「情報誌」以外は堅調化…メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2013年6月発表分)

2013/08/14 14:00

賃貸住宅の管理会社で構成されている協会「日本賃貸住宅管理協会」が公開中の【賃貸住宅景況感調査日管協短観】にて、最新情報として2013年6月に「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2012年度下期(2012年10月から2013年3月)が公開されていたのが確認できた。そこで同短観の公開値を元に、賃貸住宅における最新状況を確認し、同市場の昨今における動向を推し量ることにした。今回はメディア毎の賃貸住宅業者への反応について、精査をしていくことにする。

スポンサードリンク


今調査は2013年4月から5月にかけて、インターネットを用いて日本賃貸住宅管理協会会員に対して行われたもので、有効回答数は195社。回答対象期間は2012年10月1日-2013年3月31日についてのもの。なお項目の目安としては前年同期比で「増えた…+10%以上」「やや増えた…+5%」「変わりなし…プラスマイナスゼロ」「やや減った…-5%」「減った…-10%以上」である。また、公開されている図版・数字の多くでは3段階評価で示されているが、この場合「増えた」「やや増えた」の合計が「増加」、「減った」「やや減った」を合わせた値が「減少」に該当する。

今リリースでは「反響効果」と「反響数」が別個の項目で掲載されている。前者は回答者(賃貸住宅業者)の主観的な判断によるところが大きく、あるいは「利用媒体」による結果が直接には結びつきにくいもの。後者は具体的な数字のカウントで比較できるもの、あるいは利用「される(お客から)」媒体そのもの。例えば看板設置による反響効果は、お客が直接「看板を見てきました」と語らない限り効果のほどは分からないが、看板を設置してから来客数が2倍に増えれば、明らかに効果があったような実感は出来る。

ともあれニュアンスとしてはほぼ同じであり、内部で区切りはしたが、同一のグラフにまとめ、状況の把握がしやすいようにした。


↑ 賃貸住宅管理会社に対する反響効果・反響数の変化(2012年10月-2013年3月における、前年同期比で)

多くの項目で赤系統の色塗り部分(減少意見)が少なく、緑系統(増加意見)の多さが目に留まる。特にカタカナ系項目、つまりインターネット関連のメディアの増加が著しい。一方で紙媒体系は概して「緑が少ない」「赤が多い」で元気がない。

・賃貸住宅情報の専門誌であるはずの「情報誌」の集客効果が減少。
・インターネットやメールなどITツールを用いた賃貸物件に関する情報提供の成果が大きく出ている、実感できるとの回答。
・「直接来店」の来客数は増加している。「ある程度の物件に対する探り」はインターネット上で済ませ、その上で来店するお客が増えていると考えられる。もっとも電話やメールの増加傾向には及ばない。

など、各項目間の相対関係としては、前半期の記事における結果がほぼ踏襲されている。つまり「検索性・比較性・情報のスピード感の点ではインターネットやメールが断トツ。情報誌・自社誌の需要がインターネットなどに食われた形」となる。

他方それぞれの項目において前半期の値と比べると、「情報誌」を除く全項目で「増加」値が増え、「減少」値が減っており、各メディアの利用が積極化した様相が見えている。ただし「情報誌」に限ればまったく逆で、効果がさらに減退している。利用者そのものが増加して市場の活性感への覚えがある一方、「情報誌」の立ち位置はさらに後ずさりしているようだ。存在が無くなることはないだろうが、時代の流れには逆らえないというところか。

これらの動きを把握しやすくするため、「増えた派」から「減った派」を引いてDI値を算出し、その結果をグラフ化したのが次の図。リリース本文にあるDI値ではなく、今記事作成にあたり独自に算出していることに注意する必要がある。


↑ 賃貸住宅管理会社に対する反響数の変化・DI値(2012年10月-2013年3月における、前年同期比で、増えた派-減った派)

「旧来紙メディア=マイナス」「新メディア、直接アプローチ(手段を問わず)=プラス」という状況は相変わらず。そして前半期と比べて「情報誌」以外はすべて数字が改善されており、賃貸市場への活況感が裏付けられている(年度末をひかえており元々この時期は忙しくなるのだが、今値は「前年同期比」で、季節属性は関係が無い事に注意)。ただし「情報誌」はむしろマイナス値の幅を拡大し、管理会社の視線ではその価値観をさらに下げつつある。

反響数項目では「メール」が一番効果が上がっている。そして「電話」「直接来店」の順と続いており、利用者側の「手間をかけず、時間を拘束されずに業者へ確認をしたい」という考えが見て取れる。つまり、

・「来店」…時間がかかる、足を運んでも担当がいないかもしれない。いてもその場で求めていた回答が得られるか確証が無い。
・「電話」…時間はかからないし足を運ぶ必要は無いが、担当がいないかもしれない。再度の電話が求められる可能性もある。
・「メール」…時間はかからないし、担当の都合に合わせて返事がもらえるはず。

となる。

「効率よく良い物件探しをしたい」「購入では無く賃貸なのだから、あまり過度なリソースは割きたくない」と考えている借り手の視線で考えれば、インターネットの利用は、より適切なツールを選んでいるに過ぎない。特に昨今ではスマートフォンやタブレット機など、大型の画面を持つモバイル端末の普及が進んでいることもあり、それらの特性を活かした、「より適切に情報を得られた」と利用者が満足できるサービスの提供が求められよう。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー