刊し、現時点で刊行中・部数調査中なのが2誌ではあまりにも寂しいので、数回前から追加したものだ。


↑ 小学一年生から六年生などの印刷証明付き部数推移(2013年4-6月期まで対応)

幼稚園関連の3誌では「小学●年生」シリーズに見られた季節属性(年度の切り替え時に大きく部数を伸ばす)は無い。むしろ1-3月期が、その前四半期期(10-12月期)よりも下げている事例も多い。そのような傾向の中、直近四半期では前四半期と比べ、3誌いずれもが部数を下げ続けている。

つまり子供向け(の教育的な)雑誌が厳しいのは、小学生を対象とした雑誌に限ったものではないということだ。とりわけ「幼稚園」「入学準備学習幼稚園」はこの5年間で約半数に部数を落としており、危機的状況にある。「たのしい幼稚園」は起伏があるものの、中期的な部数減少には至っておらず、むしろ健闘していると評すべき。

このグラフから現在は休刊中のものをのぞき、「現時点で刊行中」のものに限定して再整理したのが次の図。


↑ 現存「小学●年生」シリーズと幼稚園回り(一部)の雑誌・印刷証明付き部数推移(2013年4-6月期まで)

季節による変動幅の違いはあれど、一様に右肩下がりの動向を示す各誌に対し、唯一横ばいで推移する「たのしい幼稚園」が一段と輝いて見える。少子化の影響も「幾分は」あるのだろうが、この5年前後で幼稚園・小学生生徒が半減するほどの加速度的な減少には至っていないことから(【小学生や中学生の数の推移をグラフ化してみる】)、多分に保護者が子供に買い与えるスタイルの子供向け雑誌そのものの需要が落ちている、購入層との間にずれが生じていることがうかがえる。



上記にある通り、「小学●年生」で現存しているのはわずかに2誌「小学一年生」「小学二年生」のみ。そのうち後者は、年で一番部数が落ち込む10-12月期において、このままのペースでは(経験則上の)危険ラインである5万部を割り込む可能性が示唆されている。

一方で両誌では付録をさらに充実させ、その付録の魅力をアピールすることで、定期購読やバックナンバーの購入を勧める販促を積極的に行っている。この販促スタイルがどこまで有効なのか、今後の動向を見極めたい。

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