2013年7月の熱中症での病院搬送者、7月では過去最高の2万3699人に

2013/08/10 10:00

総務省消防庁は2013年8月9日付で、同年7月における熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。その発表値によれば同年7月における熱中症による救急搬送者は2万3699人となり、同庁が熱中症に関する調査を開始した2008年以来7月では過去最多の数字となった。また月単位の全体比較でも、2010年8月の2万8448人に次ぐ2番目の値となっている。気温は全般的に高めで、特に西日本で高温が続き、これが搬送者数の増加につながったようだ(【消防庁:発表リリース一覧ページ】)。

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今年の7月は太平洋高気圧が西日本を中心に張り出す場面が多く、特に西日本では晴れの日が多かった。月後半になると東日本では前線や気圧の谷の影響で曇りがちとなり、雨が降る機会も多かったものの、西日本では晴天が続き、高温と合わせ、熱中症のリスクを上乗せする形となった。さらにリリースには記載されていないが、節電要請や電気代の値上げによるエアコン稼働への躊躇も、小さからぬ要因と考えられる。

今回の発表によれば、2013年7月の全国における熱中症による救急搬送人員(救急車で医療機関に搬送された人)は2万3699人となり、昨年2012年の7月における2万1082人と比較すると12.4%増という値になった。


↑ 熱中症搬送人員(2010-2013年、各7月、人)


↑ 熱中症搬送人員(2010-2013年、各7月、人数比)

昨年と比べると新生児・乳幼児では人数は減少しているが、それ以外の階層では増加している。そして各世代の前年比を算出すると、高齢者(65歳以上)の増加比率が一番大きい(プラス19.8%)。単純に高齢者そのものの人数増加に加え、一人暮らし世帯の増加に伴う、熱中症の発症時における発見までの遅延リスク、そして「一人だから」「節約のため」とばかりにエアコンの稼動を躊躇することによる発症の増加が考えられる(週次報告でも概して気温が高くなるほど、他世代と比べて高齢者の比率は上昇する傾向にある)。

高齢者の熱中症患者の増加に伴い、搬送時の初診傷病程度も変化。全体に占める軽症者の比率が減少し、中等症などの増加が確認できる。特に一人身世帯において、発見時に容体悪化が進んでいた状況が想像される。


↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2013年、各7月、人)


↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2013年、各7月、人数比)

ちなみに各症状の具体的内容は次の通り。
軽 症:入院を必要としないもの
中等症:重症または軽症以外のもの
重 症:3週間の入院加療を必要とするもの以上
死 亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「中等症」とはこの説明から「3週間未満の入院を必要とするもの」となる。重症ほどではないが、搬送時には相当状態が悪化していたことになる。本人が無理をしていたか、あるいは発見が遅れたことが想定できる。

「入院の必要性」という観点では、軽症と中等症との差は極めて大きなもの。患者全体に占める高齢者の比率が高いものとなれば、軽症が減り、中等症以上が増える結果となるのは理解できる。

自分自身への注意、異常を感じたらすぐに対応することは当然だが、身の回りに体力の不安な人などが居る場合、積極的に声をかけるなどして、事象の発生を極力防ぐ努力をしてほしい。図書館などをはじめとした、公的機関における「クーリングスポット」へ誘うのも一つの手ではある。

過去の事例を紐解くと、8月に入るとお盆休みに入ることなどもあり、一時的に救急搬送者は減る傾向にある。ただしお盆休みが開けると再び増加の傾向を示す動きも確認できる。


↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2012年・人)(5月28日から9月30日)(再録)

今年は昨年よりも気温が高いこと、残暑が予想されていることもあり、去年以上の搬送者の発生が予想される。くれぐれも注意してほしい。


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