リアルとネットを行き来する「O2O」の動向をグラフ化してみる

2013/08/03 15:00

総務省は2013年7月16日、【情報通信白書】の最新版となる2013年版について、同省公式サイト内で発表・公開した(【発表リリース:平成25年「情報通信に関する現状報告」(平成25年版情報通信白書)の公表】)。今白書は当サイトでも春先、複数の記事で内容について精査分析した「通信利用動向調査」の結果をベースにしている。さらに他にも複数の資料や調査結果をソースとして利用しており、日本を中心とした情報通信の現状を確認できる白書となっている。今回はその中から、「O2O」の動向について見ていくことにする。

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「O2O」とは「B2B(Business to Business、企業間取引)」「B2C(Business to Customer、企業と消費者との取引)」に類した造語で、「Online to Offline」、つまり「オンラインとオフラインとの取引、連携」を意味する。「2」が「to」の当て字となっているが、何もオンライン(ネット上)からオフライン(現実、リアル)への一方通行を意味するものではない。【クーポン利用率、71.8%と他を圧倒している店種は……!?】などにも挙げられる、携帯クーポンで実店舗の商品を割り引く仕組みが好例(On→Off)。また逆に、実店舗の商品にQRコードを配して、その商品の関連情報を提供し、さらなるサービスの利用を促す手法(Off→On)も良い例である。


↑ O2Oの概念(情報通信白書から抜粋)

「O2O」の動きは、スマートフォンやタブレット、特にスマートフォンの普及と共に急速に浸透している。これらの端末の機動力が高く、表示能力にも優れていることから、電子商取引にも利用されやすいのがその理由。電子商取引そのものの規模も拡大の一途を続け、世界の市場規模は2012年に1兆ドルを突破、2013年には1.3兆ドル規模になると予想されている。日本でも成長を継続しており、2013年には約13.8兆円(1404億ドル)にまで規模が拡大する見通し。


↑ 世界の電子商取引市場規模(世界上位5か国)(億ドル)

さて国内の「O2O」動向のうち、利用客の購入行動様式についてスポットライトをあてると、興味深い動きがある。頻度はともあれ、「実店舗で商品を見つけたが、ネット上でも確認をするため、購入を留保した」「ネット上で商品を見つけたが、実店舗でも確認するため、購入を留保した」経験がある人は7割強に達しているというものである。


↑ 実店舗とネット店舗における顧客の行動様式

詳しく見ると「実店舗で見つけたがネット上で確認」の方がやや頻度・合計数が多く、実店舗での商品吟味がそのまま購入にはつながりにくい実態がうかがえる。また、顧客の多くが「リアルによる実体験、自分の五感を用いた確認」と「インターネット上で得られる多様な情報(企業提供情報や、各種体験談などの口コミ)」の双方の情報を取得した上で商品の購入を決定するという、ミスを少なくする、慎重な姿勢を見せていることが分かる。

この動きについて、「商品そのものの購入に及び腰になっている」との見方もある。しかし切り口を変えれば、OnとOffをうまく連動させ、情報を上手に誘導循環させることにより、プラス方面での顧客誘引を生み出すことも不可能ではない。消費者が求める情報を適切に、正しくリアルとネット双方で提供し、スムーズに結びつけることができれば、「購入意欲」を増幅させることができる。

また、OnとOffの結びつきは、従来時間を置く必要があった。自宅のパソコンでプリントアウトしたインターネット上の情報を手に、店舗に足を運んだ経験がある人は少なくないだろう。しかし今ではスマートフォンを用いることで、店舗内で気になる商品について、その場で調べて必要な情報を入手し、「O2O」をその場で実践し、購入決定に結びつけることができる。さらにそこから他商品の購入意欲にも連鎖する可能性はある。例えば店舗でキャベツを確認し、価格が適正であることをスマートフォン経由で調べ、関連情報としてロールキャベツのレシピを見つけ、ひき肉なども合わせて購入しようとする……といった具合である。



日本ではまだ店舗内で顧客がスマートフォンなどの携帯電話を用い、情報を精査する情景はあまり見られない。店舗側に遠慮している面もあるのだろう。しかし「O2O」のことを考えれば、店舗はむしろ積極的に利用してもらうよう、多様な施策を打ち出す必要があるといえよう。


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