梅雨時の花王大攻勢、放送回数で興和を大きく引き離してトップに(民放テレビCM動向:2013年6月分)

2013/08/02 11:30

映像音声検索技術「AV-Maker」などを用いて取得したテレビCMメタデータを提供するゼータ・ブリッジは2013年7月30日、2013年6月度分となる関東民放5放送局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のテレビCMオンエアランキングを発表した。その公開値によれば、6月でCMの放送回数がもっとも多かった企業・団体は花王であることが分かった。企業別順位、商品別ランキングでは携帯電話関連企業、そして飲料水やトイレタリーなど梅雨・夏向け商品を展開する企業が大きな比率を占めている(【ゼータ・ブリッジ公式サイト】)。

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今月は花王が興和を大きく引き離してトップに


データの取得場所の解説、各種データの意味、さらには今件記事が関東地域のみを対象としている件についての事情説明は、一連の記事まとめ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行っている。そちらで確認のこと。

発表資料には「出演者ランキング」など複数項目の切り口から見たデータが掲載されているが、その中で「企業別オンエアランキング(放送回数順位)」の上位10位を抽出したのが次のグラフ。


↑ 企業別放送回数ランキング(2013年6月、上位10位)

花王は元々テレビCMの出稿量が多い企業として知られているが、その出稿量動向でも数年前までは季節属性的なパターンを有していた。ところが2012年あたりからはそれも無くなり、逐次それなりのボリュームを展開している。テレビCMに対するウェイトを積み増しした、あるいは相対的に他企業が減らしているものと考えられる。今回月は前月から大いに回数を伸ばし、先月トップを譲った興和を大きく引き離す形で、トップの座についている。

今や国民的なインフラとなり、関連企業も勢いを増している携帯電話向けサービス事業会社では、KDDIが9位、エヌ・ティ・ティ・ドコモが12位、ソフトバンクモバイルが15位となった。年度替わりの春攻勢も過ぎて大人しさを見せているものの、知名度維持のためのCM展開は継続している。

一方、携帯電話向けのエンタメサービスを提供する企業としては、5位にグリー、16位にディー・エヌ・エーが入っている。特筆すべき新商品・サービスがあるわけではないが、さらなる顧客誘引のための注力は続いている。

今回月では梅雨の真っただ中、そして夏の気配を感じる時期ということもあり、夏向け・梅雨向けの商品を扱う企業が多く見受けられる。花王やライオン、P&Gのようなトイレタリー商品を発売する企業、またアサヒビールやライオンのような飲料系企業が名前を連ねている。特に花王は多種多様な商品をアピールするCMを多数同時に投入しており、これが総数で大きく飛躍したことに結びついたと考えられる。


↑ 花王 プリマヴィスタ 梅雨どき下地で差がつく-5才肌 篇(公式)。

これら上位10位の企業のCM出稿量について、各放送先のテレビ局ごとに細分化してグラフ化したのが次の図。


↑ 企業別放送回数ランキング(2013年6月、上位10位)(局別)

トップの花王は日本テレビとフジテレビへ、第二位の興和はテレビ朝日への出稿量が際立っている。特に興和は先月以上にテレビ朝日への一「局」集中化が起きており、提供番組への注力ぶりがうかがえる。他企業も、例えばハウス食品のテレビ朝日、グリーのテレビ東京とTBSテレビのように、それなりの投下CM数の偏りは見られるが、特に花王・興和の動きの著しさが目に留まる。

他方、トヨタ自動車やKDDIのように、どの局にも押し並べて似たような量のCMを展開する企業もある。企業別の方針、あるいは対象CMの特性を推し量った結果だと考えられるが、個々の特性が見えるようで興味深い。

商品別ではハード・サービス共に携帯と興和が上位を占める


企業別の区切りでは無く、個別商品別に見たランキングは次の通り。時代の流れ、流行の商品やサービスの特性もあり、カタカナ文字の商品が多数を占めている。


↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年6月)

先月トップのグリー、そして第2位のKDDIの「CHANNEL au」(ドラマ的にauの最新情報を伝えるCM)は順位を変えず、そのまま横滑り。ただしグリーは大きく回数を増やし、逆にKDDIはやや減らしている。そして先月第3位だったディーエヌ・エーを押しのけ、興和の単品商品として先月も紹介した「ウナコーワ・虫よけ当番」、さらには「フットガンコーワ」も並んで上位入りしている。季節商品として梅雨から夏に向けて大いに売れる商品なだけに、興和側も思い切った攻勢をかけているようだ。

また単品としては珍しく、自動車企業のCMとして日産自動車の「デイズ」が入っている。これは同社の新型軽自動車のCMだが、嵐の松本潤氏による6月1日から5日間の限定オンエア、さらに日替わりでカウントダウンしていくという、話題性にあふれた内容だった。

「デイズ」では日替わり期間限定CMの放映後も、多種多様なCMを展開している。こちらは【デイズの公式サイト】から視聴ができる。


↑ 「デイズ」公式サイトでは一般CMが視聴できる

カウントダウンスタイルのCMは現在では「公式のものは」視聴できないのが残念だが、当時としては日産のファンだけでなく嵐からファンの注目も集め、大いに口コミの対象となった。「デイズ」そのものが若年層にも手が届きやすい軽自動車ということもあり、CMの投入効果は十分にあったものと考えられる。

次回7月分は梅雨もほとんど明け、夏真っ盛りの時期となる。トイレタリー商品や飲料水をはじめとした涼周りのCMが大いに盛り上がることとなるだろう。


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