全国平均で敷金1.4か月・礼金1.1か月…賃貸住宅の敷金・礼金や入居条件交渉の変化をグラフ化してみる(2013年6月発表分)

2013/08/14 21:00

賃貸住宅の管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」が約半年のペースで定期的に更新・公開している、協会員を対象としたアンケート調査結果【賃貸住宅景況感調査日管協短観】について、その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2012年度下期(2012年10月-2013年3月)」が、2013年6月に更新されていることが確認できた。その値を元に今回は、「賃貸住宅管理会社が管理する物件における敷金礼金の現状」、そして「入居者が入居契約交渉時に行う敷金礼金周りの交渉状況」についてグラフ化、状況の精査を行うことにする。

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全国平均で敷金は家賃の1.35か月分、礼金は1.13か月分


各種調査要項などについては先行する記事【「情報誌」以外は堅調化…メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2013年6月発表分)】に記載されている。詳しくはそちらを参照のこと。

まずは礼金・敷金の平均動向について。最初に言葉の意味を再確認しておく。まず「礼金」は言葉通り賃貸契約が新規に結ばれた時に、賃貸住宅業者に支払われる「お礼金」のこと。一方「敷金」は「賃貸住宅に土台として敷かれた(、そして住宅利用時に少しずつ損耗していく)お金」という概念によるもの。その賃貸住宅から退去する際に、次の借主が支障なく使えるよう、原状復帰のために使われるお金。

ただし「敷金」について、自然損耗分は原則的に居住者が負担する必要は無い。居住者が住もうが住んでなかろうが、自然に朽ちていく分までは責任は問われないからである。ところがこの「自然損耗か居住者の過失による損耗か」をめぐり、敷金の返却割合(見方を変えれば、原状復帰に使われる割合)について、退去者と賃貸住宅管理会社との間で、意見の相違が生じる事も少なくない。

さて今回の計測期間において、全国平均では「礼金」は家賃の1.13か月分と1か月強、敷金は1.35か月分と約1か月半近くという結果が出ている。当方(不破)が住む東京では昨今において「礼金1か月」「敷金1か月半」との設定に基づいた物件のチラシがしばしばポストに投函されているので、的外れなものでは無いとの感はある。


↑ 入居時条件(月分)(2012年10月-2013年3月)

関西圏では敷引き(解約引き。入居時の保証金のうち半分程度を退去時の原状復帰費用として固定し、返還しない仕組み。保証金そのものは家賃の半年-8か月分とされ、これには礼金も含まれる。この制度が導入される物件では更新料も無いのが原則)制度が商習慣として根付いて「いた」。その名残もある関係で、礼金の額が他地域と比べてかなり高い結果が出ている。

今件値は業者側の調査に基づいたものであることに違いは無い。地域、周辺環境の違いも多分に影響するが、この値を元にすれば、的外れな相場観に基づいた、無駄な探索(例えば首都圏で敷金・礼金共にゼロの賃貸物件を探すなど)をしなくても済むに違いない。

首都圏で増加を続ける賃料値下げ交渉者…入居時の条件交渉の変化


各賃貸住宅管理会社が抱えている賃貸物件において、敷金や礼金、そして賃料、さらには設備の設置(エアコンや洗濯機が好例)について、居住希望者との間での交渉度合はどのような動きを見せているのだろうか。

借り手・貸し手の力関係を推し量れるデータでもあるのだが、それぞれについてその移り変わり(前年同期比)を尋ねたところ、全国では回答企業の3/4が「賃料を下げてほしいとの交渉が増加している」と返答した。礼金・敷金などの初期費用の値引きを求める度合いが増加したとの意見も2/3近くに達している。


↑ 入居時の条件交渉の変化(2012年10月-2013年3月、前年同期比)

地域別では「首都圏では賃料の値下げ交渉の増加傾向が強い」「関西圏では礼金・敷金などの値下げ交渉における増加傾向が強い」などの動きが見受けられる。関西圏で礼金・敷金周りの動きが著しいのは、やはり上記にある「敷引き」周りの慣習や、それを受けての礼金額が大きいからかもしれない。

また前半期から続く傾向として、首都圏においては「賃料値下げ交渉の『減少』傾向回答がゼロ」という特異な状態が確認できる。見方を変えれば首都圏では賃料において交渉の余地があると、居住希望者の多くが認識しているのだろう。

ともあれ、全国、首都圏・関西圏共に、設備設置はともかく、賃料・礼金などにおいて6割から7割が「交渉増加」と回答している結果を見るに、「賃貸住宅は全般的に入居希望者が主導権を握る借り手市場」という状況に大きな変化はないものと思われる。

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