アジアはネットやブランド、欧米はリピートや友人の勧め…地域で異なる性質を持つ、輸入食品購入時の情報源

2013/07/31 08:45

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日本貿易振興機構(JETRO、ジェトロ)は2013年3月5日、日本食品に関する海外の消費者調査結果の概要を発表した。それによると調査対象国(7か国)全体においては、日本食品に限らず回答国から見た「輸入食品など」を購入する際に重視する情報源として、「友人・知人のすすめ」を挙げる人がもっとも多いことが分かった。次いで「過去に自分が食べたことがある(リピート)」「信頼できるブランド・メーカーの商品であること」が続いている。国別で見ると概してアジア地域ではインターネットの情報やブランドを重視する傾向があり、欧米ではリピート購入や友人・知人の勧めをより高く評価する姿勢が見て取れる(【発表リリース:「日本食品に対する海外消費者調査(中国、香港、台湾、韓国、米国、フランス、イタリア)」結果について】)。


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今調査の調査要件などは先行して掲載した記事【トップは日本料理…諸外国に聞いた「好きで外食で食べる外国料理」は?】を参考のこと。

日本食品に限らず、回答国から見た輸入食品を購入する際、どのような情報を重視するか。複数項目を挙げて複数回答で答えてもらい、総数に対する比率を算出したところ、最上位についたのは「友人・知人のすすめ」だった。全回答の約2割を示している。


↑ 輸入食品等購入時の重要情報源(日本食品に限らず、複数回答の上、総回答数に対する比率)

メーカー自身の公的情報やネット上の口コミ情報よりも、自分が実際に知っている人からのおすすめ情報の方が、頼りになるというわけだ。もっともこれは輸入食品に限らず、多くの事例で当てはまる話ではある。

次いで多いのは「過去に食した経験がある」。つまりその食品のリピーター的な意味合い。前に食べて美味しかった、コストパフォーマンスに優れていた、身体に良かったなど、多様なメリットを実感し、再度調達したくなる。ある意味、他人よりも信じられる自分自身のおすすめなのだから、間違いは無い。

ブランド力の高さも目に留まる。ネット上の口コミや店頭プロモーションよりも影響力は大きい。逆に企業サイト自身の情報は、あまり参考にならないという回答が出ている(もっともこれは「輸入食品」の話なので、回答者からは外国語のサイトは当てにならない以前に、読みにくいのが要因かもしれない)。

これを国別に区分すると、エリアレベルでの特性が見えてくる。


↑ 輸入食品等購入時の重要情報源(日本食品に限らず、複数回答の上、総回答数に対する比率)(国別)

上位3位の「友人・知人のすすめ」「リピート」「信頼できるブランド」が圧倒的優勢を示しているのはどの国でも同じ。しかし一方で、欧米では「友人・知人のすすめ」と「リピート」の比率がより高く、アジアではやや低め。代わりにアジアでは「ネット上の口コミ」や「信頼できるブランド商品」の値が高くなっている。切り口を変えると、欧米では「自分自身と自分の周りの人の意見を重視」、アジアでは「ブランド、そしてネット上の不特定多数の意見を重視」する傾向が強いということになる。

特に中国と韓国ではネット上の口コミへの傾注が強い。今件はインターネット経由による調査であるため、世間一般とはややずれが生じているリスクもあるが、両国のインターネット利用率の高さなどを考慮すれば、あながち大きな違いは無いものと思われる。


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【「カレーライス」が日本の国民食から外れつつある現実】(2008年)


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