首都圏の強い値下がり傾向は変わらず…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2013年6月発表分)

2013/08/15 20:00

賃貸住宅の管理会社から構成されている協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトで、【賃貸住宅景況感調査日管協短観】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2012年度下期(2012年10月~2012年3月)」がこの6月に公開された。今回はこれを元に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向についてグラフ化と状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【「情報誌」以外は堅調化…メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2013年6月発表分)】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)~1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK~2DK」「2LDK~」の3タイプに区分し、それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には「減少」回答者が多く、4割を超える結果が出ている。


↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2012年度下期、前年同期比)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は13.7%。減少回答は42.9%を占め、流れとしては家賃の下落現象が見受けられる。資料でも「家賃は下落傾向が続く」とコメントしており、需給の観点では供給過多による値下げ傾向が続いていることが分かる。見方を変えれば「借り手市場」というところ。

また間取り別では特に小型の住宅の賃料減退が目立つ。投資用、あるいは学生などの個人向けとして建造されたものの、需要が見込みより少なく、値を下げなければならない状態に陥っている物件が多数に及んでいるものと考えられる。あるいは個人・学生においても1Rや1DKのような狭い間取りの物件は、需要そのものが減っている可能性がある。

これを首都圏・関西圏にスポットをあて、値を確認したのが次のグラフ。


↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2012年度下期、前年同期比)


↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2012年度下期、前年同期比)

緑よりもオレンジ部分が長い、つまり「家賃増加」回答よりも「家賃減少」回答が多く、家賃の下落が起きていることには違いない。ただし下落幅で見ると、「1R-1DKはエリア毎の差異無く大幅下落」「それ以上の間取りでは首都圏のみ大幅下落が起きている」という現象が見られる。

この動きを分かりやすくするため、DI値(「増加」から「減少」を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。どの項目でも「増加」より「減少」が多いので、マイナス圏での値動きになるのは当然の話だが、中でも赤の首都圏が突出して下げているのが分かる。


↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2012年度下期、前年同期比)

前半年期と比較すると、取り上げたすべての項目でマイナス値の減少、つまり家賃の減少率が低下しており、家賃下落傾向に歯止めがかかった感はある。

一方今回期のみで動向を見ると、前回期同様、圧倒的に首都圏の方が下げ方が著しい。つまり賃料は大きく下落する傾向が続いている。リリースでもこの点を指摘しており、上記にある通り、多分に需要と供給の間で供給過多が続いているのが要因と考えられる。

少しずつ状況は沈静化の方向に進んではいるが、今しばらくは、需給問題に端を発する成約賃料の下落は続くものと思われる。

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